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■乳歯を保存して再生医療に利用へ 日本小児歯科学会 [健康ダイジェスト]

 傷付いた神経などを再生させるための治療に、歯の中の特殊な細胞が利用できることがわかってきたことから、地域の歯科医院が大学病院と連携し、抜けた子供の乳歯を将来の病気に備えて保存する仕組みを整えていくことになりました。日本小児歯科学会が発表しました。
 歯の中に存在する「歯髄幹細胞」と呼ばれる細胞は、骨や神経など体のさまざまな細胞に変化する性質を持っています。
 特に乳歯の場合は、歯髄幹細胞を高密度で含み、歯髄幹細胞が若いために遺伝子の損傷が少ない上、増殖能力が高いという特徴を持ち、歯が抜けた後に採取すれば体への負担もないことから、将来病気になった際、骨や神経などを再生させるための治療に有力だとして注目されています。
 例えば、高齢になって骨折した際に骨を再生したり、孫の乳歯を使って祖父母の骨折治療に役立てられる可能性があるといいます。
 このため、子供の歯を専門とする日本小児歯科学会に所属する全国の歯科医院と大学病院が連携し、抜けた直後の乳歯から細胞を取り出して培養し、冷凍保存する仕組みを作ることになりました。
 これまでに国内のほとんどの大学病院で細胞を培養したり保存したりする準備が整ったということで、今年7月からは、全国でおよそ30の歯科医院で乳歯から細胞を取り出し大学病院に送り始めるということです。
 学会の常任理事で東北大学の福本敏教授は、「抜けると捨てていた乳歯が再生医療に利用できるとなると、虫歯予防の動機付けになるという点でも大きな影響が出てくると思う。大学病院だけでなく、地域の歯科医院で患者が乳歯の細胞を預けられる体制を構築して、この取り組みを広げていきたい」と話しています。

 2012年5月12日(土)




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