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■東北地方、新型コロナ感染者高止まり 宮城県と岩手県が全国ワースト1、2位 [健康ダイジェスト]

 新型コロナウイルス感染症の定点把握で、1医療機関当たりの感染者数は9月4~10日の週で宮城県が32・47人、岩手県が29・87人となり、都道府県でワースト1、2位を占めました。東北では7月から患者数が増え始め、高止まりが続いています。若者を中心に感染が広がり、小中学校や高校の学級閉鎖に加え、入院や面会の制限に踏み切る病院も。専門家は屋内でのマスク着用など感染対策の継続を訴えています。
 東北各県では福島県で24・13人、秋田県で23・88人などとなっていて、山形県を除いては全国平均(20・19人)を上回っています。
 宮城県の保健所別では、仙南(57・57人)、大崎(42・70人)、石巻(42・30人)が突出しています。県医師会の佐藤和宏会長は12日の記者会見で、「仙南地方の基幹病院で入院を制限するなど、医療逼迫(ひっぱく)が深刻化している」と危機感を示しました。
 関係者が懸念するのが若年層の感染拡大。厚生労働省によると、4~10日の週は、全国の感染者数のうち19歳以下が全体の47・9%を占めました。
 学校現場にも影響が及んでいて、宮城県内の県立高校では8月28日~9月1日の週に3校、4~8日の週に8校が学年閉鎖や学級閉鎖の措置を講じました。
 石巻保健所管内の小中学校では、夏休み明けから9月15日までに石巻市で3校、登米市で8校、東松島市で2校が休校や学級閉鎖になりました。石巻市ではインフルエンザによる学年閉鎖も3校あり、うち1校はコロナでも学年閉鎖を余儀なくされました。
 石巻赤十字病院(石巻市)は9月7日から入院患者との面会の制限を厳格化し、当面は18歳以下による面会を不可としました。呼吸器内科が専門の矢内勝院長補佐は「院内感染のリスクを減らし、病院機能を維持するために実施した。状況が落ち着くまで、不要不急の面会を控えるようお願いしたい」と協力を求めます。
 現在の流行第9波について、矢内氏は「これまでと比べて今回は最大規模だとの認識を地域の各医療機関と共有している」と指摘。「重症化しづらいものの、感染が切っ掛けで誤嚥(ごえん)性肺炎や脱水などになった高齢者の入院が目立つ」と説明しています。
 新型コロナに関する厚労省参与の小坂健東北大大学院歯学研究科長(公衆衛生学)は「東京都のデータでは10歳代の感染拡大が家庭内感染の増加を招いており、東北も似た状況だろう。夏休み中に若者の交流が活発化し、学校の再開でさらに感染が広がった」と解説しています。
 「猛暑で換気の少ない室内の滞在時間が増えた影響もあるが、多くの人が『新型コロナは終わった』と考え、行動した影響が大きい」と小坂氏。屋内でのマスク着用や換気など、空気中を漂う微粒子「エアロゾル」対策の必要性を訴えます。
 一方、岩手県は1医療機関当たりの患者数が前の週まで2週連続で全国最多でしたが、9月4~10日の週は32・47人の宮城県に次いで全国2番目となっています。
 9月10日までの1週間に岩手県内で報告された新型コロナウイルスの新規患者数は1医療機関当たり29・87人で、前の週を5・37ポイント下回っています。
 岩手県の医療政策室では県内では依然多くの患者が確認されているとして、場面に応じた適切な感染対策をするよう呼び掛けています。

 2023年9月18日(月)

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