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■梅毒患者が4000人を超える、昨年度 5年で5倍に増加 [健康ダイジェスト]

 性感染症の梅毒と診断された患者数が昨年は4000人を超え、約40年前の1974年と同水準になったことが、国立感染症研究所のまとめで明らかになりました。
 2011年と比べ、患者数は5倍に増えました。妊婦を通じ胎児が感染すると死産などを起こす恐れがあり、専門家は注意を呼び掛けています。
 国立感染症研究所によると、昨年11月27日までの患者数は4077人で、1974年の4165人に迫りました。年間の集計では、1974年を上回る見込み。
 男性が2848人、女性が1229人で、男性は各年齢層から偏り少なく報告されているのに対して、女性は20歳代が半数を占めました。都道府県別でみると、東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県、兵庫県など都市部で多くなっています。
 梅毒は、戦後間もない1940年代後半に患者が20万人を超えていましたが、抗菌薬治療の普及で激減。再流行した1967年の約1万2000人をピークに減少を続け、一時は500人を切りました。しかし、2011年以降、再び増加。
 男性の同性間の性的接触による感染だけでなく、近年は異性間での感染も広がり、患者の増加に拍車がかかっているとみられますが、国立感染症研究所は「増加のはっきりした要因はわからない」としています。
 梅毒は、梅毒トレポネーマという病原菌により、ゆっくり進行する感染症です。感染して3週間ほどで梅毒トレポネーマが体に入った部分に小豆、または指先ほどの大きさの硬いしこりが生じますが、自然と消えるので気付かないこともあります。感染して3カ月をすぎたころより、皮膚や粘膜に発疹(はっしん)症状が出ます。
 治療はペニシリン系の抗菌薬を4週間から8週間、血液による抗体検査で体内の菌が消滅したことを確認できるまで服用することが重要。発疹などの症状を放置して重症化すると、脳や心臓に重い合併症を起こす危険があります。また、梅毒に感染した妊婦から胎盤を通じて胎児が感染すると先天性梅毒を生じ、流産や死産の原因になるだけでなく、学童期に難聴、リンパ節や肝臓のはれといった重い症状も起こります。
 日本性感染症学会の荒川創一理事長は、「不特定多数との性接触を避け、妊娠の可能性のある女性は必ず妊婦健診を受けてほしい」と話しています。

 2017年1月11日(水)

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