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■有害性指摘のPFAS、2つの浄水施設で国の値超える濃度検出 岡山県吉備中央町と三重県桑名市 [健康ダイジェスト]

 有機フッ素化合物のPFAS(ピーファス)のうち有害性が指摘されている2つの物質について、岡山県の浄水場で国の値の20倍を超える濃度が検出されるなど、全国の2つの浄水施設の水道水から国の値を超える濃度が検出されたことがわかりました。
 有機フッ素化合物のPFASは、水や油をはじき、熱や薬品に強いなどの特性を持つ化学物質で1万種類以上が存在するとされます。そのPFASの中の「PFOS(ピーフォス)」は金属メッキや泡消火薬剤、「PFOA(ピーフォア)」は界面活性剤など幅広い用途で使用されてきましたが、この2つの物質は発がん性や子供の成長への影響などが報告され、体内で蓄積しやすく自然界で分解しないことから現在は製造や輸入が原則禁止されています。
 国は1リットル当たりのPFASの濃度を50ナノグラムとする暫定目標値を設定し、2020年度から水質検査の実施に努めるとする項目に追加しました。
 日本水道協会が公表した2021年度に全国1247地点で行われた水道水の水質検査の結果によりますと、PFASの2つの物質について、岡山県吉備中央町の「円城浄水場」で国の暫定目標値の24倍に当たる1リットル当たり1200ナノグラム、三重県桑名市の「多度中部送水場」で3・4倍に当たる1リットル当たり170ナノグラムが検出されたということです。
 厚生労働省によりますと、PFASの測定結果が初めて公表された前回、2020年度の調査で国の値を超えたのは589の調査地点のうち5地点で、三重県桑名市は前回に続き、値を超えました。
 一方、岡山県吉備中央町は今回が初めての結果公表のため前回のデータはありません。
 前回、国の値を超えた神奈川県座間市、長野市、兵庫県宝塚市、沖縄県金武町は、今回は値を下回りました。
 PFASの環境省専門家会議のメンバーでもある京都大学大学院の原田浩二准教授は、「1000ナノグラムを超えているのは、水道水の汚染の中では極めて高い状況だ。発生源はどこになるのか、低減対策などが可能かどうかについて検討する必要がある」と話しています。
 国の値の20倍を超える濃度のPFASが浄水場から検出された岡山県吉備中央町は17日に会見を開き、該当する地域では水道水を飲み水として利用しないよう呼び掛けました。
 吉備中央町によりますと、522世帯の約1000人が利用する水道水を供給している「円城浄水場」で、2021年度の検査で、国の値の24倍に当たる1リットル当たり1200ナノグラム、2022年度は28倍に当たる1400ナノグラムのPFASが検出されたということです。
 山本雅則町長などが17日に会見を開き、原因は不明で、該当する地域の世帯では水道水を飲み水として利用しないよう呼び掛けるとともに、給水車を派遣したり、ペットボトルの水を配ったりする対応をとっていることを明らかにしました。
 また、国の値を超える調査結果をこれまで公表してこなかったことについて、「飲み水として適切だと判断したが、認識が甘かった」などと説明しました。
 町は、この浄水場について、PFASの除去に一定の効果があるという活性炭を置き換えたり、別のダムの水に入れ替えることも検討しているということです。
 山本町長は、「高い数値が出て驚いている。原因究明が必要なので、県と協議しながら対応していきたい」と話していました。

 2023年10月17日(火)

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