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■「サル痘」11カ国で約80人の患者確認 WHOが警戒呼び掛け [健康ダイジェスト]

 天然痘に似た症状の感染症「サル痘」の患者の報告が欧米を中心に相次ぐ中、世界保健機関(WHO)はこれまでに11カ国から約80人の患者が報告されたことを明らかにし、「今後、さらに多くの患者が報告される可能性がある」として、各国に警戒を呼び掛けました。
 「サル痘」は、主にアフリカでみられるウイルス性の感染症ですが、5月に入ってイギリスやアメリカなど、欧米を中心に患者の報告が相次いでいます。
 20日には、イギリスの保健当局が11人の患者を追加で確認したと発表したほか、新たにドイツやオランダでも患者が確認されました。
 WHOは声明を発表し、「今後、調査が進むに従い、さらに多くの患者が報告される可能性がある」との見方を示し、各国と連携して患者の治療や感染拡大の防止に当たるとしています。
 また、WHOヨーロッパ地域事務局は、「大勢の人が集まるイベントやパーティーが開催される夏を前に、感染の拡大が懸念される」とした上で、これまでに確認された患者は、ほとんどが軽症にとどまっているものの、幼児や妊婦などは重症化することがあるとして、警戒を呼び掛けました。
 国立感染症研究所によりますと、「サル痘」は1958年にポリオワクチン製造のために世界各国から霊長類が集められた施設にいたカニクイザルで最初に発見されたため、「サル痘」という名前が付けられました。
 WHOによりますと、人での「サル痘」の潜伏期間はおおむね6日から13日で、その後、顔や体に特徴的な発疹が出るほか、発熱やのどの痛み、リンパ節がはれるなどの症状が出るということです。
 過去にアフリカで感染が起きた際には、致死率は数%から10%程度に上ったと報告されています。
 「サル痘ウイルス」は、ネズミやリスなど感染した動物にかまれたり、血液や体液、発疹に触れたりすることで感染することがあるほか、感染した人の発疹や体液に触れたり、飛まつを浴びたりすることで、人から人に感染する可能性があるということです。
 ただ、WHOは、人から人への感染は密接な接触によるもので、比較的限られているとしています。
 1958年に「サル痘」が初めて報告された当時は、人の感染例は報告されていませんでしたが、1970年に今のコンゴ民主共和国で、人への感染が初めて確認されました。その後、中央アフリカや西アフリカの熱帯雨林地域で散発的に感染が広がっているとしています。
 また、2003年にはアフリカからペットとして輸入された小動物を通じてアメリカにウイルスが持ち込まれた後、合わせて71人が感染しましたが、亡くなった人はいなかったということです。
 アメリカの疾病対策センター(CDC)によりますと、この時はアフリカからペットを通じて持ち込まれた「サル痘ウイルス」がプレーリードックに感染しました。感染した人はプレーリードックと接触があったとしています。
 国立感染症研究所によりますと、「サル痘ウイルス」には大きくコンゴ型と西アフリカ型があり、コンゴ型は病原性が高いということです。
 また、2003年のアメリカでのケースは、西アフリカ型の「サル痘ウイルス」によることが明らかになっているということです。
 「サル痘」には特異的な治療法はなく対症療法で対応されていますが、1980年に根絶された天然痘に対するワクチンが、「サル痘」にも高い予防効果があるとされています。

 2022年5月22日(日)




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