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■生体腎移植、提供した母親死亡 提供者の死亡確認は初めて [健康ダイジェスト]

 沖縄県浦添市の八重瀬会同仁病院は18日、生体腎移植で提供者(ドナー)の女性(65歳)が13日の摘出手術中に大量出血し、死亡したと明らかにしました。
 下腹部を切開して執刀医が手を差し込み、腎臓を取り出すための準備作業中に出血したといい、専門家は血管を傷付けた可能性を指摘しています。
 日本移植学会によると、生体腎移植は国内で約2万件実施されましたが、提供者の死亡は初めてといいます。
 記者会見した山内英樹院長によると、女性は腎不全を患って透析中の長男(43歳)に左の腎臓を提供するため、腹腔鏡手術を受けました。
 執刀した主治医(56歳)らが腎臓から血管や尿管をはがした後、腎臓を取り出すトンネルを作るために切開部から手を入れ、抜いた際に出血しました。止血のため、医師の視野を広げようと腎臓を摘出しましたが、心臓が停止するなど容体は悪化。手術開始から約11時間後に、死亡しました。
 家族の希望を受けて、取り出した腎臓は長男に移植し、経過は順調といいます。
 日本移植学会には、メールで提供者の死亡を一報しました。14日に病院内で事故調査委員会を設け、浦添署に医療事故届を出しました。
 山内院長は会見の冒頭で、「このような結果を来し、心よりおわび申し上げます」と謝罪。一方、手術前に女性の健康状態に異常はなく、死因や大量出血の原因は「特定できていない」として、日本移植学会が設ける第三者調査委員会に究明を委ねる考えを示しました。当面、生体腎移植は自粛します。
 主治医は生体腎移植の手術経験が長く、同仁病院では、生体腎移植が始まった2003年から今回を含め全28例を担当しました。今回の事故を受け、対外的な役職を辞退します。
 生体間の臓器移植では、2002年に京都大学病院で実施した生体肝移植で、提供者となった女性が2003年に死亡した例があります。
 生体腎移植は、腎機能が低下し透析をしているなど重い腎臓病患者の治療法として、親族らから二つある腎臓のうち一つの提供を受けて移植する手術。日本では1960年代以降、徐々に広まりました。日本移植学会のデータによると、2010年は生体腎移植が1276件、死んだ人から提供を受けた腎移植が208件。腎臓の移植は、脳死や心停止後の提供は少なく、生体からの提供が大半を占めます。
 腹腔鏡手術は、回復手術より体への負担は小さく、腎臓摘出手術では1992年から用いられ、現在は全体の9割を占めるとされています。

 2013年4月20日(土)




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さきしなのてるりん

前近代的と言われるかもしれないけれど、わたしは移植手術を受けてまで病気を治そうとは思いません。仮に子どもがそのような病気になったとしても、体を作るのは食物と考えてそれによる改善を全力で図り、それでダメなときは天命とあきらめます。世の親はきっと諦めきれないのでしょうね。その気持ちもわかります。ただ、科学が進んで人間まで人工で作られそうで、そのほうが怖い。
by さきしなのてるりん (2013-04-21 09:59) 

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