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■用語 リトルリーグ肘 [用語(ら行)]

[野球]少年期の野球のピッチャーに多く、肘の酷使によって発生する疾患
 リトルリーグ肘(ひじ)とは、小児期の野球のピッチャーなどが肘を酷使すると発生し、肘の外側にある上腕骨小頭の骨軟骨が壊死(えし)する疾患。
 少年野球肘、野球肘、上腕骨小頭離断性骨軟骨炎、上腕骨小頭骨軟骨障害、肘離断性骨軟骨炎、離断性骨軟骨炎とも呼ばれます。
 特に、満9歳から12歳までの少年少女たちを対象とした野球組織であるリトルリーグに所属していたりする、小学校高学年から中学校低学年の野球のピッチャー、あるいはキャッチャーなどが肘を酷使して発症することが多く、外側(がいそく)型野球肘の代表的なものに相当します。
 小学校高学年から中学校低学年では、骨と関節軟骨の結合がまだ不完全なため、繰り返すボールの投球動作における微小な外反ストレスの蓄積により、利き腕の上腕骨小頭の骨軟骨、すなわち肘関節を形成する上腕骨の遠位端の外側部にある球状の部位に変性、壊死が生じます。
 症状として、肘関節を伸ばしたり、曲げたりする時に痛みが出たり、動きが悪くなったりします。この初期の段階では、投球動作を中止することのみで、自然治癒が促されることがあります。
 実際は、練習や試合での投球動作の終了後は速やかに痛みが消失するために、単なる使いすぎによる痛みと勘違いされることが多く見受けられます。
 放置して投球動作を続けると症状が進行し、壊死を起こした骨軟骨片が肘の関節面から遊離して関節内遊離体となり、関節の中をあちらこちらと移動することになります。
 この関節遊離体に最も特有な症状が、嵌頓(かんとん)症状。肘関節の運動の最中に、突然、遊離体が関節の透き間に挟まってしまい、激しい痛みを起こして関節の運動が不能となる状態です。何かの拍子に遊離体が外れれば、急速に痛みは治まりますが、嵌頓症状を繰り返していると、滑膜炎と呼ばれる関節内の炎症や変形性関節症を起こしやすくなります。しかし、遊離体があっても、嵌頓症状が必す起こるわけでもありません。
 そのほか、関節遊離体の症状として、関節の痛みや、だるさ、はれを感じたり、肘の曲げ伸ばしができなくなったり、関節に水がたまったりすることもあります。
 リトルリーグ肘が進行してしまうと、投球動作にかかわるスポーツが十分できなくなるどころか、遊離したことで生じた上腕骨小頭の骨軟骨の欠損は成人期以降も肘の変形性関節症を発症し、痛みが出たり、動きが悪くなったりする後遺障害を残しやすくなります。
 早期発見、早期治療を行う必要がある典型的な疾患が、リトルリーグ肘です。野球少年が投球時に肘の痛みを訴える場合は、早めに整形外科を受診することが勧められます。
[野球]リトルリーグ肘の検査と診断と治療
 整形外科の医師による診断では、問診をしたり、関節の動きを調べ、上腕骨小頭部の圧痛がある場合にリトルリーグ肘を疑います。
 確定診断は、X線(レントゲン)検査により行います。病巣は、初期には骨の陰が薄くなった状態として、進行すると病巣部の骨軟骨片が上腕骨小頭から分離、遊離した状態として撮影されます。しかし、初期には病変を認識することが難しいこともあります。また、正面と側面からの肘関節2方向撮影法、肘関節を45度屈曲した位置で正面像を撮影する撮影法が有用です。
 そのほか、CT(コンピューター断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像)検査は、骨軟骨がはがれやすい状態であるかどうか確認するなど病態を調べるのに有効です。
 整形外科の医師による治療では、初期の場合、局所安静、投球禁止により病巣の修復、治癒が期待できます。しかし、実際には6カ月から1年間、場合によっては1年以上の長期にわたり投球動作を禁止することもあり、投球の再開により再発するケースもあります。
 従って、初期の場合であっても長期の投球禁止を望まないケースや、再発例では、手術を行うこともあります。
 進行した場合では、再び投球を可能にし、将来的な障害を残さないために、手術を行うことになります。具体的な手術法としては、壊死した骨軟骨を切除し関節遊離体を取り除く方法を基本として、遊離しかけた骨軟骨片を再固定し、病巣部に新たな骨ができることを促す方法、遊離した骨軟骨片の再固定が困難な場合に、欠損した肘の関節面に体の他の部位から骨軟骨を移植し、関節面を形成する方法などがあります。
 手術後のリハビリテーション、投球再開の時期は病期、手術法により異なりますが、おおむね6カ月程度で全力投球が可能になります。
 リトルリーグ肘の発生の予防には、基本的には肘関節の使いすぎによるところが大きいため、練習日数と時間、投球数の制限が重要です。また、投球フォームにより肘に負担がかかりすぎるケースも多くあり、適切な筋力トレーニングと投球フォームの指導、正しいスケジュール決定も必要です。

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■用語 老人性膣炎 [用語(ら行)]



[ダイヤ]閉経後、自浄作用が低下して細菌が繁殖するために、膣壁が委縮して起こる膣炎
 老人性膣炎(ちつえん)とは、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンが閉経後に低下し、それとともに自浄作用も低下して細菌が繁殖するために、膣壁が委縮して起こる膣炎。委縮性膣炎とも呼ばれます。
 通常は加齢に伴って発症するもので、生理が止まった閉経後の女性の多くが、老人性膣炎を生じている状態にあります。また、出産から最初の月経までの期間の産婦や、悪性腫瘍(しゅよう)で卵巣を摘出する手術をした女性にも、発症することがあります。
 女性生殖器系の器官である腟は、骨盤内にあって子宮と体外とをつなぐ管状の器官で、伸び縮みできる構造をしています。腟の前方には膀胱(ぼうこう)や尿道があり、後方には直腸があります。腟壁は粘膜に覆われ、その粘膜面には横に走るひだがあります。このひだは正中部で集合し、前壁と後壁で中央に縦に走るひだになっています。このひだは出産の経験のない人に、多く認められます。
 この腟の中は、温かく湿っていて有機物が豊富にある状態で、細菌の繁殖に適しています。しかし、腟には自浄作用という働きがあります。
 腟壁上皮は卵巣から分泌されるエストロゲンの作用により、表皮細胞への分化が促され、細胞質の内にグリコーゲンが蓄積されます。剥離(はくり)した細胞内のグリコーゲンは、ブドウ糖に分解されて、腟内の乳酸桿菌(かんきん)によって乳酸菌に換えられます。これにより腟内は酸性となり、酸性環境に弱い細菌の増殖が抑制されます。
 閉経後の女性の場合は、卵巣から分泌されるエストロゲンや卵胞ホルモンが低下するため、ブドウ糖が不足し腟内の乳酸菌が著しく減少する結果、細菌が繁殖します。
 また、閉経後の女性の場合は、腟壁は女性ホルモンや少量の男性ホルモンの働きにより、閉経後十数年たっても若い時代の3分の2の厚さが保たれていますが、一部の女性ホルモンが不足してくると腟のひだが少なくなるとともに、腟壁のコラーゲンが少なくなり、壁そのものも委縮して薄くなり、乾燥も起こります。この薄くなった腟の壁は、腟内に細菌が繁殖すると、充血して炎症を生じます。
 そのために、老人性膣炎を発症すると、下り物が黄色っぽくなる、下り物に血が混じる、下り物に悪臭を伴うなどの症状が、現れることがあります。腟壁の痛みや灼熱(しゃくねつ)感などの不快感、腟入口の乾燥感、掻痒(そうよう)感、違和感などの症状が、現れることもあります。
 性行為に際して、痛みを伴ったり、出血、掻痒感などの症状が、現れることもあります。
 エストロゲンの分泌が低下したり、膣壁が委縮して薄くなること自体は、閉経後の女性であれば当たり前のことですので、無症状であったり、症状が軽いこともあります。
 必ずしも治療が必要なわけではありませんが、黄色い下り物は子宮体がんなどに伴う症状の可能性もありますので、注意が必要となります。
[ダイヤ]老人性膣炎の検査と診断と治療
 婦人科、産婦人科の医師による診断では、膣や外陰部の肉眼的な観察を主に行います。細菌性膣炎を合併していることが多く、腟内の細菌検査を必要とする場合もあります。同時に、がん細胞の有無も確認します。
 明らかにエストロゲンが低下している年齢でなければ、ホルモン検査を行うこともあります。
 近年は、診断と治療的効果判定の数値化を目的に腟健康指数を用いて診断する方法も行われるようになりました。
 婦人科、産婦人科の医師による治療では、がん細胞がない場合は、女性ホルモンの膣錠、エストロゲンの経口剤や貼付剤、女性ホルモンの補充療法などで、症状の改善を図ります。
 軽度の炎症であれば、膣洗浄によって細菌を流し、症状を改善させることもあります。細菌感染がひどい場合は、抗生物質が入った腟錠を併用することもあります。性交痛などに対して、潤滑ゼリーを勧めることもあります。
 多くは1~2週間の治療で治りますが、1カ月程度にわたって薬剤を使用しないと治らない人もいます。
 子宮体がんや乳がんなどの病歴がある人に対しては、別の治療法が選択されることもあります。


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■用語 レッグ・カルベ・ペルテス病 [用語(ら行)]

[くつ]主に4~8歳ごろの男の子の股関節に起こり、足の引きずり、痛みが生じる疾患
 レッグ・カルベ・ペルテス病とは、主に4~8歳ごろの男の子の股(こ)関節に起こる疾患。成長期の子供の成長軟骨に障害が起きる骨端症の一つです。
 1910年に、アメリカのレッグ、フランスのカルベ、ドイツのペルテスという3名の医師が別々に報告し、正式にはレッグ・カルベ・ペルテス病と呼ばれますが、国によって呼び名が異なり、日本では慣用的にペルテス病とも呼ばれています。
 ぶつけたり、歩きすぎたなどの特別な原因はないのに、歩く時に足を引きずったり、股(また)の付け根や太もも、時に膝(ひざ)を痛がります。引きずりや痛みは少し休むと取れますが、よく見ると太ももの筋肉がやせていたり、太ももを外側に倒したり、内側にひねる時に痛みを強く感じるために、あぐらがかけなかったりします。
 股関節の血流不足によって、太ももの骨である大腿(だいたい)骨近位骨端部という、骨の頭が球形に成長する部位が崩れて、壊死(えし)するために起こります。血液の流れが悪くなる血行障害の原因については諸説ありますが、いまだは不明。
 骨頭がどんどん崩れていきますが、ある時期を経て、血液の流れが再びよくなると骨のほうも修復してきます。2〜3年以内に、壊死した骨が吸収された新たな骨が形成され、元のように回復します。
 ただし、壊死が進行している間に股関節に体重をかけていると、骨頭に変形を残したまま治るので、できるだけ崩れが少なくすむように、一定期間体重を股関節にかけないでいることが必要となります。骨頭の変形を残すと将来、股関節の障害が出現し、40〜50歳以降には人工股関節置換術を余儀なくされます。
 成長期の子供に足の引きずり、痛みの訴えがある場合は、整形外科などを受診し適切な経過観察や治療を受けるべきです。
[くつ]レッグ・カルベ・ペルテス病の検査と診断と治療
 整形外科、ないし形成外科の医師による診断では、壊死範囲や修復の程度を評価するために、X線(レントゲン)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査を行います。
 レッグ・カルベ・ペルテス病は両側の股関節に発症することもありますが、この場合でも両側同時に起こるわけではなく、左右でX線画像が異なります。このことが鑑別診断の際に重要です。
 鑑別が必要な疾患には、骨端異形成症などの骨系統疾患、マイヤー病、血友病などの血液疾患による骨頭の変化、甲状腺(せん)機能低下症に伴う骨頭変形など多数の疾患があります。
 整形外科、ないし形成外科の医師による治療では、痛みの程度、足の引きずり具合など数年にわたる観察が必要で、年齢と壊死した範囲によって治療方法は変わります。
 5歳以下で発症したものは、放っておいても訴えは軽く、骨もきれいに修復されるので経過をみます。骨頭の崩れた範囲が2分の1から3分の1以下の時も、何もせずに経過をみます。それ以上崩れた時は、骨頭を保護しながら、骨頭が球形に矯正されるのを待ちます。
 骨頭を保護する方法には、装具の装着と手術があります。装具にはいろいろな種類がありますが、装具は一度つけると生活が不自由で、何年もつけなければなりません。
 手術では、大腿骨を骨頭近くで切って、骨頭が関節の中に納まるように骨の角度を整えます。骨がつくまでの間は運動が制限されますが、それ以後は元の生活に戻れます。治療成績は手術療法が圧倒的に良好であり、股関節の良好な可動性が維持されます。
 骨頭の崩れた範囲が広い場合や、8歳以上で発症した場合は、適切な治療を行っても骨頭の最終的な形が球形に矯正されにくくなります。同年齢での発症では、骨成熟までの年数が少ない女の子のほうが球形に治りにくい傾向にあります。




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■用語 ローアーチ [用語(ら行)]

[足]足の裏の土踏まずのくぼんだ部分がなくなり、扁平化した足の変形
 ローアーチとは、足の裏の土踏まずのくぼんだ部分がなくなって、足の縦、横の軸とも扁平(へんぺい)化した足の変形。扁平足、フラットフットとも呼ばれます。
 起立時や歩行時には足の裏のアーチがつぶれていて、足の裏全体が地面にくっつきます。
 乳幼児では足底の脂肪が多いため、土踏まずがないのは当たり前のことで、8歳ごろで形成される足の裏のアーチができていないものをいいます。遺伝によるローアーチもありますが、生活の中で改善していけるものでもあります。スポーツ選手などでも土踏まずがなく、ローアーチに見える人もいますが、足の裏にも筋肉がついているのでそう見えるだけです。
 本当のローアーチは、立ち仕事を長時間する人に最もよくみられます。体重をかけていない時には土踏まずがある軟らかいローアーチと、体重をかけていない時にも土踏まずがない硬いローアーチがあり、多くの場合は前者です。前者では体重をかけて立ったり、歩いたりすると土踏まずがなくなります。
 ローアーチの障害としては、起立時や歩行時の足の痛みが主なものです。 ほかに、歩きにくい上に変な歩き癖がついてしまい、すぐに疲れやすいという難点があります。足の裏のアーチがないために、歩く際の足の一連の動きの中で地面をけり上げるという行為が足への負担となって、疲れやすくなるのです。
 歩き癖によって、膝(ひざ)が痛くなったり、腰痛や外反母趾(がいはんぼし)を招く場合もあります。足の裏のアーチがないために、足の裏全体の血管が圧迫されることになり、血流も悪くなります。結果的には、むくみや冷えなどの症状も出てきます。神経も立っている間中、圧迫されるために、痛みが出ることもあります。
 痛みがあって、歩行が困難な場合もあります。土踏まずの上にある舟状骨が出ている場合で、靴が土踏まずの部分に当たり、痛みが生じます。ひどい症状になると、骨が離れて出っ張った状態になって、激しい痛みが生じます。
[足]ローアーチの検査と診断と治療
 整形外科、ないし形成外科、足の外科の医師による診断では、外観上の変形から容易です。骨の状態を把握して重症度を判定するためには、X線(レントゲン)検査が必要で、通常、立って体重をかけた状態で撮影します。
 整形外科、ないし形成外科、足の外科の医師による治療は、もっぱら保存的に行われ、土踏まずの形をつけるように足底に装具を入れた治療靴を用いたり、足の筋肉の強化練習などが行われます。舟状骨が出ている場合には手術が必要になりますが、こうしたケースはごくまれです。
 乳幼児のローアーチを改善するには、靴下や靴を履かせずに、裸足(はだし)で砂場を歩かせて足の裏を刺激するという方法があります。子供、大人に限らずに、望ましいのは部屋の中では裸足でいることです。
 大人のローアーチを改善するのにも、足の裏を刺激することが最善の方法であり、痛みがあるからといって歩くのをためらっていてはいけません。靴の中敷きに、アーチサポートという、土踏まずが当たる部分の盛り上がっているものを使うと、歩行が楽になります。近年では、矯正するためのテーピングが内蔵された靴下も販売されています。
 歩く時は、足の指をしっかり使って歩くようにして、足の裏の筋肉を鍛え、血行促進を図ります。日ごろの生活の中で、意識してつま先立ちをするのもお勧めです。




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