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■真空パックの常温保存で食中毒の危険 厚労省が注意喚起 [健康ダイジェスト]

 密封性の高い真空パックの食品でも食中毒が起きる危険があるとして、厚生労働省は20日までに、購入後はきちんと冷蔵するよう消費者に注意を呼び掛けました。リーフレットを作成し、自治体を通じて配布します。
 厚労省によると、真空パックの食品をレトルト食品と混同して常温保存すると、酸素が少ない密封状態で増殖できるボツリヌス菌による食中毒が起きる危険があります。食中毒の危険が高いのは、真空パックの食品の中でも漬物や総菜など十分な高温加熱殺菌が行われていない食品。
 ボツリヌス菌は熱に強く、殺菌には120度以上の高温で4分以上の加熱が必要。冷温に弱いことから、10度以下で冷蔵保存することも有効です。こうした真空パック食品は、通常は冷蔵保存するよう表示されていますが、厚労省は改めて、密封状態を過信しないよう注意を呼び掛けました。
 レトルト食品の場合は、殺菌のため、120度で4分以上加熱することなどが義務づけられており、常温保存が可能となっています。
 厚労省によると、2000年から今年10月末までに、ボツリヌス菌による食中毒は4件起きています。食中毒での死亡例はありませんが、まひや呼吸困難など重い症状が出ることもあります。今年3月に鳥取県の60歳代夫婦が麺類の真空パックの食品で食中毒を起こし、意識不明となった事例も報告されています。
 この危険な食中毒から身を守るため、国立医薬品食品衛生研究所の五十君靜信氏は、「異臭がしたり、容器が膨らんでしまっているような状態。こういったものは、基本的には食べないように注意するというのが重要かと思います」と話しています。
 ボツリヌス菌による食中毒は、欧米では古くからハム、ソーセージなどによる腸詰め中毒として恐れられていて、ハム、ソーセージに発色剤として添加される硝酸塩は発色作用よりも、ボツリヌス菌の繁殖を抑える目的で使用されています。
 ボツリヌス菌は、酸素がなくて水分や栄養分があるなど一定の発育条件がそろった食品中で、猛毒の神経毒素であるボツリヌス毒素を産生。食品とともに摂取された毒素は、主に小腸上部で吸収され、リンパ管をへて血液中に入り、末梢性の神経まひ症状を起こします。
 現在知られているものでは最強の毒力があるといわれ、テロリストによって生物兵器として使われるのではないかと心配されています。

 2012年11月21日(水)




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