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■性同一性障害の夫妻への精子提供容認へ 産科婦人科学会 [健康ダイジェスト]

 日本産科婦人科学会は26日、性同一性障害のため戸籍上の性別を女性から変更した男性の夫妻に対し、他人から精子の提供を受ける人工授精(AID)を認める方針を決めました。
 法務省が生まれた子供を嫡出子として認めていないため、実施の可否を検討していました。これを受け、人工授精を中断していた病院は再開します。
 同学会の見解(規則)では、人工授精の実施は法律上の夫婦が対象。2007年には、心と体の性が一致しない性同一性障害で性別を変更した男性でも、法的に夫妻になっている場合なら実施は構わないという方針を出しました。
 ところが、こうして生まれた子供は戸籍では父親が以前は女性とわかるため、「子供と遺伝的な父子関係にないのは明らか」として、法務省が嫡出子と認めないことが昨年、社会的な関心を集めました。
 同学会内でも、「嫡出子と認められないのに人工授精を実施するのは、子の福祉にかなわないのでは」という意見が起き、実施数が国内で最も多い慶応義塾大病院などは人工授精を中断しました。
 一方で、実施の希望は続き、学会も対応のため法務省に問い合わせました。その結果、嫡出子として届けることや、夫が認知する「認知準正」手続きで嫡出子になることはできない、嫡出子と近い扱いになる「特別養子縁組」の可否は家庭裁判所が個別に判断する、との回答を得ました。
 法務省の回答も踏まえ、同学会は子が嫡出子になれない点を十分に説明した上で、それでも希望する夫婦には人工授精を実施して構わないという方針を決めました。同学会理事長の吉村泰典慶応義塾大教授は、「人工授精の実施に対して慎重にならざるを得ないものの、実施の拒否もできない」と話しています。
 性同一性障害とは、心と体の性別が一致せず、社会的、精神的に苦しむ状態。認定には2人以上の専門医の診断がいります。2004年施行、08年改正の性同一性障害特例法で、性別適合手術を受け、未成年の子供がいないなどの条件を満たせば、戸籍の性別を変える家事審判を受けられます。

 2011年2月27日(日)

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