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■ノババックスのコロナワクチン、副反応の頻度はファイザーやモデルナより若干低い傾向 [健康ダイジェスト]

 国内で使える4種類目の新型コロナウイルスワクチンとなったノババックスのワクチンは、国内で多く接種されているファイザーやモデルナのワクチンよりも副反応が出る頻度が低いとされています。
 ファイザーやモデルナのワクチンは、遺伝情報を伝達する物質「mRNA(メッセンジャーRNA)」を投与することで体内で新型コロナウイルスのスパイクタンパク質が作られウイルスに対する抗体ができる仕組みですが、ノババックスのワクチンでは、人工的に作ったスパイクタンパク質そのものを投与することで免疫の反応を引き起こします。
 各社のワクチンの添付文書などによりますと、海外の臨床試験で見られた主な副反応の割合は、ファイザーでは16歳以上で、接種した部位に痛みが出た人は1回目の接種後は77・8%、2回目の接種後は72・6%、けん怠感が1回目の接種後は41・5%、2回目の接種後は55・5%、38度以上の発熱が1回目の接種後は2・7%、2回目の接種後は13・6%。
 モデルナでは18歳以上で、接種した部位に痛みが出た人は1回目の接種後は83・7%、2回目の接種後は88・2%、けん怠感が1回目の接種後は37・2%、2回目の接種後は65・3%、38度以上の発熱が1回目の接種後は0・8%、2回目の接種後は15・5%などとなっています。
 ワクチンの副反応に関する厚生労働省の研究班の資料によりますと、日本国内で接種を受けた人で38度以上の発熱が出たのは、ファイザーでは1回目の接種後は0・9%、2回目の接種後は21・3%。モデルナでは1回目の接種後は2・3%、2回目の接種後は60・1%と海外で行われた臨床試験より高い割合となっています。
 これに対し、ノババックスでは18歳以上で、接種した部位に痛みが出た人は1回目の接種後は34・4%、2回目の接種後は59・7%、けん怠感が1回目の接種後は25・6%、2回目の接種後は49・5%、38度以上の発熱が1回目の接種後は0・4%、2回目の接種後は5・7%などと頻度が低くなっているほか、この臨床試験を報告した論文では、まれな副反応である心筋炎の増加は確認されなかったとしています。
 ワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授によりますと、ファイザーやモデルナのワクチンでは、体内に投与されるmRNAそのものやmRNAをくるんでいる脂質の成分によって副反応が現れる一方、ノババックスのワクチンでは免疫反応を強める「アジュバント」という物質によって炎症が引き起こされて副反応が現れるということで、この仕組みの違いが副反応の頻度の違いにもつながっているということです。
 臨床試験で示された有効性について各社の添付文書によりますと、2回の接種の後、発症を予防する効果は、ファイザーが従来のウイルスに対して95・0%、モデルナが従来のウイルスに対して94・1%で、ノババックスが、アルファ型やベータ型などが多く見られた時期で90・4%だったとしています。
 ただ、オミクロン型に対する効果は、どのワクチンでも下がるとみられています。
 ファイザーやモデルナのワクチンでオミクロン型に対する発症を予防する効果は、イギリスの保健当局のデータによりますと、2回目の接種から20週を過ぎると20%程度に下がりましたが、追加接種の2週間から4週間後には65%から75%ほどに上がりました。
 また、入院を予防する効果について、アメリカの疾病対策センター(CDC)がオミクロン型の時期に分析したところ、2回目の接種から2カ月までだと71%、5カ月以上たつと54%で、追加接種から2カ月以内は91%、4カ月から5カ月の時点では78%でした。
 ノババックスのワクチンで、オミクロン型に対して発症や入院を予防する効果の分析結果は今のところ発表されていませんが、ノババックスによりますと、2回目の接種の後、オミクロン型の働きを抑える中和抗体の値は従来のウイルスに対する値の4分の1以下になっていたということです。ただ、3回目の接種を行うと、2回目の接種の後よりも高い水準まで回復したとしています。

 2022年6月5日(日)

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