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■RSウイルス感染症、過去10年で患者最多 重症化すると入院が必要に [健康ダイジェスト]

 乳幼児に肺炎や気管支炎などを引き起こす恐れのあるRSウイルス感染症が、子どもたちの間で広がっています。患者の数はこの10年で最も多くなっていて、有効なワクチンがないことから、国立感染症研究所は手洗いやうがいなどの徹底を呼び掛けています。
 RSウイルス感染症は、感染すると発熱やせきなど風邪に似た症状が現れる病気で、主に乳幼児で流行し、初めての感染では3人に1人が肺炎や気管支炎を起こすなど重症化すると入院が必要になることもあります。入院が必要になるのは、初めて感染した乳幼児の2パーセントから5パーセントで年間、およそ2万人に上ると推計されています。
 国立感染症研究所によりますと、先月24日から30日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関で、新たにRSウイルス感染症と診断された患者は、調査を始めた2003年11月以来、過去最多の5495人に上りました。感染者が5000人を超えたのは2週連続で、全国的に急速に感染が広がりつつあります。
 都道府県別では、北海道が376人、埼玉県が341人、東京都が340人、大阪府が317人、愛知県が315人などとなっています。
 RSウイルス感染症の流行は、例年12月から1月にかけてピークを迎えることから、今後もしばらくは患者の多い状態が続く恐れがあります。
 国立感染症研究所の木村博一室長は、「生後6カ月未満の赤ちゃんが感染すると症状が急激に悪化して呼吸困難に陥る恐れがあり、赤ちゃんにとってはインフルエンザ以上に怖い感染症だ。家族から移さないように、しっかりと手洗いをしたり、せきなどの症状があるときはマスクをするなど対策を徹底してほしい」と呼び掛けています。
 千葉市立海浜病院の小児科の病棟には、RSウイルスに感染し、肺炎や気管支炎を起こした、生後18日から7歳までの子ども9人が、現在入院しています。
 院内で感染を広げないよう同じ病室に集めたり、個室にしたりして対応していますが、例年より患者数が多いため、新たな入院患者の受け入れを断らざるを得ないケースも出ています。
 このうち入院5日目という3歳の女の子は、気管支炎のため酸素をうまく取り込めなくなっていて、酸素吸入用のマスクを口に当て気管支を広げる薬の投与を受けていました。
 また、1歳4カ月の男の子は、せきがひどく点滴で栄養を補っている状態だということで、母親は「ゼーゼーという呼吸がとても苦しそうで、感染しないように気を付けていればよかった」と話していました。
 千葉市立海浜病院小児科の地引利昭統括部長は、「夏ごろから入院患者が増え、その勢いを保ったまま12月に突入していて、例年より多い印象だ。今年はインフルエンザの入院患者もいつもより早く出ているので、小児科病棟では感染対策をより慎重に行わなければならない状況になっている」と話しています。
 その上で、RSウイルスへの注意点として、「大人や4、5歳以上の子どもは軽い鼻風邪程度ですむが、3歳未満の乳幼児は重症になることがある。家族が移さないように手洗いやマスクといった対策を徹底してほしい。また感染した場合には、呼吸がゼーゼーしてきたり、元気がなくなって食事がとれなくなったりしてきたら要注意だ。こうした変化に早く気付き医療機関を受診してほしい」と話しています。

 2014年12月9日(火)

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