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■iPS細胞、より安全な移植へ 産総研などが腫瘍化防ぐ薬を開発 [健康ダイジェスト]

 産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と和光純薬工業(大阪市)の研究チームは、目的の細胞に育たずに腫瘍になる恐れのあるヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を取り除く薬を開発したと発表しました。
 培養液にたらすと不完全なiPS細胞がほぼ死滅し、大量に培養したiPS細胞も選別できるといいます。
 あらゆる細胞に変化し、再生医療に役立つと期待されるiPS細胞は、目的の細胞を作製する際、元のiPS細胞が一部残ることがあります。不完全なiPS細胞が混ざったまま移植すると、それらが無秩序に増殖して腫瘍になる恐れがあるため、取り除く技術が求められていました。薬の開発は、再生医療の安全性を高めると期待できます。
 研究チームは、ヒトのiPS細胞の表面にある糖鎖に着目。この糖鎖と結合するレクチンというタンパク質に、細胞死を引き起こす緑膿菌の毒素を組み合わせた薬を開発しました。細胞を培養する際、培養液に薬を加えると、他の細胞に影響を与えることなく、約24時間で元のiPS細胞をほぼ完全に死滅させることができたといいます。
 研究チームは、別の万能細胞であるES細胞(胚性幹細胞)でも同じ効果を確かめたとしています。
 医療現場での実用化を視野に、和光純薬が今月半ばからサンプルの配布を始め、7月から薬を発売する予定。
 産総研の舘野浩章主任研究員は、「再生医療に使う移植用細胞の純度を高めるために役立つ。まずは試薬として活用し、将来は移植で使えるように研究を進めたい」と話しています。
 この研究成果は10日、アメリカの科学誌のオンライン版にも掲載されました。

 2015年4月11日(土)

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