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■JCRファーマ、神戸市にワクチン原液工場新設へ 既存製品も増強 [健康ダイジェスト]

 イギリスの製薬大手アストラゼネカから新型コロナウイルスのワクチンの製造を委託されている国内の中堅製薬メーカーのJCRファーマは4日、ワクチンの原液を製造する新工場を神戸市内に立ち上げると発表しました。
 新工場は、神戸市から取得した工業用地に総工費約116億円をかけて建設され、今年7月にも着工し、来年10月に完成する予定で、稼働するのは再来年になる見通しだということで、既存工場から製造を移管します。兵庫県芦屋市に本社を置くJCRファーマは切迫するワクチン需要に対応しながら、希少疾患治療薬など医薬品事業の成長と両立させます。
 同日に神戸市内で開いた記者会見で、JCRファーマの芦田信会長兼社長は「いまだに新型コロナの収束という出口が見えていない。我々にできることをやり遂げていきたい」と決意を述べました。会見に同席した久元喜造・神戸市長は、「国内初となるワクチン原液の製造拠点の設置は大きな意味を持つ」と話しました。
 アストラゼネカから受託したワクチン原液は現在、神戸市内の工場の一部で製造しています。JCRファーマは他人の細胞を使った国内初の再生医薬製品を手掛け、遺伝子難病群「ライソゾーム病」の治療薬を開発するなどバイオ技術にも強みを有しています。ワクチン原液の製造に伴い、治験薬や希少疾患治療薬の原薬の製造を計画していた場所が使えなくなりました。
 一方で、以前から手掛けていた希少疾患治療薬も実用化が近付いています。2020年9月にはライソゾーム病の一種である「ハンター症候群」の治療薬候補について、製造販売の承認申請を実施し、今年3月中にも承認を取得できる見通し。製造スペースを確保する必要があり、ワクチン原液用の新工場が必要となっています。
 JCRファーマは、国内にすでにある工場と合わせて、中長期的にワクチンを安定供給できる体制を整えたいとしています。

 2021年3月5日(金)

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