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■コメ汚染に落ち葉原因説 二本松市の水田を東大が調査 [健康ダイジェスト]

 福島県二本松市の水田1カ所で栽培されたコメから9月、周辺より特に高い1キログラム当たり500ベクレル(国の暫定基準値と同数値)の放射性セシウムが検出された問題で、この水田のイネは、通常とは逆に、穂に近い新しい葉ほど放射性セシウムの濃度が高かったことが、東京大大学院の根本圭介教授(栽培学)の研究で20日までにわかりました。
 新しい葉は7月末~8月の夏場に育ったもので、東京電力福島第一原発事故で放出された高濃度の放射性セシウムが付着した裏山の落ち葉が、夏の暑い時期に腐食が進んで分解され、水に溶けて水田に流れ込んだと根本教授は推測しています。
 これまでの福島県の調査などでは、放射性物質を吸着しにくい砂に近い土壌が原因と考えられていましたが、新たに「落ち葉原因説」が浮かび上がった形です。
 根本教授は、この水田のイネの葉や茎を詳細に調査。葉に含まれる放射性セシウムは、穂に近い一番上の葉が最も高く、下の葉になるほど数値が低くなりました。一番上の葉は、数値が最も低い葉の約3倍の濃度でした。茎でもほぼ同様の結果でした。通常は、後から育った上の葉ほど数値が低くなる傾向があるといいます。
 福島県によると、この水田は裏山が迫る地形で原発事故発生時、広葉樹の落ち葉が山一面に積もっていました。今月、1キログラム当たり630ベクレルの放射性セシウムが検出された福島市大波地区の水田も似た地形とされます。
 根本教授は、「詳しく調べる必要がある。高濃度が検出された環境を比較して共通項を調べれば、汚染を未然に防ぐことができるかもしれない」と話しています。
 500ベクレルが検出された二本松市の水田を所有する男性は、「豊富な栄養を含んだ山の水が流れ込むのがこの田のいいところだったが、落ち葉が原因とすれば裏目に出た形だ」と話しました。
 また、根本教授は、高濃度に汚染された土壌でイネを育て、イネの品種や土壌の種類によって放射性セシウムがどの程度吸収されるかも研究。品種では、国内で多く栽培されているジャポニカ種よりも、長粒のインディカ種で放射性セシウム吸収が少なくなりました。土壌については、粘土質の多い「灰色低地土」で育てたイネの吸収率は、粘土質の少ない「褐色森林土」の10分の1でした。

 2011年11月21日(月)




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