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■新型コロナ集団免疫、2021年内の獲得はなし WHOが警鐘 [健康ダイジェスト]

 世界各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まる中、世界保健機関は11日、世界の多くの人が免疫を持つことで感染が広がりにくくなる、いわゆる「集団免疫」の状態を2021年中に獲得することはないと警鐘を鳴らしました。
 ワクチンにより数カ月後にようやく通常の生活に戻れるようになるとの期待が世界で高まっているものの、WHOの主任科学者、ソーミャ・スワミネイサン氏は、新型ウイルスの拡大を止めるのに十分な量のワクチンを生産し、接種するのには時間がかかるとの見解を示しました。
 スワミネイサン氏はスイス・ジュネーブのWHO本部からインターネット上で開かれた記者会見で、「2021年内にはいかなるレベルの集団免疫にも達しない」と明言。一部の国だけで免疫を持つ人が増えても世界全体の人々を守ることにはつながらないとして、引き続き、ウイルスの流行を抑えるために、対人距離の確保や手洗い、マスク着用などの対策を続ける必要があると強調しました。
 スワミネイサン氏はまた、全く新しいウイルスに対する、安全で効果的なワクチンが1年足らずで複数開発されたことについて、想像も及ばない事態に科学者らが対処し「信じられないほどの進歩」を遂げたと称賛。ただし、ワクチン接種の普及には「かなり時間がかかる」とも強調しました。「ここでは数百万回規模ではなく、数十億回規模の話をしており、ワクチンの生産量の評価に時間がかかる」とし、人々に「少しだけ我慢して」と呼び掛けました。
 スワミネイサン氏はまた、ゆくゆくは「ワクチンが届く。ワクチンはすべての国に行き渡る」と述べました。
 また、テドロス・アダノム事務局長は、中国政府がWHOの国際的な調査チームを14日に受け入れると発表したことを歓迎し、中国側との連携がスムーズにいくかどうか見守る考えを示しました。

 2021年1月12日(火)

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