■人間に感染する新型豚インフルエンザウイルスを確認 中国の複数地域で [健康ダイジェスト]
中国の研究者らは6月29日、新型の豚インフルエンザウイルスが確認され、パンデミック(世界的な大流行)が起きる可能性もあると、アメリカの科学雑誌「アメリカ科学アカデミー紀要」に発表しました。
「G4」と名付けられた新型豚インフルエンザウイルスの株は、遺伝的に2009年に流行した豚インフルエンザウイルスH1N1に由来するといいます。発表した中国疾病予防抑制センターと同国の複数の大学の研究者らは、「高度に適応して人間への感染力を持ちやすい、すべての本質的な特徴を備えている」として、感染が広がらないよう監視していく必要があると警鐘を鳴らしています。
研究者らは2011年から2018年にかけて、河北省や山東省など10省の食肉処理施設と動物病院1カ所で、豚の鼻腔から綿棒で3万点の検体を採取し、179株の豚インフルエンザウイルスを分離しました。その大半が、2016年以降に豚の間で流行している新型豚インフルエンザウイルスだったといいます。
これら分離されたウイルスを用い、人間と似た発熱、せき、くしゃみといったインフルエンザ症状を示すフェレットを使ったものを含むさまざまな実験を行ったところ、G4は感染力が強く、人の細胞内で複製を行ったほか、フェレットではほかのウイルスよりも深刻な症状が観察されました。
また、実験では、季節性インフルエンザへの感染で獲得される免疫は、G4に対する防御効果がないことが明らかになりました。
養豚関係者338人を対象に実施した抗体検査では、10・4%に当たる35人が過去に感染したことがあるとの結果が出ています。同じ抗体検査で、養豚関係者以外の一般の人々の抗体保有率は4・4%となっています。
そのため、豚から人への感染がすでに起きていることは明らかなものの、科学者らが最も懸念する人から人への感染が起きるかどうかについては証拠がまだありません。
2020年7月1日(水)
「G4」と名付けられた新型豚インフルエンザウイルスの株は、遺伝的に2009年に流行した豚インフルエンザウイルスH1N1に由来するといいます。発表した中国疾病予防抑制センターと同国の複数の大学の研究者らは、「高度に適応して人間への感染力を持ちやすい、すべての本質的な特徴を備えている」として、感染が広がらないよう監視していく必要があると警鐘を鳴らしています。
研究者らは2011年から2018年にかけて、河北省や山東省など10省の食肉処理施設と動物病院1カ所で、豚の鼻腔から綿棒で3万点の検体を採取し、179株の豚インフルエンザウイルスを分離しました。その大半が、2016年以降に豚の間で流行している新型豚インフルエンザウイルスだったといいます。
これら分離されたウイルスを用い、人間と似た発熱、せき、くしゃみといったインフルエンザ症状を示すフェレットを使ったものを含むさまざまな実験を行ったところ、G4は感染力が強く、人の細胞内で複製を行ったほか、フェレットではほかのウイルスよりも深刻な症状が観察されました。
また、実験では、季節性インフルエンザへの感染で獲得される免疫は、G4に対する防御効果がないことが明らかになりました。
養豚関係者338人を対象に実施した抗体検査では、10・4%に当たる35人が過去に感染したことがあるとの結果が出ています。同じ抗体検査で、養豚関係者以外の一般の人々の抗体保有率は4・4%となっています。
そのため、豚から人への感染がすでに起きていることは明らかなものの、科学者らが最も懸念する人から人への感染が起きるかどうかについては証拠がまだありません。
2020年7月1日(水)
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