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■iPS細胞で心臓病治療、経過順調 大阪大の治験、3人に実施 [健康ダイジェスト]

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から心臓の筋肉の細胞を作り出し、シート状にして重い心臓病の患者の心臓に移植する研究を進めている大阪大学の研究チームは、これまでに3人の患者に手術を実施したことを明らかにしました。患者の経過はいずれも順調だということで、今後の安全性や効果の検証が注目されます。
 これは25日、大阪大学大学院医学系研究科の澤芳樹教授(心臓血管外科)らの研究チームが大阪府吹田市の大阪大学で記者会見を開いて明らかにしました。
 研究チームはiPS細胞から作り出した心臓の筋肉の細胞をシート状にした心筋細胞シートを開発し、重い心臓病の患者の心臓に直接張り付けて機能を回復させる治療法の研究を進めています。
 澤教授によりますと、今年1月に初の手術を行い、9月に2例目、11月に3例目をそれぞれ実施。手術を受けたのは、血管が詰まって心臓の筋肉に血液が届きにくくなる虚血性心筋症という重い心臓の病気の患者3人。研究チームは性別や年齢を明らかにしていないものの、いずれもすでに退院しています。
 治験では、京都大学が作製し備蓄している他人のiPS細胞を使用。心筋細胞に分化させ、直径4~5センチ、厚さ0・1ミリほどの膜状にした心筋細胞シート3枚を心臓の表面に張り付けて移植しました
 研究チームによりますと、手術は保険が適用される一般的な治療法にすることを目指し、国の承認を得るための治験として行われたということです。
 来年6月に行われる第三者の評価委員会で治療の有効性が確認されれば、さらに7人に手術を実施する計画だということで、iPS細胞を使った心臓の再生医療の実用化に向けて、今後の安全性や効果の検証が注目されます。
 澤教授は、「ここまで順調に経過しているのでほっとしている気持ちもあるが、次のステップに向けて細かい点の修正を加えながら、最適な治験を行っていきたい。私たちの目標はiPS細胞を使って世界中の心臓病の患者を治すことなので、その目標を達成するためにいかなる努力も惜しまない」と話しています。

 2020年12月27日(日)

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