■病気 ジベルばら色粃糠疹 [病気(し)]
胴体を中心に突然、たくさんの赤い発疹ができる皮膚病
ジベルばら色粃糠疹(ひこうしん)とは、胴体を中心に突然、たくさんの赤い発疹ができる皮膚疾患。粃糠疹とは、表皮の細かい角質片が発疹に付着したものをいい、この疾患の特徴です。
主として、比較的年齢の若い10歳代から30歳代にみられます。かゆみはあったり、なかったりで、発疹が派手にたくさんできる割には、全身症状も少なく、心配のない疾患です。
一つひとつの発疹は、直径3〜4センチまでの卵円形の赤い斑点(はんてん)で、大きくなると中心が褐色になり、辺縁が赤く、表皮の細かい角質片はがれ落ち、次第に拡大していくのが特徴です。腹部、背中に多くみられ、皮膚のしわ方向に沿って発疹が出現するため、クリスマスツリー様となることがあります。手足の先端や顔には、発疹は出ません。
症状が出る前の数日から数週間ほど前に、ツバキの葉っぱほどの大きさの発疹が1つだけ、体のどこかに出現することもあります。この初発疹をヘラルドパッチと呼びますが、かゆみがあまりないため発見されることはあまりありません。
ジベルばら色粃糠疹の多くは、放置しても3週間から1カ月で治ります。感染力は弱く、家族内感染も普通はみられません。
1860年に、フランスのカミーユ・メルシオール・ジベール医師が世界で最初に発見したため、この疾患名がつきました。原因は、現在でも不明。ウイルス感染説を始め、掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症などと同じような細菌感染に関係するアレルギー説、胃腸障害による蛋白(たんぱく)質の分解異常による中毒説などがありますが、いまだに結論は出ていません。
ジベルばら色粃糠疹の検査と診断と治療
派手にたくさんの赤い斑点ができるため、驚く人が多いようですが、放置しても3週間から1カ月で治る疾患ですので、あまり心配はいりません。かゆみがなければ、自然に治癒するのを待ってもかまいません。
しかし、健康食品などの薬疹、ウイルス性発疹症などの全身的な疾患、あるいは湿疹、体部白癬(はくせん)、乾癬などの疾患と紛らわしい場合もありますので、一応は皮膚科の専門医を受診したほうが安心です。
医師の診断は、特徴的な発疹とその分布、経過により判断します。かゆみが強ければ、抗ヒスタミン剤などのかゆみ止めの内服剤、あるいは外用剤を処方し、発疹には副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド)外用剤を処方します。
発症者の中には、なかなか副腎皮質ホルモン外用剤に反応しないことや、普通の湿疹と誤診されやすいという理由で、多数の医療機関を駆け回るドクターショッピングをする人もいます。
日常生活は、ふだんと同様でかまいません。学校への登校、会社などへの出勤も、問題はありません。妊婦の感染によって胎児に影響することも、ありません。通常、入浴も問題はありませんが、こすり過ぎると皮膚に傷ができやすいので注意します。
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主として、比較的年齢の若い10歳代から30歳代にみられます。かゆみはあったり、なかったりで、発疹が派手にたくさんできる割には、全身症状も少なく、心配のない疾患です。
一つひとつの発疹は、直径3〜4センチまでの卵円形の赤い斑点(はんてん)で、大きくなると中心が褐色になり、辺縁が赤く、表皮の細かい角質片はがれ落ち、次第に拡大していくのが特徴です。腹部、背中に多くみられ、皮膚のしわ方向に沿って発疹が出現するため、クリスマスツリー様となることがあります。手足の先端や顔には、発疹は出ません。
症状が出る前の数日から数週間ほど前に、ツバキの葉っぱほどの大きさの発疹が1つだけ、体のどこかに出現することもあります。この初発疹をヘラルドパッチと呼びますが、かゆみがあまりないため発見されることはあまりありません。
ジベルばら色粃糠疹の多くは、放置しても3週間から1カ月で治ります。感染力は弱く、家族内感染も普通はみられません。
1860年に、フランスのカミーユ・メルシオール・ジベール医師が世界で最初に発見したため、この疾患名がつきました。原因は、現在でも不明。ウイルス感染説を始め、掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症などと同じような細菌感染に関係するアレルギー説、胃腸障害による蛋白(たんぱく)質の分解異常による中毒説などがありますが、いまだに結論は出ていません。
ジベルばら色粃糠疹の検査と診断と治療
派手にたくさんの赤い斑点ができるため、驚く人が多いようですが、放置しても3週間から1カ月で治る疾患ですので、あまり心配はいりません。かゆみがなければ、自然に治癒するのを待ってもかまいません。
しかし、健康食品などの薬疹、ウイルス性発疹症などの全身的な疾患、あるいは湿疹、体部白癬(はくせん)、乾癬などの疾患と紛らわしい場合もありますので、一応は皮膚科の専門医を受診したほうが安心です。
医師の診断は、特徴的な発疹とその分布、経過により判断します。かゆみが強ければ、抗ヒスタミン剤などのかゆみ止めの内服剤、あるいは外用剤を処方し、発疹には副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド)外用剤を処方します。
発症者の中には、なかなか副腎皮質ホルモン外用剤に反応しないことや、普通の湿疹と誤診されやすいという理由で、多数の医療機関を駆け回るドクターショッピングをする人もいます。
日常生活は、ふだんと同様でかまいません。学校への登校、会社などへの出勤も、問題はありません。妊婦の感染によって胎児に影響することも、ありません。通常、入浴も問題はありませんが、こすり過ぎると皮膚に傷ができやすいので注意します。
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