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■スマホで交通事故を防止するシステムを開発 国交省と自動車メーカーが共同実験 [健康ダイジェスト]

 専用ソフトを入れるとスマートフォンが車の接近をキャッチし、歩行者を交通事故から守る新しいシステムが開発され、11日初めて公開されました。
 スマートフォンは、周囲の車とリアルタイムで位置情報を交換していて、ドライバーの衝突防止にも活用できるということです。
 東京都お台場の駐車場には、最新のIT技術を駆使した衝突防止装置などを備えた乗用車やトラックなどおよそ20台が集まり、国土交通省と国内の自動車メーカー各社が共同で実験を行いました。この中で、スマートフォンが車の接近をキャッチし、歩行者を交通事故から守るシステムが初めて公開されました。
 専用ソフトを入れたスマートフォンは、GPSの情報を基に歩行者の動きを予測し、周囲の車とリアルタイムで情報を交換することで、歩行者と車の双方に危険を知らせます。
 実験では、車が交差点に近付くと、横断しようとした歩行者にスマートフォンが「車に注意しましょう」と音声で危険を知らせました。一方、運転席に取り付けられたタブレット端末には、音声とともに、歩行者が接近していることを知らせるシンボルが表示されました。
 車の衝突防止装置は車体のカメラなどで人や車をキャッチするため、建物などに隠れた歩行者を把握できないのが課題ですが、新しいシステムは、死角にいる歩行者も把握でき、飛び出し事故などを回避できると期待されています。
 実用化されれば世界で初めての技術で、国土交通省は2020年代の実用化を目指しています。
 自動車業界の動向に詳しいリサーチ会社社長の中西孝樹さんは、「車と歩行者の事故を防止するシステムは、これまで歩行者側に通信手段がなかったため開発が難しかったが、スマートフォンの急速な普及で実現の可能性が高まった。交通事故の犠牲者を大幅に減らすことができると期待されるが、実用化には、GPSの位置情報の精度を高められるかが課題だ」と話しています。
 歩行者のスマートフォンや、車の運転席に取り付けられたタブレット端末は、交差点からの距離が100メートル以内になると、データ通信を使って周囲と情報を交換し始めます。
 専用ソフトが入ったスマートフォンやタブレット端末は、1秒ごとにGPSの位置情報を更新していて、この1秒ごとの点の情報をつなぎ合わせることで、歩行者と車それぞれの進行方向や速度を割り出します。そして、5秒ごとに互いの情報を交換することで、歩行者と車がいつどこで衝突する可能性があるか予測し、注意を促す仕組みです。
 このシステムが実用化されれば、子供や高齢者などを交通事故から守ったり、道路脇からの飛び出しをドライバーが事前に察知して事故を防いだりすることが可能になると期待されています。一方で、位置情報に10メートル前後の誤差が生じたり、同時に多くの人が使うと大量の情報を処理できなくなったりするといった課題もあります。
 国土交通省自動車局の衣本啓介専門官は、「ハイブリッド車や電気自動車は、従来の車に比べて音が静かで歩行者が接近に気付きにくく、今回のシステムはこうした車にも対応できる。技術的な課題はあるが、実用化に向け各メーカーと協力していきたい」と話しています。

 2013年10月12日(土)




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