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■感染症の重症化リスクを予測する手法確立 福島大と京都大、血中アミノ酸に着目 [健康ダイジェスト]

 福島大食農学類と京都大大学院医学研究科付属がん免疫総合研究センターでつくる研究チームは、新型コロナウイルスなど感染症の重症化リスクを予測する手法を確立しました。論文が月内にも、イギリスの学術雑誌に掲載されます。
 研究チームは国内で新型コロナの感染者が出始めた当初、患者によって症状の程度が異なるため、予測方法の確立を目指して研究に着手しました。
 感染から一定期間後に重症化した患者と、軽症のままの患者では、感染直後に採取した血液のアミノ酸の濃度に差異がある点に着目しました。血中のアミノ酸の量は通常、健康な状態では個人差がほぼないものの、重症化した患者は感染直後に量が減少していました。
 血中のアミノ酸が体内でどのように移動したか調べるため、栄養素などの成分を測定して画像化する福島大の「イメージング質量分析装置」を使って解析を進めました。その結果、重症化する人は、肺組織の正常化を維持するため、栄養となる血中のアミノ酸が感染直後から減少すると裏付けました。
 京都大の杉浦悠毅准教授(41)は「血中のアミノ酸の量を測定すれば重症化するか軽症にとどまるか判別できることが証明できた」とし、福島大の平修教授(48)は「インフルエンザや肺炎などの悪化のリスクを調べる際にも今回の手法が応用できる」と語りました。
 研究論文は今後、イギリスの科学誌「ネイチャー」などを出版するシュプリンガー・ネイチャーの学術雑誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載されます。

 2023年12月14日(木)

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