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■心不全促すタンパク質、熊本大が発見 根本的な治療法の開発に期待 [健康ダイジェスト]

 心筋細胞から過剰に分泌された「アンジオポエチン様タンパク質2(ANGPTL2)」というタンパク質が、心筋の収縮力を低下させ、心不全の発症を促す仕組みを発見したと、熊本大学大学院生命科学研究部の尾池雄一教授(分子医学)らの研究チームが発表しました。
 このタンパク質の働きを抑制することで、心不全の根本的な治療法の開発につながる可能性があるといいます。イギリスの科学誌ネイチャー・コミュニケーションズの電子版に28日、掲載されました。
 発表によると、アンジオポエチン様タンパク質2は本来、組織の正常な働きを助ける作用を有していますが、心筋細胞内で過剰に分泌されると、細胞のカルシウム濃度の調節やエネルギーを生成する力を弱めます。その結果、心臓のポンプ機能である心筋の収縮力や拡張力の低下を招き、心不全を引き起こすといいます。
 また、高血圧や加齢が、アンジオポエチン様タンパク質2の過剰分泌の一因となることも突き止めました。
 心不全のマウスを用いた遺伝子治療の実験では、遺伝子操作により作製したウイルスを投与して、マウスの体内で作られるアンジオポエチン様タンパク質2の量を減らすと、心臓のポンプ機能低下が抑制されるなど心不全の進行を抑える効果がありました。
 高齢社会の到来で心不全患者は世界的に増えていますが、重度の心不全患者においてはその5年生存率が約50~60%と低く、依然として非常に予後不良の病気です。
 尾池教授は、「これまで投薬などの対症療法が主だったが、遺伝子治療による根本的な心不全治療につながる。3〜5年以内に臨床試験に入りたい」と語っています。

 2016年9月29日(木)

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