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■ダニ媒介感染症、死者5人に ウイルス、以前から国内に存在 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は26日、野外のマダニを介して感染するとみられる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で、2005年秋に長崎県の当時60歳代の男性が死亡していた、と発表しました。
 国内での死亡確認は5人目。これまでの4人はいずれも昨年の死亡例で、原因ウイルスが以前から国内に存在していたことが裏付けられました。
 SFTSを巡っては21日、大分県も県内の女性が死亡した疑いがあると発表しましたが、血液検体の分析の結果、陰性と判明しました。
 厚労省によると、長崎県の男性は医療機関が保存していた血液検体から見付かったウイルス遺伝子により、国内で感染したとみられることがわかりました。
 男性に直前の渡航歴はなく、発熱や血小板減少などの症状がありました。ウイルスは中国で確認されているものとは特徴が異なり、国内の4例と同様のタイプでした。
 SFTSは2009年に中国で集団発生が報告され、2011年にウイルスが特定されました。国内では今年1月末に初確認され、これまでに山口、愛媛、宮崎、広島の4つの県で4人の死亡が確認されています。
 これまでの4人はいずれも去年、死亡していますが、長崎県の男性は8年前に死亡していることから、厚労省は原因ウイルスが以前から国内に存在した可能性が高いとしています。
 動物が媒介する感染症に詳しい北海道大学の有川二郎教授は、「男性に感染が疑われる期間の渡航歴がないのであれば、少なくとも2005年には日本にもSFTSのウイルスが存在していたことになる。日本で見付かっているウイルスが海外から新たに入ってきたものだとすれば特定の地域で流行してもおかしくないが、これまでの患者は時期や場所がバラバラで流行は発生していない。こうしたことから、SFTSのウイルスは古くから日本にあった可能性が高いのではないか」と話しています。
 厚労省は疑わしい例の情報提供を求めており、5例が検査待ちの状態といいます。
 ウイルスを媒介するマダニは、日本の山野に全国的に生息しており、衣類や寝具など家の中に生息するイエダニとは種類が異なります。マダニは春から秋にかけて、活動が活発になります。
 厚労省はマダニが多く生息する草むらなどでは長袖、長ズボンを着用し、かまれないよう注意を呼び掛けています。
 ウイルスに感染すると、発熱やせき、おう吐や下痢など風邪のような症状が現れ、重症の場合は、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、腎臓の機能が低下したりして死亡することもあるとされています。
 感染してから発症するまでの潜伏期は6日から2週間とされ、血液などを介して人から人に感染することもあるとみられています。今のところ有効なワクチンや薬はなく、対症療法が中心になります。

 2013年2月26日(火)




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