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■難消化性でんぷんが豊富で、血糖値上昇を抑える新しい米を開発 秋田県立大 [健康ダイジェスト]

 食後血糖値の上昇抑制や腸内環境の改善に効果がある難消化性でんぷん(RS)が豊富な新しい米「まんぷくすらり」を、秋田県立大の藤田直子教授らの研究チームが開発しました。主力品種「あきたこまち」と比べて、難消化性でんぷんの量が10倍ほど多いという特徴があります。
 秋の収穫分から、同大発ベンチャーの株式会社スターチテックが販売を始めるといいます。
 難消化性でんぷんは食物繊維と似た働きをして、体内の酵素であまり消化されないまま大腸に達するでんぷんで、食べた時に低カロリーとなり、大腸環境を改善すると考えられています。
 イネなどの植物は、でんぷんの生合成に働く複数の酵素の遺伝子を持っています。研究チームは、そのうち2つの遺伝子(SSⅢaとBEⅡb)が欠けたイネの系統で難消化性でんぷんが多くなることを示し、人が食べた場合、標準品種「日本晴(にっぽんばれ)」より血糖値の上昇が抑えられることを確かめました。
 さらに、この系統を多収品種の「秋田63号」と掛け合わせ、栽培しやすくしました。昨年品種登録出願し、「まんぷくすらり」として今年4月に公表しました。高難消化性でんぷんの米はこれまでにもあったものの、「東日本で収穫できるものは初めて」と藤田教授は話しています。
 ただ、食味は「あきたこまち」などより劣ります。需要の確保にはレシピや商品の開発が欠かせないため、加工食品への利用を見込み、みそや秋田名物「きりたんぽ」、ダイエットおこわ、米菓などの高難消化性でんぷん商品をメーカーと協力して試験製造しました。
 難消化性でんぷんを豊富に含む食品として、糖尿病患者など食事に注意が必要な人々からの需要を期待します。

 2020年12月11日(金)

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