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■アストラゼネカのワクチン、接種1回でも3カ月後の有効性76% 高齢者への接種を控える勧告、ヨーロッパで相次ぐ [健康ダイジェスト]

 イギリスのオックスフォード大学は、製薬大手のアストラゼネカと共同開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、1回目の接種の3カ月後でも有効性は76%で、一定期間は効果が続くとする研究結果を発表しました。
 イギリス政府は、1回でも接種する人を増やすために2回目までの間隔を最大3カ月に延ばすことにしており、研究チームはこの方針を支持する結果だとしています。
 オックスフォード大学は、昨年12月までにイギリスやブラジル、南アフリカで約1万7000人を対象に行ったこのワクチンの追加の臨床試験の結果を2日、発表しました。
 このワクチンは通常2回接種ですが、発表によりますと、1回目の接種後22~90日の間に、新型コロナに感染して症状が出た人の数をみると、ワクチンを接種した集団では17人だったのに対し、偽薬(プラセボ)を接種した集団では71人でした。有効性は76%で、この間、有効性の低下はみられなかったということです。
 また、2回目の接種までの間隔を変えたところ、6週間以内に2回目を接種した場合の有効性は54・9%だったのに対し、12週間以上空けて2回目を接種した場合の有効性は82・4%に高まったとしています。
 イギリス政府は1回でも接種する人を増やすため、2回目までの間隔を最大3カ月まで延ばすことにしています。
 今回の結果について、オックスフォード大学の研究チームは「1回の接種でも一定の期間、高い有効性が維持されることがわかった。接種の間隔を最大3カ月とするイギリスの専門家委員会の方針を支持する結果となった」としています。
 これとは別のワクチンで、接種の間隔を3週間としているアメリカの製薬大手ファイザーは、イギリス政府の方針について「臨床試験では1回目の接種後にどれだけの有効性があるか十分示されていない」として、間隔を変えて接種することは推奨しないとしています。
 一方、ヨーロッパでは、イギリスの製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発した新型コロナウイルスのワクチンを巡り、65歳以上の高齢者に対する有効性のデータが不足しているとして、当面、高齢者への接種を控えるよう求める勧告が相次いでいます。
 1月29日、ヨーロッパ連合(EU)の当局が、55歳以上のデータが不十分としながらも、18歳以上の使用を条件にワクチンの販売の許可を出しました。
 これを受けて、EUの加盟国ではそれぞれの専門機関などがワクチンの接種に関する勧告を政府に出しており、このうちフランスでは2日、医薬品などの評価を行う機関のトップが記者会見し、「65歳以上の被験者についてのデータが不足している。当面は、65歳未満に使用するよう勧告する」と述べました。
 高齢者に対する有効性のデータは今後、数週間のうちに得られるとしていて、その段階で改めて評価を行うとしています。
 フランス政府は、今回の勧告に沿って65歳以上の高齢者への接種は控えるものとみられます。
 また、スウェーデンでも2日、同様の勧告が出たほか、ドイツ政府は専門家による委員会の勧告を受けて65歳以上の高齢者への接種を控える方針を示しています。
 一方で、イギリスではアストラゼネカのワクチンの接種が高齢者にも行われているほか、イタリアでも政府の専門家委員会が高齢者にも接種をすべきだと結論付けるなど対応が分かれています。

 2021年2月4日(木)

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