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■ゲノム編集食品、厚労省が初承認 血圧上昇を抑えるトマト流通へ [健康ダイジェスト]

 遺伝子を効率よく改変するゲノム編集技術を使って開発したトマトが、国内初の「ゲノム編集食品」として流通する見通しとなりました。
 厚生労働省は11日、専門家会議を開き、筑波大学と同大発スタートアップ、サナテックシード(東京都港区)のゲノム編集トマトについて、食品としての安全性は従来の品種改良の技術で作った作物と変わらないと判断しました。同社は同日、販売・流通を厚労省に届け出ました。
 開発したトマトは、人の血圧上昇を抑える働きがある物質「GABA(ギャバ)」を豊富に含みます。ゲノム編集技術でGABAの量を制限する遺伝子の一部を壊して、含有量を増やしました。
 ゲノム編集技術は、特定の遺伝子を壊すことができます。作物がもともと持つ遺伝子を改変するので安全性が高いとされ、味や栄養などを高めた品種が短期間に作り出せる利点があります。厚労省は2019年10月、遺伝子を壊したゲノム編集食品は従来の品種改良と差がないと判断し、事業者が届け出る制度を新設しました。 
 ゲノム編集では、外部から別の遺伝子を導入することも可能です。この場合は従来の「遺伝子組み換え食品」と同じ扱いで、食品衛生法上の安全性の審査が必要になります。
 11日の専門家会議では、サナテックシードが提出したデータをもとに、開発した食品が制度の対象になるかを審査。販売・流通を届け出て認められても、供給体制などを整えるため、市場に流通するには時間がかかるとみられます。 
 ゲノム編集食品は海外ではすでに開発、流通済みで、日本でも収穫量が多くなるように品種改良したイネや肉付きのよいタイなどが開発されています。2020年のノーベル化学賞は、狙った遺伝子を非常に高い精度で操作するゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」を開発した研究者2人が受賞しました。

 2020年12月11日(金)

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