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■マイコプラズマ肺炎、流行に注意 国立感染症研究所 [健康ダイジェスト]

 マイコプラズマという微生物による肺炎の患者が、この時期としては過去10年で最も多く報告されていることから、国立感染症研究所(東京都)は、せきが続く場合は早めに医療機関を受診するよう呼び掛けています。
 マイコプラズマという細菌より小さくウイルスより大きな微生物が原因のマイコプラズマ肺炎は、発熱や全身のだるさとともにせきが長く続くのが特徴で、診断が遅れると肺炎が重症化したり、脳炎などを併発したりすることがあります。30歳ぐらいまでの若い年代での発症が多く、特に5~12歳の幼児から学童に多くみられます。
 国立感染症研究所によりますと、今月9日までの1週間に全国のおよそ500の医療機関から報告された患者の数は501人で、この時期としては過去10年で最も多くなっています。1つの医療機関当たりの患者数は、栃木県で6・57人、群馬県で3・63人、福島県で3・29人、愛知県で3・21人、青森県で3・17人、埼玉県で2・89人など関東を中心に東日本で流行しています。
 マイコプラズマ肺炎は、昨年も秋から冬にかけて大きな流行となりましたが、今年は年明けから患者数の多い状態が続き、今月9日までの累積の患者数は、去年の同じ時期の1・8倍に上っています。また、これまでに報告された患者の80パーセントは14歳以下の子供となっています。
 国立感染症研究所の安井良則主任研究官は、「これまで治療に使われていた抗生物質が効きにくいタイプが増えていて、年間を通しても昨年を超える規模の流行になる恐れがある。大きな流行になれば重症化する人も増えることから、せきが続く場合はマスクをし、早めに医療機関を受診してほしい」と話しています。
 マイコプラズマ肺炎の潜伏期間は2~3週間で、インフルエンザやRSウイルス感染症などの他の小児を中心に大きく流行する呼吸器疾患と比べて長くなっています。
 症状は発熱、全身倦怠、頭痛などで始まり、その後、3~5日で乾いたせきが出るようになりますが、徐々にひどくなり、熱が下がった後も3~4週間続きます。鼻炎症状、気管支炎、喉の痛み、胸の痛みなどの呼吸器症状のほか、下痢、嘔吐などの消化器症状や発しんが認められる場合があります。
 肺炎にしては元気で比較的症状は軽いといわれていますが、重症肺炎になることもあります。また、まれに無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎、すい炎、溶血性貧血、心筋炎などの合併症を引き起こすことがあります。

 2012年9月18日(火)




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