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■親知らずからiPS細胞の作製に成功 岐阜大、山中教授と共同研究 [健康ダイジェスト]

 岐阜大学大学院医学系研究科の手塚建一准教授(47歳)らの研究グループは、ノーベル賞を受賞した山中伸弥京都大教授らの研究グループとの共同研究で、歯の治療で抜いた親知らずから、日本人の約20パーセントと適合する型を持つiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製に成功しました。岐阜大学が7日、発表しました。
 iPS細胞は体のあらゆる組織や臓器になることができ、難病を治したり、創薬に役立つと期待されていますが、別の人に移植した場合、白血球の型が異なると拒絶反応が起きることが多く、再生医療に応用するには、白血球の型が適合するiPS細胞が必要となるのが課題でした。
 手塚准教授らが作製したiPS細胞は、多くの人の白血球型に適合するため、拒絶反応が起こりにくく移植しやすいという特長があります。iPS細胞の臨床への応用にかかる費用と時間を抑制できる成果となりました。
 また、抜歯した後に捨てる親知らずを材料にするため、材料の確保は容易。手塚准教授は、「将来の医療コストを大幅に減らせるのではないか。再生医療分野などで新薬の開発がしやすくなる」と期待しています。
 研究グループは同意を得た上で、107人分の親知らずから取り出した歯髄細胞のヒト白血球(HLA)型を調べ、日本人人口の約20パーセントに適合する2種類の「HLAハプロタイプホモ」と呼ばれる特殊なHLA型を持つ細胞を発見し、山中教授が発見した細胞を初期化する4つの遺伝子を入れ、iPS細胞を作製しました。
 今回の成功は、事前に作成したiPS細胞をストックして置き、多くの人を対象にした再生医療に利用しようという山中教授らの構想実現に役立つと期待されています。
 研究成果に関連する論文は、歯学専門紙「ジャーナル・オブ・デンタルリサーチ」に掲載されました。これを受け、研究グループの研究が国際歯科研究学会と米国歯科研究学会のウィリアム・J・ギース賞を受賞しました。

 2012年11月8日(木)




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