■用語 超男性 [用語(た行)]
男性だけにみられる性染色体異常で、背が高く、言語発達の遅れがみられたりする疾患を有する人
超男性とは、染色体異常のうちの性染色体異常の疾患で、男性にだけ起こる先天的なスーパー男性症候群(XYY症候群)を有する人。スーパー男性、Y過剰男性とも呼ばれます。
染色体は、体を作るすべての細胞の内部にあり、2つに分かれる細胞分裂の一定の時期のみ、色素で染めると棒状の形で確認できます。染色体には、22対の常染色体と2対の性染色体とがあります。父親から22本の常染色体と1本の性染色体、母親から同じく22本の常染色体と1本の性染色体を受け継いで、全部で46対の染色体を持つことになります。
性染色体にはXとYという2つの種類があり、Xを2本持つ場合は女性に、XとYを1本ずつ持つ場合は男性になります。染色体は女性だと46XX、男性だと46XYということになります。
先天的なスーパー男性症候群を有する超男性の場合は、性染色体がXYYと1本多く、47XYYということになります。性染色体が3本ある異常で、性染色体トリソミーにも該当します。トリソミーとは、3本という意味です。
47XYYの完全型のほか、性染色体異常の細胞と通常の細胞が混在する47XYY/46XYのモザイク型もありますが、大半が完全型です。
超男性は、約1000人に1人の割合で生まれるといわれます。
正確な原因は不明ですが、減数分裂の際に2対の染色体が分裂し損なってYが1つ多い卵子もしくは精子を作り出す、もしくは減数分裂後の受精段階で、胎児の前身の胎芽の細胞分裂でYが1つ多くなることで起こるとされます。
超男性は身長が高くなるのが特徴といわれ、出生時の身長は平均的なので、思春期に急速に伸びると考えられます。これは、Y染色体にあって身長を高くするSHOX (身長伸長蛋白〔たんぱく〕質)遺伝子が二重に働き、身長伸長蛋白質が多く作られるためと考えられます。
知能指数がほかの家族よりやや低い傾向があり、軽い言語発達の遅れがみられたりします。軽度の行動障害、多動性、注意欠陥障害、および学習障害を来すこともあります。
男性ホルモンの一種であるテストステロンのレベルは、先天的にも後天的にも一般の男性と同じ値で、精子の造成機能にやや難があり精子の数が少ないものの、子供を作ることは可能です。
超男性のほとんどは、原則として知能と生殖能力は正常で、一般の人と変わりはありません。障害が全くないこともあり、本人も家族も気が付かないまま通常に学校を卒業し、通常に就職し、通常に結婚して、一生を通じて全く気が付かないこともあります。性染色体は1本多いトリソミーになっても不活性化し、症状が軽くなるためです。
一説によると、スーパー男性症候群を有する超男性は男性としての特徴が極端に出て、背が高くて、攻撃的、または活動的な性格になりやすく、この性格が良い方向に向かえば成功者になる確率が高くなる一方、悪い方に向かえば犯罪に結び付くこともあるとされています。この説に対しては、現在では否定的な意見が多いようです。
1960年代のアメリカでは、1966年にシカゴの看護婦寮に押し入り8人の女性を殺害した事件など、いくつかの殺人事件の犯人が47XYYの染色体構成を持つ男性だったという報告があり、注目を集めました。
このため、要注意の染色体異常であるというイメージが広まり、47XYY型の男性に対する偏見、差別が生まれました。しかし、現在では、検査ミスであったと判明し、スーパー男性症候群を有する超男性と犯罪との関連性は否定されています。
超男性のほとんどは、普通に日常生活を送っていますので、治療の必要はありません。
超男性とは、染色体異常のうちの性染色体異常の疾患で、男性にだけ起こる先天的なスーパー男性症候群(XYY症候群)を有する人。スーパー男性、Y過剰男性とも呼ばれます。
染色体は、体を作るすべての細胞の内部にあり、2つに分かれる細胞分裂の一定の時期のみ、色素で染めると棒状の形で確認できます。染色体には、22対の常染色体と2対の性染色体とがあります。父親から22本の常染色体と1本の性染色体、母親から同じく22本の常染色体と1本の性染色体を受け継いで、全部で46対の染色体を持つことになります。
性染色体にはXとYという2つの種類があり、Xを2本持つ場合は女性に、XとYを1本ずつ持つ場合は男性になります。染色体は女性だと46XX、男性だと46XYということになります。
先天的なスーパー男性症候群を有する超男性の場合は、性染色体がXYYと1本多く、47XYYということになります。性染色体が3本ある異常で、性染色体トリソミーにも該当します。トリソミーとは、3本という意味です。
47XYYの完全型のほか、性染色体異常の細胞と通常の細胞が混在する47XYY/46XYのモザイク型もありますが、大半が完全型です。
超男性は、約1000人に1人の割合で生まれるといわれます。
正確な原因は不明ですが、減数分裂の際に2対の染色体が分裂し損なってYが1つ多い卵子もしくは精子を作り出す、もしくは減数分裂後の受精段階で、胎児の前身の胎芽の細胞分裂でYが1つ多くなることで起こるとされます。
超男性は身長が高くなるのが特徴といわれ、出生時の身長は平均的なので、思春期に急速に伸びると考えられます。これは、Y染色体にあって身長を高くするSHOX (身長伸長蛋白〔たんぱく〕質)遺伝子が二重に働き、身長伸長蛋白質が多く作られるためと考えられます。
知能指数がほかの家族よりやや低い傾向があり、軽い言語発達の遅れがみられたりします。軽度の行動障害、多動性、注意欠陥障害、および学習障害を来すこともあります。
男性ホルモンの一種であるテストステロンのレベルは、先天的にも後天的にも一般の男性と同じ値で、精子の造成機能にやや難があり精子の数が少ないものの、子供を作ることは可能です。
超男性のほとんどは、原則として知能と生殖能力は正常で、一般の人と変わりはありません。障害が全くないこともあり、本人も家族も気が付かないまま通常に学校を卒業し、通常に就職し、通常に結婚して、一生を通じて全く気が付かないこともあります。性染色体は1本多いトリソミーになっても不活性化し、症状が軽くなるためです。
一説によると、スーパー男性症候群を有する超男性は男性としての特徴が極端に出て、背が高くて、攻撃的、または活動的な性格になりやすく、この性格が良い方向に向かえば成功者になる確率が高くなる一方、悪い方に向かえば犯罪に結び付くこともあるとされています。この説に対しては、現在では否定的な意見が多いようです。
1960年代のアメリカでは、1966年にシカゴの看護婦寮に押し入り8人の女性を殺害した事件など、いくつかの殺人事件の犯人が47XYYの染色体構成を持つ男性だったという報告があり、注目を集めました。
このため、要注意の染色体異常であるというイメージが広まり、47XYY型の男性に対する偏見、差別が生まれました。しかし、現在では、検査ミスであったと判明し、スーパー男性症候群を有する超男性と犯罪との関連性は否定されています。
超男性のほとんどは、普通に日常生活を送っていますので、治療の必要はありません。
■用語 中枢性尿崩症 [用語(た行)]
抗利尿ホルモンの分泌低下により、体内の水分が過剰に尿として排出される疾患
中枢性尿崩症とは、体内の水分が過剰に尿として排出される疾患。バソプレシン感受性尿崩症とも呼ばれます。
抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌量の低下で、体内への水分の再吸収が低下するために、多尿を呈します。抗利尿ホルモンは大脳の下部に位置する視床下部で合成され、神経連絡路を通って脳下垂体後葉に運ばれて貯蔵され、血液中に放出されます。この抗利尿ホルモンの分泌低下による尿崩症が、中枢性尿崩症です。
一方、抗利尿ホルモンの腎尿細管における作用障害に由来し、抗利尿ホルモンに腎臓が反応しなくなる尿崩症は、腎性(じんせい)尿崩症です。
中枢性尿崩症のうち、抗利尿ホルモンを産生する視床下部や脳下垂体後葉の機能が腫瘍(しゅよう)や炎症、外傷などで障害されたものが続発性尿崩症、このような原因のはっきりしないものを特発性尿崩症といいます。また、遺伝子異常が報告されている家族性尿崩症もあります。
続発性尿崩症の病因では、頭蓋咽頭(ずがいいんとう)腫などの腫瘍が多くみられます。下垂体後葉などに非特異性慢性炎症がみられる下垂体後葉炎が病因となっているものもあります。
症状はいずれの年代でも、徐々にあるいは突然、発症します。発症すると、脱水状態になるため、のどが渇いて過剰に飲水するといった症状が現れ、多尿を呈します。1日に排出される尿量は3~15リットルと、通常の2倍~10倍にもなります。ひどい時には、1日30リットル〜40リットルになることもあります。
薄い尿の大量排出は、特に夜間に著しくなります。水をたくさん飲むために、食べ物があまり取れず、体重は減少します。
続発性尿崩症では、口渇、多飲、多尿に加えて、原因となる疾患の症状を示します。腫瘍が原因の場合、腫瘍が拡大すれば頭痛、視野障害、視床下部・脳下垂体前葉機能低下症状などを示します。
脳下垂体前葉機能低下の程度が強く、高度の副腎皮質刺激ホルモンの分泌不全を伴うと、尿量は減少し、尿崩症の症状ははっきりしなくなります。この場合、副腎皮質ホルモンを補充すると多尿がはっきりしてきます。
一般に、口渇中枢は正常であるため、多尿に見合った飲水をしていれば脱水状態になることはありませんが、続発性尿崩症で口渇中枢も障害されている場合は重症の脱水を来すことがあります。
1日3リットル以上の著しい多尿や口渇、多飲などの症状がみられた際には、糖尿病や腎疾患、心因性多飲症とともに尿崩症である可能性があります。内科か内分泌科、頭部外傷や脳手術の既往歴がある人は脳外科か脳神経外科の専門医と相談して下さい。
中枢性尿崩症の検査と診断と治療
内科、内分泌科、脳外科、脳神経外科の医師による診断では、まず多飲、多尿を示す糖尿病、腎疾患を除外する必要があります。これらが除外された後、心因性多飲症などとの鑑別が必要になります。
心因性多飲症は、精神的原因で強迫的に多飲してしまう疾患です。血漿(けっしょう)浸透圧と血中の抗利尿ホルモンを測定して、鑑別診断に用います。鑑別が難しい場合、水制限試験を行います。水分摂取の制限を行っても、中枢性尿崩症では尿浸透圧が血漿浸透圧を超えることはありませんが、心因性多飲症では尿浸透圧が血漿浸透圧を超えて濃縮がみられます。
中枢性尿崩症では、下垂体後葉に抗利尿ホルモンの枯渇を反映する変化がみられます。また、続発性尿崩症の原因となる脳腫瘍などの疾患の検索にも有用です。
中枢性尿崩症と腎性尿崩症の区別は、利尿ホルモンの合成類似体であるバソプレシン剤の投与によって、尿が濃縮されるかで調べます。尿が濃縮されるのが中枢性であり、反応しないのが腎性です。
内科、内分泌科、脳外科、脳神経外科の医師による治療では、中枢性尿崩症には補充療法として、バソプレシン剤や、デスモプレシン剤を点鼻液、あるいはスプレーとして用います。1日2〜3回使用すると尿が濃縮され、尿量は普通並みに減少します。そのほか、注射製剤も使用できます。
意識がなくなったり、胃腸障害で水が飲めなくなった時には、速やかに点滴静脈注射をして水分を補給します。腫瘍が原因で続発性尿崩症が起こった時には、手術をして腫瘍を取り除きます。
中枢性尿崩症とは、体内の水分が過剰に尿として排出される疾患。バソプレシン感受性尿崩症とも呼ばれます。
抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌量の低下で、体内への水分の再吸収が低下するために、多尿を呈します。抗利尿ホルモンは大脳の下部に位置する視床下部で合成され、神経連絡路を通って脳下垂体後葉に運ばれて貯蔵され、血液中に放出されます。この抗利尿ホルモンの分泌低下による尿崩症が、中枢性尿崩症です。
一方、抗利尿ホルモンの腎尿細管における作用障害に由来し、抗利尿ホルモンに腎臓が反応しなくなる尿崩症は、腎性(じんせい)尿崩症です。
中枢性尿崩症のうち、抗利尿ホルモンを産生する視床下部や脳下垂体後葉の機能が腫瘍(しゅよう)や炎症、外傷などで障害されたものが続発性尿崩症、このような原因のはっきりしないものを特発性尿崩症といいます。また、遺伝子異常が報告されている家族性尿崩症もあります。
続発性尿崩症の病因では、頭蓋咽頭(ずがいいんとう)腫などの腫瘍が多くみられます。下垂体後葉などに非特異性慢性炎症がみられる下垂体後葉炎が病因となっているものもあります。
症状はいずれの年代でも、徐々にあるいは突然、発症します。発症すると、脱水状態になるため、のどが渇いて過剰に飲水するといった症状が現れ、多尿を呈します。1日に排出される尿量は3~15リットルと、通常の2倍~10倍にもなります。ひどい時には、1日30リットル〜40リットルになることもあります。
薄い尿の大量排出は、特に夜間に著しくなります。水をたくさん飲むために、食べ物があまり取れず、体重は減少します。
続発性尿崩症では、口渇、多飲、多尿に加えて、原因となる疾患の症状を示します。腫瘍が原因の場合、腫瘍が拡大すれば頭痛、視野障害、視床下部・脳下垂体前葉機能低下症状などを示します。
脳下垂体前葉機能低下の程度が強く、高度の副腎皮質刺激ホルモンの分泌不全を伴うと、尿量は減少し、尿崩症の症状ははっきりしなくなります。この場合、副腎皮質ホルモンを補充すると多尿がはっきりしてきます。
一般に、口渇中枢は正常であるため、多尿に見合った飲水をしていれば脱水状態になることはありませんが、続発性尿崩症で口渇中枢も障害されている場合は重症の脱水を来すことがあります。
1日3リットル以上の著しい多尿や口渇、多飲などの症状がみられた際には、糖尿病や腎疾患、心因性多飲症とともに尿崩症である可能性があります。内科か内分泌科、頭部外傷や脳手術の既往歴がある人は脳外科か脳神経外科の専門医と相談して下さい。
中枢性尿崩症の検査と診断と治療
内科、内分泌科、脳外科、脳神経外科の医師による診断では、まず多飲、多尿を示す糖尿病、腎疾患を除外する必要があります。これらが除外された後、心因性多飲症などとの鑑別が必要になります。
心因性多飲症は、精神的原因で強迫的に多飲してしまう疾患です。血漿(けっしょう)浸透圧と血中の抗利尿ホルモンを測定して、鑑別診断に用います。鑑別が難しい場合、水制限試験を行います。水分摂取の制限を行っても、中枢性尿崩症では尿浸透圧が血漿浸透圧を超えることはありませんが、心因性多飲症では尿浸透圧が血漿浸透圧を超えて濃縮がみられます。
中枢性尿崩症では、下垂体後葉に抗利尿ホルモンの枯渇を反映する変化がみられます。また、続発性尿崩症の原因となる脳腫瘍などの疾患の検索にも有用です。
中枢性尿崩症と腎性尿崩症の区別は、利尿ホルモンの合成類似体であるバソプレシン剤の投与によって、尿が濃縮されるかで調べます。尿が濃縮されるのが中枢性であり、反応しないのが腎性です。
内科、内分泌科、脳外科、脳神経外科の医師による治療では、中枢性尿崩症には補充療法として、バソプレシン剤や、デスモプレシン剤を点鼻液、あるいはスプレーとして用います。1日2〜3回使用すると尿が濃縮され、尿量は普通並みに減少します。そのほか、注射製剤も使用できます。
意識がなくなったり、胃腸障害で水が飲めなくなった時には、速やかに点滴静脈注射をして水分を補給します。腫瘍が原因で続発性尿崩症が起こった時には、手術をして腫瘍を取り除きます。
■用語 多睾丸症 [用語(た行)]
男性の睾丸が3個以上存在する先天性奇形
多睾丸(たこうがん)症とは、男性の下腹部に睾丸が3個以上存在する状態の先天性異常。睾丸過剰症、多精巣症、精巣過剰症とも呼ばれます。
泌尿器系と生殖器系には、その胎生期の複雑な発生過程のために多くの先天性異常が生じやすく、男性の生殖器官である睾丸、すなわち精巣についても数、形態、位置などの異常が知られています。多睾丸症も、比較的まれにみられる先天性異常です。
睾丸は本来、陰嚢(いんのう)内に左右各1個あって卵形をしており、男性ホルモンおよび精子を産生していますが、多睾丸症では真ん中にある陰嚢縫線で区切られた左右の陰嚢内に、余剰な睾丸を含めて2個の睾丸が重複して存在します。左の陰嚢内に2個存在することが多く、右の陰嚢内に2個存在することもありますが、左右両側の陰嚢内に2個存在することはまれです。
余剰な睾丸はほとんどが陰囊内に存在しますが、睾丸の下降が不十分で陰嚢内に位置せずに途中でとどまっている停留睾丸(停留精巣)などに合併して、脚の付け根の鼠径(そけい)部に存在することもあります。
余剰な睾丸が発生する理由として、胎生6週で構成される生殖隆起(生殖堤)の分割過程での異常、生殖隆起の重複、胎生5週で構成される胎芽期の腎臓(じんぞう)に相当する中腎の部分的な退化の3つが考えられています。
多精巣症は、睾丸(精巣)、精液の通り路である精管(輸精管)、睾丸の上面および後面に付着している副睾丸(精巣上体)の関係から6型に分類されています。
第1型は、睾丸、精管、副睾丸を重複するもの。第2型は、重複する一方が睾丸、副睾丸のみで精管を有しないもの。第3型は、重複する一方が睾丸、精管のみで副睾丸を有しないもの。第4型は、重複する一方が睾丸のみで副睾丸、精管を有しないもの。第5型は、重複する睾丸に副睾丸が付着し、これに続く1本の精管を共有するもの。第6型は、重複する睾丸、副睾丸が1本の精管で連結されているもの。このうち、第5型が最も多いとされています。
多睾丸症には、停留睾丸のほか、鼠径ヘルニア、陰囊水腫(すいしゅ)、精索水腫、精巣捻転(ねんてん)、睾丸(精巣)腫瘍(しゅよう)、奇形腫、胎児性がんなどを合併することがあります。
多精巣症を発見された年齢は、2歳から49歳と幅広いものの、平均年齢は20歳で若年者に多くなっています。幼少時は、停留睾丸、鼠径ヘルニアなどほかの疾患の治療時に発見されることが多く、幼少時以降では無痛性陰囊内腫瘤(しゅりゅう)を主訴として受診した際に、診断されることが多くなっています。
多睾丸症の検査と診断と治療
泌尿器科の医師による診断では、まず陰嚢の触診による腫瘤の触知を図ります。超音波(エコー)検査を行うと、睾丸と等信号の像が得られ、陰囊水腫、精索水腫との鑑別が可能となります。悪性腫瘍の可能性もあるため、 CT(コンピュータ断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査などを行い、骨盤内病変の有無を調べることもあります。
最終的には、余剰な睾丸に針を刺して組織を採取し、その組織を顕微鏡で見て検査を行う生検も含め、手術で摘除した組織の病理組織診によって、確定します。
鑑別すべき疾患としては、悪性腫瘍のほか、睾丸腫瘍、副睾丸腫瘍、精液瘤などがあります。
泌尿器科の医師による治療では、ほとんどの場合は診断も兼ねて、余剰な睾丸を手術で摘除します。余剰な睾丸が小さい場合はもちろん、特に、陰囊外の鼠径部に存在する余剰な睾丸は、がん化の危険を考慮し手術で摘除するべきと考えられています。
また、陰囊内にあり妊孕(にんよう)性を期待できるものに関しても、生検で悪性・異型性を認めるもの、解剖学的には精路を認めても造精能を欠くもの、超音波検査で悪性所見を認めるもの、あるいは本人に余剰な睾丸の摘除の希望がある時、定期的な経過観察が望めない時は、手術で摘除するのが一般的です。
生検で余剰な睾丸が睾丸実質であり、悪性腫瘍でないことを確認した後に温存した場合は、慎重を期した定期的な診察と超音波検査が必要になります。
タグ:多睾丸症 用語 用語(た行) 用語(た) 健康創造塾 翼状陰茎 埋没陰茎 短小陰茎 精巣過剰症 睾丸過剰症 先天性陰茎湾曲症 後天性陰茎湾曲症 ミクロペニス 矮小陰茎 二陰茎体 陰茎重複症 無陰茎症 陰茎欠損症 精巣捻転症(精索捻転症) 精巣上体炎(副睾丸炎) 慢性精巣上体炎(慢性副睾丸炎) 急性精巣上体炎(急性副睾丸炎) 精巣炎(睾丸炎) 血精液症 陰茎がん 精巣腫瘍(睾丸腫瘍) 亀頭包皮炎 早漏 セックス依存症(性依存症) 性器ヘルペス症 勃起障害(ED) 単純性疱疹(単純性ヘルペス) いんきんたむし(股部白癬) 性感染症(STD) クラミジア感染症 精索静脈瘤 前立腺肥大症 軟性下疳 前立腺がん 前立腺炎 停留精巣 尿道下裂 半陰陽 包茎手術 インポテンツ 包茎 性病 性交不能症
■用語 短小陰茎 [用語(た行)]
男性の陰茎が年齢相応の平均サイズよりも小さな状態
短小陰茎とは、男性の陰茎が年齢相応の平均サイズよりも小さな状態。
医学的に疾患と認められているものではなく、個人差の範囲にすぎない状態を指している場合も多く認められます。医学的に疾患と認められている状態には、矮小(わいしょう)陰茎があります。
矮小陰茎のほうは、男性の陰茎が基準サイズよりも大幅に小さい状態にあり、生殖や性行為に支障を来す性機能疾患として認められている疾患の一つです。
陰茎の形態は正常であるものの、陰茎の大きさが平常時はもちろん、勃起(ぼっき)時でも一定の基準サイズよりも小さく、成人男性で勃起時の長さが5センチ以下のものが、矮小陰茎と定義されています。勃起時でも長さ太さともに5ミリに達せず、陰嚢(いんのう)に埋没して、外見上は生まれ付き陰茎を所有しない陰茎欠損症に見える極端な例もあります。
性腺(せいせん)からのホルモンの分泌不足によって起こる性腺機能低下症が、原因と考えられています。また、全身的な症候群の一症状として、矮小陰茎がみられることもあります。
短小陰茎のほうは、生殖や性行為に支障を来すことがなければ、特に疾患として扱う必要性はありませんが、コンプレックスなどの心理的障害のベースになる可能性もあります。短小陰茎に関連した精神的トラウマが、心因性(機能性)勃起障害(ED )の原因になることもあります。
現在、日本男性の3人から5人に1人の割合で、短小陰茎の悩みを抱えているといわれています。矮小陰茎のように極端に陰茎が小さい状態ではないため、中には、客観的には平均サイズなのに主観的に小さいと思い込み、悩んでいる人も少なくないと見なされます。
短小陰茎の明確な基準サイズというものは存在していませんが、一般的に最も多く基準サイズとして扱われるのは、日本人男性の平均サイズです。
陰茎の勃起時の長さの平均は、12センチから15センチといわれています。ただし、多少の幅があり、12センチから13センチが最も多いようで、15センチとなるとかなり大きめのサイズになると思われます。
12センチから15センチの半分の6センチから7センチ以下であれば、明らかな短小陰茎とみなしていいのかもしれません。
ちなみに、平常時の場合は、8センチ前後が平均サイズといわれています。こちらは暖かい時、寒い時で、勃起時以上にかなりの差があります。
では、日本人男性の平均サイズを下回ると、性行為に際してパートナーの女性を満足させられないのかというと、そうともいい切れません。平均サイズを下回っている場合でも、女性側の体のサイズに合ってさえいれば、性行為には問題はないことになります。
女性の膣(ちつ)の長さにも個人差がありますが、最奥部まではおよそ7センチから10センチとされています。つまり、陰茎の勃起時の長さが10センチあれば、支障はないことになります。
短小陰茎の治療
泌尿器科、形成外科、美容整形外科などの医師による治療では、陰茎のサイズを増大し、短小を改善する形成手術を行うのが一般的です。
形成手術には、長茎手術、脂肪吸引手術、亀頭増大手術、陰茎増大手術などがあります。
長茎手術では、下腹部に埋まっている陰茎の部分を引っ張り出して、陰茎と恥骨の結合部にある陰茎堤靭帯(じんたい)を補強、固定します。効果には個人差がありますが、手術後は陰茎が下腹部に埋まり込むことがなくなり、平常時で2センチから5センチくらい長くなります。場合によっては、7センチ以上長くなることもあります。勃起時では、約1センチの伸長効果が期待できます。
脂肪吸引手術では、太ももの付け根を小さく切開し、吸引管を使って恥骨周囲の皮下脂肪を吸引することで、脂肪の中に埋もれていた陰茎を長く見せます。特に余分な皮下脂肪が付いた肥満の人に、有効な方法となっています。
亀頭増大手術では、高分子ヒアルロン酸を注射で亀頭全体の皮下、あるいは亀頭の一番広がり、くびれた部分であるカリ首(亀頭冠)の皮下に注入します。短小や先細りの人に、有効な方法となっています。亀頭を大きく、硬くすることにより、亀頭に包皮がかぶりにくくなるため、軽度の包茎を治すことができることもあります。
陰茎増大手術では、高分子ヒアルロン酸やコラーゲン、自己脂肪を注射で陰茎の皮下に注入することで、陰茎を太くします。通常時、勃起時ともに、太くなります。また、注入物により陰茎が重くなりますので、寒い時や緊張した時などに陰茎が縮こまりにくくなります。注入物の層が陰茎への刺激を和らげ、早漏の予防になることもあります。
タグ:短小陰茎 用語 用語(た行) 用語(た) 健康創造塾 先天性陰茎湾曲症 翼状陰茎 埋没陰茎 多睾丸症 精巣過剰症 睾丸過剰症 後天性陰茎湾曲症 ミクロペニス 矮小陰茎 二陰茎体 陰茎重複症 無陰茎症 陰茎欠損症 陰茎折症 陰茎湾曲症 ペロニー病(陰茎形成硬結症) 亀頭包皮炎 カンジダ性亀頭包皮炎 持続勃起症 ウイルス性いぼ ムンプス精巣炎 性器クラミジア感染症 逆行性射精 遊走精巣 移動性精巣 アンドロゲン不応症 男性仮性半陰陽 真性半陰陽 仮性半陰陽 真性女性化乳房 男性乳がん 遺伝性女性化乳房症 続発性女性化乳房症 女性化乳房症 陰茎腫瘍 乏精子症 性交不能症 精巣性女性化症候群 性腺機能低下症 副腎性器症候群 無精子症 前立腺結石 尖圭コンジローム 遺精 陰嚢水腫(陰嚢水瘤) 精液瘤(精液嚢腫) 精巣捻転症(精索捻転症)