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■新型コロナウイルス治療薬に「デキサメタゾン」を追加 厚労省 [健康ダイジェスト]

 重度の肺炎などに使用されるステロイド薬の「デキサメタゾン」が新型コロナウイルスによる重症患者の治療にも効果があることが海外の研究で確認されたとして、厚生労働省は治療薬として推奨することになりました。
 「デキサメタゾン」は重度の肺炎やリウマチ、皮膚炎、ぜんそくなどに使用されるステロイド薬で、イギリスのオックスフォード大学で行われた臨床試験の結果、人工呼吸器を装着したり酸素吸入を受けたりしていた新型コロナウイルスによる重症患者の死亡例を減少させたことが、6月に明らかになりました。
 これを受け、厚労省は、新型コロナウイルス感染症の診療ガイドラインに「デキサメタゾン」を新たに掲載しました。
 軽症患者については効果がみられなかったということで、重症患者への投与を推奨することにしています。
 デキサメタゾンは幅広い治療に効果があるステロイド薬として日本国内で製造販売が承認され、保険適用されています。一部の製剤では、効能・効果に肺疾患や重症感染症が含まれているため、新型コロナウイルスの治療に使う場合でも審査や承認の手続きは不要で、厚労省は治療薬としての周知を図ることにしています。
 新型コロナウイルス感染症の治療に使われる薬として有効性が確認されたのは、今年5月に特例承認された抗ウイルス薬「レムデシビル」に続き2例目となります。
 「デキサメタゾン」は「レムデシビル」に比べて、安価で流通量が多く、症状に応じて使い分けが可能になります。
 「レムデシビル」が新型コロナウイルスの増殖を抑えるのに対し、「デキサメタゾン」は症状の悪化に伴う過剰な免疫反応を抑えるなどの作用があると考えられています。
 「デキサメタゾン」は、アメリカのブリストル・マイヤーズスクイブやスイスのノバルティスの子会社が製造。国内メーカーでは、日医工が錠剤を、富士製薬工業が注射剤を、それぞれ手掛けています
 国内の薬価は錠剤で4ミリグラム当たり31円、注射剤で6・6ミリグラム当たり156円。公費で処方が受けられるため患者の自己負担はなく、安価で供給網が確立している点が「デキサメタゾン」の強み。
 世界保健機関(WHO)は世界各国のメーカーに、「デキサメタゾン」の増産を呼び掛けていました。日医工は、「安定供給のために、需要と供給のバランスを考えながら慎重に対応したい」といいます。富士製薬も6月ごろから在庫確保を進めており、「十分に供給できるように準備する」としています。

 2020年7月22日(水)

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