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■エボラ出血熱治療薬、動物実験で有効性調査へ 感染症研究所、流入に備え国内初 [健康ダイジェスト]

 国立感染症研究所が村山庁舎(東京都武蔵村山市)のBSL4(バイオセーフティーレベル4)施設で、海外で承認されている薬などからエボラ出血熱の治療薬を探し出すための動物実験を近く始めることが19日、明らかになりました。エボラ出血熱は感染症法で危険性が最も高い1類に指定されており、ウイルスを使って薬の有効性を調べる動物実験は国内初となります。
 主にアフリカで発生する感染症ですが、海外からの観光客が増え国内に流入する懸念があることから、感染者の発生時に迅速に治療できる体制づくりを目指します。
 実験で扱うのは、エボラ出血熱のほか、ラッサ熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病の4つの原因ウイルスで、いずれも1類。発症すると発熱や頭痛の症状が出て、粘膜などが出血することもあり、致死率が高くなっています。
 海外では薬の実用化が進んでいるものの、国内で承認された薬やワクチンはありません。感染症研究所は11月上旬に村山庁舎の地元住民に説明し、実験に向けた準備に着手しました。
 村山庁舎にある、危険な病原体が漏出しないよう厳重な対策を施したBSL4の施設で実験します。マウスや小型サルの一種マーモセットにウイルスを感染させ、海外で承認されているエボラ出血熱の治療薬や、新型コロナなど別の感染症の薬を投与して、有効性を調べます。候補薬が見付かれば臨床研究などを検討します。
 感染症研究所の海老原秀喜・ウイルス第一部長は、「人の往来が再び活発になり、感染症が国内に入ってくるリスクが高まっている。患者が発生したらすぐに有効な薬を投与して治療を開始できるよう、科学的根拠を集めて将来の治療体制の確立に貢献したい」と話しています。
 感染症研究所は2019年、南米出血熱を含む計5種類のウイルスを海外の研究機関から初めて輸入し、患者を速やかに診断できる検査体制の整備を進めていました。

 2023年11月20日(月)

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