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■変異ウイルス「N501Y」、首都圏でも5月初めには80%超か 国立感染症研究所が分析 [健康ダイジェスト]

 感染力が強い変異した新型コロナウイルスは、関西ではすでに全体の80%を占めていて、東京都など首都圏の1都3県でも5月初めには全体の80%以上が従来のウイルスから置き換わるとする推定の結果を国立感染症研究所がまとめました。
 イギリスで最初に確認された「N501Y」という変異のあるウイルスは、国立感染症研究所の分析で、感染の広がりやすさを示す「実効再生産数」が従来のウイルスより平均で1・32倍高く、従来のウイルスから急速に置き換わっているとみられています。
 国立感染症研究所が変異ウイルスを調べる検査の結果などをもとに、新たに示した4月13日時点での推定では、大阪府と兵庫県、京都府の2府1県では今年2月から変異ウイルスが急増し始め、3月中には半数以上が変異ウイルスに置き換わったとみられています。
 その後、4月初めの時点では全体の約75%、現時点ではすでに80%を占めていると推定され、この状況が続くと5月中にはほぼすべてが変異ウイルスに置き換わるとみられています。
 また、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県では、3月中旬以降、このタイプの変異ウイルスが増え始め、4月初めの時点では約10%でしたが、急速に増えつつあり、この状況が続くと5月初めには80%から90%が変異ウイルスに置き換わると推定しています。
 また、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県の4県や、沖縄県でも、5月初めには大半が変異ウイルスになると推定しています。
 イギリスでは昨年10月以降、同じタイプの変異ウイルスが急増し、今年2月から3月ごろにはほぼすべてが置き換わったとみられており、日本国内でも同様のことが起きる恐れがあります。
 国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は、「このままのペースでいけば、国内でも5月前半には大半がN501Yの変異があるウイルスになると推測される。ただ、人の流れの変化など対策の効果は考慮していないので、対策によっては今後データが変わってくる可能性はある」と話しています。
 「N501Y」という変異は、イギリス型ウイルスのほか、南アフリカ型ウイルス、ブラジル型ウイルスにもあります。「N501Y」変異は、ウイルスのタンパク質の501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変わり、スパイクタンパク質が人の細胞と結合しやすくなったとされます。
 南アフリカ型ウイルスとブラジル型ウイルスは、484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に変化した「E484K」変異を併せ持っています。この変異は、ワクチンの有効率を減少させる可能性があります。
 新型コロナウイルスは人の細胞に入り込み、遺伝物質のRNAをコピーさせて増殖する際、一定の割合でコピーミスを起こし、このミスによる変化で、変異ウイルスは生まれます。
 昨年1月、日本国内で初めて感染が確認されたのは、中国・武漢系統のウイルスでした。武漢系統のウイルスは消滅したものの、昨年3月ごろに始まった「第1波」はヨーロッパから流入したウイルスが引き起こしました。そして現在、ヨーロッパ系統のウイルスが、N501Yの変異ウイルスに置き換わりつつあります。

 2021年4月15日(木)




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