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■12年凍結の卵子で出産 がん発症し高2で採取、結婚後受精 [健康ダイジェスト]

 愛知県の女性(30歳)が、高校時代にがん治療で生殖機能を失う前に卵子を凍結保存し、12年後に解凍して夫の精子と体外受精した受精卵を子宮に戻すことで、今年8月に出産していたことがわかりました。 
 精子や受精卵に続き、近年、卵子(未受精卵)も凍結保存できるようになりましたが、国内で10年以上凍結保存した卵子で出産したケースは珍しいといいます。
 がん治療で不妊に悩む患者にとっては福音となる一方、晩婚化を背景に、将来の妊娠に備えて卵子凍結をする未婚女性も増えており、こうした傾向に拍車がかからないか懸念する声もあります。
 この女性の卵子凍結を担当したリプロサポートメディカルリサーチセンター(東京都新宿区)の桑山正成博士(生殖工学)によると、女性は2001年に血液のがん「悪性リンパ腫」を発症。この病気の治療には抗がん剤の投与と骨髄移植が必要で、抗がん剤の投与で卵子がつくられなくなる可能性があります。
 女性は本格的に治療を始める前に、不妊治療施設「加藤レディスクリニック」(同)で卵子2個を採取、液体窒素で凍らせ、零下196度で保管していました。女性は1カ月後に、骨髄移植でがんを克服しました。
 女性は2013年に結婚し、解凍した卵子と夫の精子を体外受精させ、受精卵1個を子宮に戻したところ妊娠。今年8月に名古屋市内の病院で、3295グラムの男児を出産しました。もう1つの卵子も受精が成功し、第2児の出産に備えて再び凍結した。
 女性と交流のあるNPO法人「全国骨髄バンク推進連絡協議会」の大谷貴子さんによると、この女性は「子どもが生まれてとても毎日が幸せです。血液疾患の患者さんすべてが希望を持ち、治療に励んでほしい」と話しているといいます。
 卵子凍結を巡っては、日本生殖医学会が2013年、健康な未婚女性の卵子凍結を容認し、ガイドラインで実施できる施設を決めました。

 2014年12月8日(月)

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