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■iPS細胞から軟骨組織を作製し、ひざ関節に移植 京都大が計画を申請  [健康ダイジェスト]

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から軟骨の組織を作製し、ひざの関節の軟骨が損傷した患者に移植する臨床研究の計画を京都大学の研究チームが国に申請しました。
 ひざの関節にある軟骨の組織は、けがなどで傷付くとほとんど再生しません。現在は、ひじなど健康な別の部位の軟骨の細胞を手術で取り出して移植する治療法が行われていますが、患者の負担が大きいことなどが課題になっています。
 京都大学iPS細胞研究所の妻木範行教授らの研究チームは、人のiPS細胞から軟骨の組織を作製し、ひざの関節の軟骨が損傷した患者に移植する臨床研究の計画を11月7日付で国に申請したと、11月27日に明らかにしました。
 審査は早ければ、12月にも始まる見通しで、研究チームは、国の了承が得られれば来年以降、患者への移植を始めるとしています。
 臨床研究では、京都大が備蓄するiPS細胞から直径2~3ミリメートルの球状の軟骨組織を育て、数平方センチメートルの患部に移植する手術を行います。周囲の軟骨組織とくっついて機能することを期待します。
 移植する軟骨組織には血管がなく、患者の免疫細胞が軟骨細胞に触れにくいため、拒絶反応が起きにくいと予想しています。これまでにブタなどで効果や安全性を確かめました。
 今回の計画では安全性の確認が目的で、損傷部が小さいひざ関節が対象。将来は、ひじや足首などの軟骨損傷や高齢者に多い変形性膝関節症にも広げる考えです。
 臨床研究がうまくいけば、旭化成が実用化を検討します。すでに共同研究を進めており、軟骨組織の量産技術の確立を目指し、2029年に実用化することが目標です。
 iPS細胞から作った細胞や組織の移植は京都大で、神経のもとになる細胞をパーキンソン病の患者の脳に移植する手術が行われたほか、神戸市にある理化学研究所などの研究チームが目の網膜の組織、大阪大が目の角膜の組織を移植する臨床研究を行っています。

 2019年12月2日(月)

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