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■超音波で胎児治療に成功、不要な血管ふさぐ 昭和大チーム [健康ダイジェスト]

 子宮内の胎児の心臓から自分の体以外にも血液が送られ、心臓に負荷がかかる重い病気に対し、母親の腹の外から強い超音波を当てて不要な血管をふさぐ方法で治療することに成功したと、昭和大の岡井崇教授(産婦人科)らのチームが14日、明らかにしました。
 母親の腹部に超音波を当てて胎児の治療に成功したのは、世界でも初めてだといいます。
 従来は母親に全身麻酔をし、腹に刺した針に電流を流して血管をふさぐなどの方法が行われていましたが、流産や早産、感染症の危険がありました。今回の方法は母子への負担が軽く、岡井教授は「合併症の恐れがほぼなく、妊婦にも胎児にも優しい治療になる。一日も早く、通常の医療として実施していきたい」と話しています。
 治療したのは、一卵性双生児の片方にしか心臓がなく、1つの心臓が双方に血液を送る「無心体双胎(TRAP症候群)」。心臓がない胎児(無心体)は生存できず、健康な胎児も心臓がない胎児への血流を止めないと6割程度は心不全で死亡するとされます。
 岡井教授らは、通常の超音波検査で使う100万倍のエネルギーの超音波を直径約1ミリの範囲に集中的に当て、高熱を発生させる装置を開発。4~5月に、妊娠16週の女性(32歳)の腹の外から、心臓がない胎児のへそ付近に装置で超音波を当て、臍帯血管の血流の停止を確認。健康な胎児は、順調に成長しているといいます。
 この無心体双胎は、約35000分娩に1例というまれな異常で、日本では年間約30例あると推定されています。
 また、無心体双胎だけでなく、胎児の肺や尻にできた腫瘍など、少なくともほかの8つの病気にも応用が可能だということで、より安全な治療技術になると注目されています。
 岡井教授は、「腫瘍のある胎児から患部を取り除くなどさまざまなケースで応用が期待できる」と話しています。

 2012年5月14日(日)




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さうざんバー

この胎児治療で、これからどれだけの進歩が進むか、とても楽しみです(^^)v特に、子宮に傷がつかないことは、母体の心身にとても大きな効果があると思います(^^)
by さうざんバー (2012-05-15 10:05) 

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