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■ワクチン被験者の出血情報を伝えず 東京大学医科学研究所 [健康ダイジェスト]

 東京大学医科学研究所(東京都港区)が開発したがんペプチドワクチンを巡り、医科研付属病院での臨床試験中に消化管から出血した男性の事例を、ペプチドワクチンを提供しているほかの医療機関に伝えていなかったことが15日、わかりました。
 医科研病院では「重篤な有害事象」としていました。厚生労働省は事実関係を調査しています。
 ペプチドワクチンは未承認で、医科研は安全性の確認などを目的にした臨床試験を2008年から実施。医科研から同種のペプチドワクチンの提供を受けて、臨床試験を行う大学病院が少なくとも11あり、そのすべてに医科研病院での消化管出血は伝えられていませんでした。
 こうした臨床試験では、被験者の安全や人権保護のため、予想されるリスクの十分な説明が必要。ほかの医療機関の研究者は、「患者に知らせるべき情報だ」と指摘しています。
 記者会見した医科研の清木元治所長らによると、医科研病院の膵臓がんの男性患者がペプチドワクチン投与後の08年12月、以前に受けた膵臓がん手術の傷跡から出血しました。輸血治療で回復しましたが、入院期間が約1週間延びました。
 出血の原因はペプチドワクチンではなく原疾患と考えられましたが、因果関係も否定できないとして08年12月に、同種のペプチドワクチンを使う9件の臨床試験で被験者を選ぶ基準を変更し、消化管の大量出血の恐れがある患者を除くことにしました。被験者の同意を得るための説明文書にも消化管出血が起きたことを追加しましたが、しばらくして臨床試験をすべて中止しました。
 ただ、このケースより前に、別の医療機関でペプチドワクチン投与を受けた患者でも消化管からの出血があり、情報は関係者の会合で報告されていました。2つのケース以外に出血の報告はないといいます。

 2010年10月15日(金)




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