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■新生児に国内初の肝細胞移植 生体移植で余った組織から [健康ダイジェスト]

 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)は23日、生体移植で余った肝臓から肝細胞を分離し、重い肝臓病を患う生後11日の新生児に移植する治療に成功したと発表しました。
 第三者からの肝細胞の移植は国内初で、海外でも約30例程度といいます。体が小さい新生児は血管が細く詰まりやすいため肝移植は難しく、これまでは薬物や透析などの治療しか取れませんでした。
 患者は「高アンモニア血症」の男児。肝臓の酵素が欠けているため、有毒なアンモニアを分解できず、血中のアンモニア濃度が高くなると脳に障害が出ます。8万人に1人の割合で発症し、生存率は10~20パーセントとされます。
 同センターは2011年5月から、大人の肝臓の一部を肝臓病の子供に移植する生体肝移植で、余った14人分の肝細胞を凍結保存してきました。このうち血液型が一致した1人分の肝細胞1億4000万個を今月10日と13日の2回、腹部から入れたカテーテルを通じ男児の肝臓に注入しました。生体肝移植で余った組織を利用するのは、世界的にも珍しいといいます。
 移植された肝細胞が肝臓で働いてアンモニアを分解し、23日朝には血液透析装置を外し、経過は良好だといいます。ただし、免疫抑制剤は飲み続けることになります。
 肝細胞移植は、臓器移植までの橋渡し医療。肝臓移植を安全に行うには、患者の体重が6キロ以上必要になります。男児が順調に成長して肝移植が可能になれば、肝臓に移植手術を行うことになりますが、肝細胞が肝臓の一部として機能するようになれば、移植の必要がなくなる可能性もあります。
 移植手術を担当した国立成育医療研究センターの笠原群生・臓器移植センター長は、「肝細胞の移植で命を取り留めることができた。次のステップに進みたい」と話しました。
 同センターはES細胞(ヒト胚性幹細胞)から作った肝細胞を移植する治療も計画しています。

 2013年8月24日(土)




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