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■高齢者のてんかんに注意を 70歳以上での発症多数 [健康ダイジェスト]

 脳の神経細胞の過剰な活動により、けいれんや体の硬直などの発作が起きる「てんかん」の人口当たり有病率や発症率が70歳以上で特に高いというデータを、厚生労働省研究班が初の全国規模の調査で明らかにしました。発作が起きても認知症など別の病気と診断されている可能性もあり、てんかんであることも想定して治療を考える必要があると指摘しています。
 「有病率」はある時点でその病気になっている人の割合を指し、「発症率」は一定の期間に新たにその病気を発症した人の割合を指します。病気の実態を把握し、保健医療の施策を考えるために重要なデータですが、てんかんでは全国規模で調べられてきませんでした。
 研究班は、2012~2019年に全国の健康保険組合加入者で74歳以下の約990万人から、診断名や使用している薬の情報を手掛かりに約7万7000人のてんかん患者を見付けました。
 有病率は、2012年から2019年にかけて人口1000人当たり5・4人から6・0人とわずかに増えていました。ほかの先進国と同水準だといいます。特に有病率が高いのは70~74歳で、10歳代がそれに続きました。
 発症率は、1年間に人口10万人当たり72・1人でした。男性より女性で少し高く、世代別では0歳と70~74歳が特に高くなりました。
 調査に中心的にかかわった広島大学病院てんかんセンターの飯田幸治センター長は、「子供の病気と考えられがちだが、高齢者が脳卒中や認知症などの神経疾患と合併して発症するケースが多い」とし、高齢化により発症率が高まる可能性を指摘。「てんかんと認知症の症状は似ており、てんかんの薬を使うなど適切な治療で回復が見込めるかもしれない」と話しています。

 2023年9月5日(火)

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