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■「プベルル酸」は「紅麹」サプリ用9・3トンの一部に含有か 小林製薬大阪工場で昨年4~10月に製造 [健康ダイジェスト]

 小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」配合のサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、被害を招いた可能性が高いのは大阪工場(大阪市淀川区)で製造されたサプリ用の紅麹原料です。原料は昨年12月まで同工場で作られていましたが、原因として浮かぶ青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」は本来、生産ラインに存在しないため、なぜプベルル酸が含まれていたのか、同工場の衛生管理の実態解明がポイントになります。
 2013年に小林製薬の大阪工場で作られた紅麹原料は18・5トン。このうち2・4トンは同社のサプリ「紅麹コレステヘルプ」などとして、岐阜、富山両県内の工場で加工されました。残る16・1トンは食品や化粧品のメーカーなど52社に販売されました。内訳は9・2トンが食品の着色や風味付け用で、6・9トンがサプリ用。プベルル酸が含まれていた可能性があるのは、この6・9トンと自社のサプリ用2・4トンを合わせた9・3トンの一部です。
 小林製薬がサプリを発売した2021年以降に保管していた原料のサンプルを調べた結果、大阪工場で2023年4~10月に製造したぶんにプベルル酸が含まれていることが判明。同社は同工場で生成されたか、混入した可能性が高いとみているプベルル酸は毒性が強いとされるものの、人体への影響は不明です。
 プベルル酸は同工場の生産ラインには本来存在せず、どの製造工程で入り込んだかを特定する必要があります。
 小林製薬は、繊維メーカー「グンゼ」(大阪市北区)から紅麹事業を譲り受け、2016年に大阪工場で原料製造を開始。同工場は1940年に操業を始め、2013年12月に建物の老朽化で閉鎖されたものの、製造設備は子会社「 梅丹(めいたん)本舗」の和歌山工場(和歌山県紀の川市)に引き継がれ、今年1~3月に原料を製造・出荷していました。和歌山工場の出荷分に問題はないとみられ、小林製薬はこの工場に残る製造ラインを使ってプベルル酸の生成や混入の可能性を調査しています。
 今後は大阪工場の衛生管理の解明がカギとなります。食品衛生法は知識や技術習得、原材料の安全確保に努めなければならないと定めています。大阪工場では原料の製造ラインを5、6人が担当。安全管理者が定期的に巡回して確認し、現場の担当者には少なくとも月1回の衛生管理教育を行っていたといます。同社は「きっちりルールを定めて運用できていた」と説明しています。
 一方、同社には消費者などからの問い合わせが殺到しており、対応は追い付いていません。同社によると、3月28日時点で110回線で電話相談に応じていたものの、対応できたのは3割程度。4月4日からは280回線を確保し、対応率は50~80%に改善されると見込んでいます。これまでにサプリを摂取した5人が死亡、3月31日時点で体調に異変を感じるなどして延べ786人が医療機関を受診し、延べ157人が入院していることが判明しており、対応件数が増えれば、さらに被害把握が進むとみられます。

 2024年4月2日(火)

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