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■自動車内での喫煙、有害な微粒子濃度は基準値の数倍 英国の医師チームが調査 [健康ダイジェスト]

 自動車内での喫煙により、人体に有害な微粒子の量が世界保健機関(WHO)が推奨する上限の数倍に増加するとの調査結果が、15日の英専門誌「Tobacco Control」(たばこ規制)で発表されました。
 調査を行ったのは英アバディーン大学スコットランド屋内空気センターのショーン・センプル氏率いる医師チーム。喫煙者14人を含む17人が運転する自動車の後部座席に計測機器を置き、3日間にわたり空気中の微粒子濃度を調べました。
 喫煙者には調査期間中、普段通りの喫煙習慣を継続してもらいました。対象者たちによる延べ104回の運転のうち63回が喫煙なしで、1回当たりの平均運転時間は27分でした。
 計測の結果、喫煙しながら運転した場合の微粒子濃度は、1立方メートル当たり平均85マイクログラムでした。WHOのガイドラインは、屋内の微粒子濃度の上限を1立方メートル当たり25マイクログラムと定めています。
 運転手が窓を開けたり換気を行ったりした場合でも、微粒子レベルはある時点でWHOの基準を超えていたといいます。喫煙あり運転での微粒子濃度のピークは1立方メートル当たり平均385マイクログラムで、最も高かった時では1立方メートル当たり880マイクログラムを超えていました。
 これとは対照的に、喫煙なし運転での微粒子濃度の平均は1立方メートル当たり7・4マイクログラムでした。
 この調査で計測されたのは直径2・5マイクロメートル未満の微粒子で、これら微小な粒子は肺の奥深くにとどまり、炎症を引き起こす危険があります。
 調査チームによれば、高レベルの微粒子にさらされた子供たちは、健康を害する可能性が高くなります。また、同チームは車内喫煙を規制する国が増えていることを指摘し、「同様の規制は子供たちを受動喫煙から守る適切な手段だろう」と結論付けています。
 受動喫煙とは、たばこを吸わない人が吸う人と同じ空間にいることで、自分の意思とは関係なく、たばこの煙を吸い込んでしまうこと。間接喫煙ともいいます。
 受動喫煙で吸い込む副流煙、すなわち、たばこの先の火のついた部分から立ち上る煙のほうが、喫煙者が直接口から吸い込む主流煙よりも、ニコチンやタール、一酸化炭素を始め、非常に発がん性の高いベンツピレンなど200種以上の有害物質を多く含むことがわかっています。
 その他、喫煙者が口から吐き出す煙を吐出煙と呼び、副流煙と混ざって室内の空間に立ち上る煙は、環境たばこ煙といいます。たばこを吸わない人も同じ空間にいれば、環境たばこ煙を吸い込みます。
 燃焼されて発生する煙がたばこの中を通り、フィルターを通って喫煙者の体の中に入っていく主流煙は酸性であるため、副流煙と比べて刺激が少なくなっています。副流煙は強いアルカリ性で、アンモニアなども含まれて刺激臭を伴うので、目や鼻の粘膜をより刺激します。
 受動喫煙による害には、のどの痛み、心拍数の増加、血圧上昇などがあります。また、肺がんや虚血性心疾患、呼吸器疾患などにかかりやすくなります。とりわけ、子供は大人以上に影響を受けやすくなり、家庭内の喫煙によって、気管支炎、喘息などを起こす率が高くなったり、乳幼児突然死症候群が増加することも明らかになっています。

 2012年10月17日(水)




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