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■RSウイルス感染症、過去10年で最も速いペースで急増 [健康ダイジェスト]

 冬場にかけて流行し、乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症の患者が、この10年で最も速いペースで増えています。国立感染症研究所(東京都)は、例年より早く流行のピークを迎える恐れがあるとして、手洗いなど、対策の徹底を呼び掛けています。
 RSウイルス感染症は、発熱やせきなど風邪に似た呼吸器症状を起こす病気で、毎年、秋から冬にかけて主に乳幼児で流行し、12~1月がピークとされてきましたが、近年は7、8月に感染するケースも増えています。
 初めての感染では、肺炎や脳症を引き起こして重症化することがあります。一度感染しただけでは感染防御免疫が不十分で何度も発症しますが、通常は再感染のたびに症状は軽くなっていきます。
 国立感染症研究所によりますと、今月2日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関で新たにRSウイルス感染症と診断された患者は1998人で、前の週の1・7倍に急増しました。
 患者の数を都道府県別に見ると、福岡県が433人、東京都が251人、宮崎県が177人、鹿児島県114人、大阪府104人、広島県86人など、九州で多くなっています。
 国立感染症研究所の安井良則主任研究官は、「患者の半数近くは重症化しやすい0歳児で占められている。手洗いなど感染対策を徹底するとともに、熱が下がってもせきが続いているようであれば、早めに医療機関を受診してほしい。また、手洗いのほか、せきやくしゃみを人に向けないようにするなど感染対策を徹底してほしい」と注意を呼び掛けています。
 RSウイルス感染症は、呼吸器感染症の一つで、上気道炎、気管支炎、細気管支炎、肺炎などの症状が現れます。乳幼児の肺炎の50パーセント、細気管支炎の50〜90パーセントが RSウイルス感染によるものとの報告があります。
 特に重症化しやすいのは、生後6カ月以内の乳児や早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患などの基礎疾患を持っている乳幼児とされます。さらに、生後4週未満では、突然死(乳幼児突然死症候群)につながる無呼吸が起きやすく、注意が必要です。
 主な感染経路は飛沫感染と接触感染で、せきエチケットや手洗いの徹底が感染予防として重要だとされています。ただし、感染力が強く、また再感染などで典型的な症状を示さずにRSウイルス感染症だと気付かれない軽症例も存在することから、家族間の感染や保育園などでの流行を効果的に抑えることは難しいとされています。

 2012年9月12日(水)




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