￭用語 ニトロソアミン

強力な発がん性がある物質で、胃がんの重要な危険因子
　ニトロソアミンとは、分子内にニトロソアミンを持つ物質の総称で、強力な発がん性があり、胃がんの重要な危険因子。
　例えば、それぞれ単独では問題とならない２つの物質、亜硝酸とアミン類が酸性条件下で化学反応すると、ニトロソアミンが生成されます。亜硝酸は、ハムやソーセージなどの発色剤を使用している食肉製品、野菜の漬け物、塩辛い干物に多く含まれます。アミン類は、肉や魚、魚卵に多く含まれます。
　これら亜硝酸とアミン類が多く含まれる食品を摂取すると、酸性である胃の中で反応して、ニトロソアミンが生成されることになります。そのため、日本では北陸や東北の日本海側など古くから漬け物や塩干魚などの食文化のある地域に、胃がんが多い原因となっていると考えられています。また、ニトロソアミンは、たばこにも含まれています。
　なお、ビタミンＣやビタミンＥなどの還元性の化合物を同時に摂取すれば、胃の中でのニトロソアミンの生成が阻害されます。例えば、ビタミンＣやビタミンＥは緑茶に多く含まれるので、食事とともに緑茶を飲むと胃がんの抑止作用が見込めるわけです。

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