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■マダニ媒介の感染症で、新たに2人死亡 愛媛県と宮崎県の成人男性 [健康ダイジェスト]

 先月、国内で初めて確認されたマダニが媒介するウイルスによる新たな感染症で、昨年の秋、愛媛県と宮崎県の成人の男性合わせて2人が死亡していたことが、国立感染症研究所(東京都新宿区)の検査で新たにわかりました。
 2人は死亡する前、海外に行っていなかったということで、厚生労働省は国内でマダニにかまれて感染したとみて詳しく調べています。
 厚労省などによりますと、男性2人は昨年秋、発熱や下痢などの症状を訴えて入院し、10日から16日後に死亡したということで、国立感染症研究所が血液を調べたところ、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を引き起こすウイルスが検出されたということです。
 このウイルスは一昨年、患者が集団発生した中国で新たに特定され、致死率は10パーセントを超えるとされており、国内では昨年秋、山口県の渡航歴がない女性1人が感染し死亡したことが、先月、初めて確認されています。
 男性2人から検出されたウイルスは、山口県の女性のものとほぼ同じで、中国のウイルスとは遺伝子配列の一部が異なっていることから、以前から国内に広がっていた可能性があるといいます。
 国立感染症研究所には、このほか5人の患者について、この重症熱性血小板減少症候群が疑われるとして血液が送られており、検査しているということです。
 厚労省は、重症熱性血小板減少症候群の広がりを調べるため、全国の医療機関に対して同じような症状の患者を診察した場合、報告するよう求めるとともに、患者が確認された地域のマダニについて、ウイルスを保有しているかどうか調査することにしています。
 重症熱性血小板減少症候群のウイルスは、「クリミア・コンゴ出血熱」のウイルスなどと同じブニヤウイルス科に属し、マダニが感染を媒介するとされています。
 ウイルスを媒介するマダニは、日本の山野にも全国的に生息しており、衣類や寝具など家の中に生息するイエダニとは種類が異なります。マダニは春から秋にかけて、活動が活発になります。
 感染すると、発熱やせき、おう吐や下痢など風邪のような症状が現れ、重症の場合は、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、腎臓の機能が低下したりして死亡することもあるとされています。
 感染してから発症するまでの潜伏期は6日から2週間とされ、血液などを介して人から人に感染することもあるとみられています。今のところ有効なワクチンや薬はなく、対症療法が中心になります。
 感染症を媒介するダニの生態に詳しい国立感染症研究所昆虫医科学部の沢辺京子部長は、「マダニは、草むらややぶなどの葉の先端や裏側にいたり、山の中ではイノシシなどの野生動物の表面にくっついて吸血したりしているほか、ペットの犬や猫などにくっついている場合もある。国内には44種類のマダニが生息しているが、防虫スプレーなどの効果はなく、大きさが1ミリ以下のものも多く気が付かない場合もあるため、予防策は難しい。草むらなどに入る場合は、長靴の中にダニが入らないよう長靴をズボンで覆ったり、手袋をしたりして、マダニが体に接触しないように注意してほしい」と呼び掛けています。
 その上で、「新たな感染症を媒介しているマダニの種類は特定できていないが、ダニは飛ばないため、動物や人にくっついて比較的狭い範囲で感染が起きるのではないか」と指摘しています。

 2013年2月13日(水)




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