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■がん標準治療、9つのうち3つで低い実施率に 患者31万人を対象に調査 [健康ダイジェスト]

 全国のがん患者31万人を対象に、科学的に効果があるとされる9つの標準治療がどのくらい実施されているか調べたところ、再発のおそれが高い特定の乳がん患者への放射線治療など3つの治療については、実施されたり実施が適切に検討されたりしたのは患者の6割から8割にとどまるとする報告を、国立がん研究センターがまとめました。
 国立がん研究センターは、2012年に全国232の病院でがん治療を受けた患者31万2000人を対象に、科学的に効果があるとして推奨されている9つの標準治療が実際にどの程度行われているのか、乳房、肝臓、胃など5つのがんで調べました。
 その結果、胃がんや大腸がんの手術後、再発防止のために行う抗がん剤治療や、肝臓がんの手術でどこまで肝臓を切ってよいかを調べる検査など、6つの治療法や検査については、9割以上の患者で実施されたり実施が適切に検討されたりしていました。
 一方で、再発の危険性の高い特定の乳がん患者に対して術後行う放射線治療や、抗がん剤が原因の吐き気を予防する薬の十分な使用、そして外来で医療用の麻薬を使う際の副作用対策の3つについては、治療が実施されたり適切に検討されたりする割合が6割から8割までの低い値にとどまっていました。
 9つの標準治療の実施率は、平均68・2パーセントでした。未実施の55パーセントは、「患者の希望」「高齢」「全身状態の低下」などの理由がありました。
 国立がん研究センターは、標準治療がなぜ行われなかったのか自治体などが検証を進め、実施の割合を高めていく必要があるとしています。
 国立がん研究センターがん臨床情報部の東尚弘部長は、「標準治療を普及していくことが、患者の生存率や生活の質を上げることにつながる。行わなかった理由が妥当なのかについて、今後細かく考えていく必要がある」と話しています。

 2016年5月26日(木)

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