■用語 裂足症 [用語(ら行)]
足の中央部分の足指が欠損して、指間にV字状の切れ込みが生じ、足指が2つに裂けたような外観を示す疾患
裂足(れっそく)症とは、足の先天異常で、足の中指(第3指)が欠損して、指間(指の股〔また〕)にV字状の切れ込みが生じ、足指が2つに裂けたような外観を示す疾患。
中指の欠損に、人差し指(第2指)や薬指(第4指)の発育不全を伴うこともあります。重症になると、人差し指、中指、薬指の3指が欠損したり、隣り合う2つの足指がくっ付く合趾(し)症(合指症)や、足指の数が6本以上となる多趾症(多指症)を合併します。
両足の足指に生じたり、手の手指の欠損が生じる裂手症を合併することもあります。
出生2万人に対し1人の頻度で裂足症は生じ、男児に多くみられます。優性遺伝が認められる場合もあります。
形成障害(発育停止)に分類されるものの、しばしば合趾症を合併することから、分化障害(分離不全)に近い状態と考えられています。
単独でみられるほか、EEC症候群(裂手裂足・外胚葉異形成・口唇口蓋裂症候群)などの先天奇形症候群の症状の一部としてみられることもあります。
軽症では、普通の靴が履きにくい、あるいは履けないなどの支障がみられます。重症では、歩行困難などの機能障害がみられます。
生後すぐ、裂足症は産科で気付かれることが多いため、足指以外に内臓疾患の合併がないか、小児科でも診てもらうことが勧められます。また、整形外科などでも診てもらい、美容的、機能的な観点から手術を行うべきかどうか相談することが勧められます。
裂足症の検査と診断と治療
整形外科、ないし形成外科、足の外科の医師による診断では、視診で容易に判断できますが、趾骨の状態をみるためにX線(レントゲン)検査を行います。
整形外科、ないし形成外科、足の外科の医師による治療では、外見上の改善と足指の運動機能向上を目的に、手術を行うことが第1選択となります。
手術では一般的に、離れた足指を引き寄せ、指間の高さをそろえつつ、V字状の切れ込みを閉鎖ないし狭くします。
普通の靴が履けずに困る場合は、足指の付け根の骨である中足骨(ちゅうそくこつ)を切除し、移動することもあります。
親指(第1指)と人差し指などの間に合趾がある場合は、同時に、隣り合う2つの足指を分離し、指間を作る手術を行います。
裂足症では、機能を持つ足指の数を5本にすることはできません。V字状の切れ込みの形態を整え、少ない足指の数で形態的にバランスの取れた、役に立つ足にすることが手術の目標となります。
裂足(れっそく)症とは、足の先天異常で、足の中指(第3指)が欠損して、指間(指の股〔また〕)にV字状の切れ込みが生じ、足指が2つに裂けたような外観を示す疾患。
中指の欠損に、人差し指(第2指)や薬指(第4指)の発育不全を伴うこともあります。重症になると、人差し指、中指、薬指の3指が欠損したり、隣り合う2つの足指がくっ付く合趾(し)症(合指症)や、足指の数が6本以上となる多趾症(多指症)を合併します。
両足の足指に生じたり、手の手指の欠損が生じる裂手症を合併することもあります。
出生2万人に対し1人の頻度で裂足症は生じ、男児に多くみられます。優性遺伝が認められる場合もあります。
形成障害(発育停止)に分類されるものの、しばしば合趾症を合併することから、分化障害(分離不全)に近い状態と考えられています。
単独でみられるほか、EEC症候群(裂手裂足・外胚葉異形成・口唇口蓋裂症候群)などの先天奇形症候群の症状の一部としてみられることもあります。
軽症では、普通の靴が履きにくい、あるいは履けないなどの支障がみられます。重症では、歩行困難などの機能障害がみられます。
生後すぐ、裂足症は産科で気付かれることが多いため、足指以外に内臓疾患の合併がないか、小児科でも診てもらうことが勧められます。また、整形外科などでも診てもらい、美容的、機能的な観点から手術を行うべきかどうか相談することが勧められます。
裂足症の検査と診断と治療
整形外科、ないし形成外科、足の外科の医師による診断では、視診で容易に判断できますが、趾骨の状態をみるためにX線(レントゲン)検査を行います。
整形外科、ないし形成外科、足の外科の医師による治療では、外見上の改善と足指の運動機能向上を目的に、手術を行うことが第1選択となります。
手術では一般的に、離れた足指を引き寄せ、指間の高さをそろえつつ、V字状の切れ込みを閉鎖ないし狭くします。
普通の靴が履けずに困る場合は、足指の付け根の骨である中足骨(ちゅうそくこつ)を切除し、移動することもあります。
親指(第1指)と人差し指などの間に合趾がある場合は、同時に、隣り合う2つの足指を分離し、指間を作る手術を行います。
裂足症では、機能を持つ足指の数を5本にすることはできません。V字状の切れ込みの形態を整え、少ない足指の数で形態的にバランスの取れた、役に立つ足にすることが手術の目標となります。
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■用語 裂手症 [用語(ら行)]
手の中央部分の指が欠損して、指間にV字状の切れ込みが生じ、手指が2つに裂けたような外観を示す疾患
裂手(れっしゅ)症とは、手の先天異常で、手の中指(第3指)が欠損して、指間(指の股〔また〕)にV字状の切れ込みが生じ、手指が2つに裂けたような外観を示す疾患。
中指の欠損に、人差し指(第2指)や薬指(第4指)の発育不全を伴うこともあります。重症になると、人差し指、中指、薬指の3指が欠損したり、隣り合う2つの手指がくっ付く合指症や、手指の数が6本以上となる多指症を合併します。
両手の手指に生じたり、足指の欠損が生じる裂足症を合併することもあります。
出生2万人に対し1人の頻度で裂手症は生じ、男児に多くみられます。優性遺伝が認められる場合もあります。
形成障害(発育停止)に分類されるものの、しばしば合指症を合併することから、分化障害(分離不全)に近い状態と考えられています。
単独でみられるほか、EEC症候群(裂手裂足・外胚葉異形成・口唇口蓋裂症候群)などの先天奇形症候群の症状の一部としてみられることもあります。
中指などが欠損しても、機能的にはよく保たれていることが多く、ほかの手指を開いたり、ほかの手指で物をつかんだりすることは可能です。
生後すぐ、裂手症は産科で気付かれることが多いため、手指以外に内臓疾患の合併がないか、小児科でも診てもらうことが勧められます。また、整形外科などでも診てもらい、美容的、機能的な観点から手術を行うべきかどうか相談することが勧められます。
裂手症の検査と診断と治療
整形外科、ないし形成外科、手の外科の医師による診断では、視診で容易に判断できますが、指骨の状態をみるためにX線(レントゲン)検査を行います。
整形外科、ないし形成外科、手の外科の医師による治療では、外見上の改善と手指の運動機能向上を目的に、手術を行うことが第1選択となります。
手術では一般的に、離れた手指を引き寄せ、指間の高さをそろえつつ、V字状の切れ込みを閉鎖ないし狭くします。手指の付け根の骨である中手骨(ちゅうしゅこつ)を切除し、移動することもあります。
親指(母指)と人差し指(示指)などの間に合指がある場合は、同時に、隣り合う2つの手指を分離し、指間を作る手術を行います。
裂手症では、機能を持つ手指の数を5本にすることはできません。V字状の切れ込みの形態を整え、少ない手指の数で形態的にバランスの取れた、役に立つ手にすることが手術の目標となり、手指の運動パターンが完成する前の2、3歳までに手術を行うのがよいと見なされています。
裂手(れっしゅ)症とは、手の先天異常で、手の中指(第3指)が欠損して、指間(指の股〔また〕)にV字状の切れ込みが生じ、手指が2つに裂けたような外観を示す疾患。
中指の欠損に、人差し指(第2指)や薬指(第4指)の発育不全を伴うこともあります。重症になると、人差し指、中指、薬指の3指が欠損したり、隣り合う2つの手指がくっ付く合指症や、手指の数が6本以上となる多指症を合併します。
両手の手指に生じたり、足指の欠損が生じる裂足症を合併することもあります。
出生2万人に対し1人の頻度で裂手症は生じ、男児に多くみられます。優性遺伝が認められる場合もあります。
形成障害(発育停止)に分類されるものの、しばしば合指症を合併することから、分化障害(分離不全)に近い状態と考えられています。
単独でみられるほか、EEC症候群(裂手裂足・外胚葉異形成・口唇口蓋裂症候群)などの先天奇形症候群の症状の一部としてみられることもあります。
中指などが欠損しても、機能的にはよく保たれていることが多く、ほかの手指を開いたり、ほかの手指で物をつかんだりすることは可能です。
生後すぐ、裂手症は産科で気付かれることが多いため、手指以外に内臓疾患の合併がないか、小児科でも診てもらうことが勧められます。また、整形外科などでも診てもらい、美容的、機能的な観点から手術を行うべきかどうか相談することが勧められます。
裂手症の検査と診断と治療
整形外科、ないし形成外科、手の外科の医師による診断では、視診で容易に判断できますが、指骨の状態をみるためにX線(レントゲン)検査を行います。
整形外科、ないし形成外科、手の外科の医師による治療では、外見上の改善と手指の運動機能向上を目的に、手術を行うことが第1選択となります。
手術では一般的に、離れた手指を引き寄せ、指間の高さをそろえつつ、V字状の切れ込みを閉鎖ないし狭くします。手指の付け根の骨である中手骨(ちゅうしゅこつ)を切除し、移動することもあります。
親指(母指)と人差し指(示指)などの間に合指がある場合は、同時に、隣り合う2つの手指を分離し、指間を作る手術を行います。
裂手症では、機能を持つ手指の数を5本にすることはできません。V字状の切れ込みの形態を整え、少ない手指の数で形態的にバランスの取れた、役に立つ手にすることが手術の目標となり、手指の運動パターンが完成する前の2、3歳までに手術を行うのがよいと見なされています。
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■用語 レプトスピラ病 [用語(ら行)]
病原性レプトスピラの感染によって起こる急性発熱性の感染症
レプトスピラ病とは、病原性レプトスピラの感染によって起こる急性発熱性の感染症。レプトスピラによる感染症を総称して、レプトスピラ病、ないしレプトスピラ症と呼びます。
レプトスピラは、螺旋(らせん)状の特殊な細菌の一群であるスピロヘータの一種です。レプトスピラの血清型の違いによってレプトスピラ病はいくつかの種類に分けられ、重症型のワイル病(黄疸〔おうだん〕出血性レプトスピラ病)を始め、軽症型の秋季レプトスピラ病やイヌ型レプトスピラ病などがあります。
病原性レプトスピラは、ネズミ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタなどの保菌動物の腎臓(じんぞう)に保菌され、尿中に排出されます。人間には、保菌動物の尿で汚染された水や土壌から経皮的、経口的に感染します。人から人への感染はありません。
ドイツの医師ワイルにより、1886年に初めて報告され、日本の稲田龍吉、井戸泰両博士により、1915年に世界で初めて病原体が発見されました。
日本では古来より、秋疫(しゅうとう、あきやみ)、用水病、七日病(なのかびょう、なぬかやみ)と呼ばれる地方病として、農作業や土木従事者の間で発症し、1970年代前半までは年間50人以上の死亡が報告されていましたが、近年では感染者数、死亡者数とも激減しました。現在は沖縄県などで、散発性に発生するのみです。
2003年の感染症法の改正により、レプトスピラ病は4類感染症に位置付けられ、保健所への届出が必要になりました。それ以降4年間で93例の届出があり、うち87例の国内発症例の約半数が沖縄県での感染と推定されています。
国外では、現在でも全世界的にレプトスピラ病が流行しており、ブラジル、ニカラグアなどの中南米や、フィリピン、タイなどの東南アジアなど、熱帯、亜熱帯の国々での大流行が挙げられます。
病原性レプトスピラの種類によって、症状は軽症から重症までさまざまです。軽症型では、風邪のような症状だけで軽快します。
重症型の代表であるワイル病の主症状は、発熱、黄疸、出血傾向、腎障害、蛋白(たんぱく)尿などで、感染後3〜14日の潜伏期をへて悪寒を伴う発熱で発症します。ふくらはぎの筋肉痛、眼球結膜の充血が特徴的ですが、全身倦怠感(けんたいかん)、頭痛、腰痛などのさまざまな症状が現れます。
発症して4~5日後に、黄疸や出血傾向が増強する場合もあります。進行すると、腎不全、心不全が起こる場合もあります。
ワイル病の感染の機会があり、ふくらはぎの筋肉痛や、眼球結膜の充血を伴う発熱が現れた場合には、早急に内科、消化器科を受診することが必要になります。
レプトスピラ病の検査と診断と治療
内科、消化器科の医師による診断では、症状とレプトスピラ病の流行地への旅行歴、保菌動物の尿に汚染された水への接触などが診断の助けとなります。
ワイル病では、発病初期から蛋白尿がみられ、血液検査で白血球数が増え、体の中の炎症反応を調べる検査であるCRP(C反応性蛋白)が陽性になります。確定診断には、血液、髄液、尿からの病原体の分離、血清診断、遺伝子増幅検査を行います。
内科、消化器科の医師による治療では、ワイル病の場合は抗生剤(抗生物質)を早期に投与します。感染早期ではペニシリン系、テトラサイクリン系など多くの抗生剤の効果が認められ、ストレプトマイシンが最も有効です。合併症では、その治療を行います。
ワイル病などのレプトスピラ病を予防する上では、中南米や東南アジアなど流行地域へ旅行した場合には、不用意に水の中に入らないことが重要です。特に洪水の後は、感染の危険性が高まります。
また、1999年夏に沖縄八重山地域において、観光ガイドやカヤックインストラクターなど、河川でのレジャー産業に従事する人たちの集団感染が報告されていますので、水辺のレジャーにも注意が必要です。海外では、トライアスロンなどのウオータースポーツによる集団感染も報告されています。
水田作業、土木工事、野外調査などを目的に海外の流行地域へ行く場合、可能なら感染症の予防に用いるワクチンを接種します。また、薬物による予防として、テトラサイクリン系に属する抗生剤であるドキシサイクリンの効果が報告されています。
レプトスピラ病とは、病原性レプトスピラの感染によって起こる急性発熱性の感染症。レプトスピラによる感染症を総称して、レプトスピラ病、ないしレプトスピラ症と呼びます。
レプトスピラは、螺旋(らせん)状の特殊な細菌の一群であるスピロヘータの一種です。レプトスピラの血清型の違いによってレプトスピラ病はいくつかの種類に分けられ、重症型のワイル病(黄疸〔おうだん〕出血性レプトスピラ病)を始め、軽症型の秋季レプトスピラ病やイヌ型レプトスピラ病などがあります。
病原性レプトスピラは、ネズミ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタなどの保菌動物の腎臓(じんぞう)に保菌され、尿中に排出されます。人間には、保菌動物の尿で汚染された水や土壌から経皮的、経口的に感染します。人から人への感染はありません。
ドイツの医師ワイルにより、1886年に初めて報告され、日本の稲田龍吉、井戸泰両博士により、1915年に世界で初めて病原体が発見されました。
日本では古来より、秋疫(しゅうとう、あきやみ)、用水病、七日病(なのかびょう、なぬかやみ)と呼ばれる地方病として、農作業や土木従事者の間で発症し、1970年代前半までは年間50人以上の死亡が報告されていましたが、近年では感染者数、死亡者数とも激減しました。現在は沖縄県などで、散発性に発生するのみです。
2003年の感染症法の改正により、レプトスピラ病は4類感染症に位置付けられ、保健所への届出が必要になりました。それ以降4年間で93例の届出があり、うち87例の国内発症例の約半数が沖縄県での感染と推定されています。
国外では、現在でも全世界的にレプトスピラ病が流行しており、ブラジル、ニカラグアなどの中南米や、フィリピン、タイなどの東南アジアなど、熱帯、亜熱帯の国々での大流行が挙げられます。
病原性レプトスピラの種類によって、症状は軽症から重症までさまざまです。軽症型では、風邪のような症状だけで軽快します。
重症型の代表であるワイル病の主症状は、発熱、黄疸、出血傾向、腎障害、蛋白(たんぱく)尿などで、感染後3〜14日の潜伏期をへて悪寒を伴う発熱で発症します。ふくらはぎの筋肉痛、眼球結膜の充血が特徴的ですが、全身倦怠感(けんたいかん)、頭痛、腰痛などのさまざまな症状が現れます。
発症して4~5日後に、黄疸や出血傾向が増強する場合もあります。進行すると、腎不全、心不全が起こる場合もあります。
ワイル病の感染の機会があり、ふくらはぎの筋肉痛や、眼球結膜の充血を伴う発熱が現れた場合には、早急に内科、消化器科を受診することが必要になります。
レプトスピラ病の検査と診断と治療
内科、消化器科の医師による診断では、症状とレプトスピラ病の流行地への旅行歴、保菌動物の尿に汚染された水への接触などが診断の助けとなります。
ワイル病では、発病初期から蛋白尿がみられ、血液検査で白血球数が増え、体の中の炎症反応を調べる検査であるCRP(C反応性蛋白)が陽性になります。確定診断には、血液、髄液、尿からの病原体の分離、血清診断、遺伝子増幅検査を行います。
内科、消化器科の医師による治療では、ワイル病の場合は抗生剤(抗生物質)を早期に投与します。感染早期ではペニシリン系、テトラサイクリン系など多くの抗生剤の効果が認められ、ストレプトマイシンが最も有効です。合併症では、その治療を行います。
ワイル病などのレプトスピラ病を予防する上では、中南米や東南アジアなど流行地域へ旅行した場合には、不用意に水の中に入らないことが重要です。特に洪水の後は、感染の危険性が高まります。
また、1999年夏に沖縄八重山地域において、観光ガイドやカヤックインストラクターなど、河川でのレジャー産業に従事する人たちの集団感染が報告されていますので、水辺のレジャーにも注意が必要です。海外では、トライアスロンなどのウオータースポーツによる集団感染も報告されています。
水田作業、土木工事、野外調査などを目的に海外の流行地域へ行く場合、可能なら感染症の予防に用いるワクチンを接種します。また、薬物による予防として、テトラサイクリン系に属する抗生剤であるドキシサイクリンの効果が報告されています。
■用語 ラヌーラ [用語(ら行)]
唾液の出口が詰まって周囲の組織内にたまり、口底部に袋状の嚢胞ができる疾患
ラヌーラとは、唾液腺(だえきせん)で作られた唾液が排出障害を起こして、周囲の組織中に漏れ出し、唾液をためた袋状の嚢胞(のうほう)が口底部にできる疾患。
嚢胞は透明感のある青みを帯びた半球状の膨らみで、これが大きくなったものがガマガエルの喉頭嚢(こうとうのう)に似ているところから、がま腫(しゅ)とも呼ばれます。
舌の裏面に覆われた下顎(したあご)の内側の部分で、口の中の底に当たる口底部には、唾液腺の舌下腺(ぜっかせん)や顎下(がくか、がっか)腺、口底部小唾液腺があります。これらの唾液腺の管の出口が外傷など何らかの原因で詰まると、唾液が外に出てこられなくなって、周囲の粘膜の下に袋状の嚢胞を作ってはれることがあります。これを舌下型ラヌーラと呼びます。
口底部と下顎の境に当たる顎舌骨筋を超えて、顎の下に袋状の嚢胞を作ることもあります。これを顎下型ラヌーラと呼びます。また、口底部と顎下部の両方に袋状の嚢胞を作ることもあります。これを舌下顎下型ラヌーラと呼びます。
舌下型ラヌーラは、口底部の粘膜の下に片側性に発生します。小さいものは無症状ですが、徐々に大きくなると舌が持ち上げられ、発語障害や、物を飲み込みにくくなる嚥下(えんげ)障害が起こってきます。かんで嚢胞の一部が破れると、中から粘性の高い液が出て、はれはなくなります。しかし、しばらくするとまた同じようにはれてきます。
顎下型ラヌーラでは、顎の下全体がはれてきます。痛みもなく軟らかくはれてくるため、嚢胞がかなり多くなるまでわからないことがあります。
口底部や顎の下のはれに気が付いた場合は、耳鼻咽喉(いんこう)科、歯科口腔(こうくう)外科を受診することが勧められます。
ラヌーラの検査と診断と治療
耳鼻咽喉科、歯科口腔外科の医師による診断では、触診や超音波検査(エコー)、CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査などで、ラヌーラかどうかを調べ、嚢胞と舌下腺などとの関係を明らかにします。
顎下型ラヌーラでは、リンパ管腫というリンパ液のたまる疾患などとの見分けが必要になります。
耳鼻咽喉科、歯科口腔外科の医師による治療では、薬で治すことはできないため、手術が基本となります。
嚢胞が小さいうちは針を刺して中の粘液を抜くことがありますが、ある程度の大きさになると、手術で嚢胞壁を一部切り取って開放し、嚢胞を縮小させ、開放部分が閉鎖して再度唾液がたまらないように、嚢胞壁の辺縁を口腔粘膜と縫い合せます。外来小手術として行われますが、再発することが少なくありません。
最も確実な治療方法は、嚢胞とともに、原因となっている舌下腺、あるいは顎下腺、小唾液腺を同時に摘出する手術です。特に、顎下型ラヌーラでは、舌下腺などを同時に摘出したほうがよいといわれています。
また、嚢胞の大きさにもよりますが、不随意に嚥下反射などで動きやすい部分ですので、神経、血管などを傷付けるリスクが少しでも減るように、全身麻酔下での手術を行ったほうがよいといわれています。
舌下腺などを完全に摘出すれば、ほぼ再発はありません。また、片側の舌下腺を摘出しても、口が渇くという問題は生じません。
ラヌーラとは、唾液腺(だえきせん)で作られた唾液が排出障害を起こして、周囲の組織中に漏れ出し、唾液をためた袋状の嚢胞(のうほう)が口底部にできる疾患。
嚢胞は透明感のある青みを帯びた半球状の膨らみで、これが大きくなったものがガマガエルの喉頭嚢(こうとうのう)に似ているところから、がま腫(しゅ)とも呼ばれます。
舌の裏面に覆われた下顎(したあご)の内側の部分で、口の中の底に当たる口底部には、唾液腺の舌下腺(ぜっかせん)や顎下(がくか、がっか)腺、口底部小唾液腺があります。これらの唾液腺の管の出口が外傷など何らかの原因で詰まると、唾液が外に出てこられなくなって、周囲の粘膜の下に袋状の嚢胞を作ってはれることがあります。これを舌下型ラヌーラと呼びます。
口底部と下顎の境に当たる顎舌骨筋を超えて、顎の下に袋状の嚢胞を作ることもあります。これを顎下型ラヌーラと呼びます。また、口底部と顎下部の両方に袋状の嚢胞を作ることもあります。これを舌下顎下型ラヌーラと呼びます。
舌下型ラヌーラは、口底部の粘膜の下に片側性に発生します。小さいものは無症状ですが、徐々に大きくなると舌が持ち上げられ、発語障害や、物を飲み込みにくくなる嚥下(えんげ)障害が起こってきます。かんで嚢胞の一部が破れると、中から粘性の高い液が出て、はれはなくなります。しかし、しばらくするとまた同じようにはれてきます。
顎下型ラヌーラでは、顎の下全体がはれてきます。痛みもなく軟らかくはれてくるため、嚢胞がかなり多くなるまでわからないことがあります。
口底部や顎の下のはれに気が付いた場合は、耳鼻咽喉(いんこう)科、歯科口腔(こうくう)外科を受診することが勧められます。
ラヌーラの検査と診断と治療
耳鼻咽喉科、歯科口腔外科の医師による診断では、触診や超音波検査(エコー)、CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査などで、ラヌーラかどうかを調べ、嚢胞と舌下腺などとの関係を明らかにします。
顎下型ラヌーラでは、リンパ管腫というリンパ液のたまる疾患などとの見分けが必要になります。
耳鼻咽喉科、歯科口腔外科の医師による治療では、薬で治すことはできないため、手術が基本となります。
嚢胞が小さいうちは針を刺して中の粘液を抜くことがありますが、ある程度の大きさになると、手術で嚢胞壁を一部切り取って開放し、嚢胞を縮小させ、開放部分が閉鎖して再度唾液がたまらないように、嚢胞壁の辺縁を口腔粘膜と縫い合せます。外来小手術として行われますが、再発することが少なくありません。
最も確実な治療方法は、嚢胞とともに、原因となっている舌下腺、あるいは顎下腺、小唾液腺を同時に摘出する手術です。特に、顎下型ラヌーラでは、舌下腺などを同時に摘出したほうがよいといわれています。
また、嚢胞の大きさにもよりますが、不随意に嚥下反射などで動きやすい部分ですので、神経、血管などを傷付けるリスクが少しでも減るように、全身麻酔下での手術を行ったほうがよいといわれています。
舌下腺などを完全に摘出すれば、ほぼ再発はありません。また、片側の舌下腺を摘出しても、口が渇くという問題は生じません。