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■アトピー症状緩和の化合物、京大チームが発見 治療薬開発に期待 [健康ダイジェスト]

 アトピー性皮膚炎の症状があるマウスに特定の化合物を投与すると、体内で皮膚の保湿効果を高める物質が作り出され症状が改善することを、京都大学の研究チームが突き止めました。
 研究チームは副作用の少ない、新しい治療薬の開発につなげたいとしています。
 かゆみのある湿疹が続くアトピー性皮膚炎は、皮膚の表面で水分を保つ保湿効果がある「フィラグリン」というタンパク質が少なくなり、皮膚の中に異物が入りやすくなることが原因の1つと考えられています。
 そこで京都大学大学院医学研究科の椛島(かばしま)健治准教授(皮膚科学)の研究チームは1000種類を超える化合物を調べ、この中から「JTC801」という有機化合物が、皮膚表面のフィラグリンを増やす性質を持つことを突き止めました。
 この試薬として販売されているJTC801を培養した人間の皮膚細胞に加えると、皮膚表面で作られるフィラグリンの量が約10倍に増えました。
 さらに、遺伝的にアトピー性皮膚炎になる特殊な家系のマウスに、発病する生後6週間ごろから、JTC801を体重1キロあたり30ミリグラムずつ毎日飲ませると、4週間で皮膚の症状が大幅に改善したということです。
 アトピー性皮膚炎は国内に患者がおよそ40万人いるとみられていますが、今のところ炎症を抑えるなどの対症療法しかなく、皮膚が薄くなったり病原体に感染しやすくなったりする副作用が出ることがあります。
 今回の化合物は、症状を引き起こす物質(アレルゲン)を皮膚に取り込まないよう作用します。研究チームはアステラス製薬と共同で、新しい治療薬の開発を目指し、10年後をめどに実用化したいとしています。
 椛島准教授は、「保湿効果があるフィラグリンを増やす物質を見付けることは、世界中で競争になっていた。成果を基に薬の開発につなげたい」と話しています。

 2013年9月18日(水)




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