■ストレスの度合いを計測する指標物質を発見 大阪大学 [健康ダイジェスト]
人がストレスを感じると、血液中の濃度が高くなる物質を大阪大学の研究チームが発見し、ストレスの度合いを客観的に計測するための指標になるのではないかと注目されています。
大阪大学キャンパスライフ健康支援センターの中西香織助教、瀧原圭子教授らの研究チームは、人が感じているストレスの度合いを示す物質を探そうと、動脈硬化や皮膚の委縮など老化にかかわる物質として知られる「αクロトー」に注目しました。
実験では、健康な40歳代から60歳代の男性約100人を対象としてストレスの程度を聞き取り、同時に血液の中に含まれるαクロトーの濃度を測りました。
その結果、「ストレスへの対応ができていない」「睡眠で十分な休養がとれていない」と回答したグループは、そうでないグループと比べてαクロトーの濃度が2割から3割ほど高かったということで、ストレスの度合いによって濃度が変化していると考えられるということです。
これまでストレスの度合いはアンケート方式で調べるのが中心で、この物質は客観的に計測するための指標になるのではないかと、注目されています。
中西助教は、「倒れてしまうまで自分のストレスに自覚がない人もいるので、客観的に計測する技術を確立して、より健康な社会作りにつなげたい」と話しています。
2019年8月26日(月)
大阪大学キャンパスライフ健康支援センターの中西香織助教、瀧原圭子教授らの研究チームは、人が感じているストレスの度合いを示す物質を探そうと、動脈硬化や皮膚の委縮など老化にかかわる物質として知られる「αクロトー」に注目しました。
実験では、健康な40歳代から60歳代の男性約100人を対象としてストレスの程度を聞き取り、同時に血液の中に含まれるαクロトーの濃度を測りました。
その結果、「ストレスへの対応ができていない」「睡眠で十分な休養がとれていない」と回答したグループは、そうでないグループと比べてαクロトーの濃度が2割から3割ほど高かったということで、ストレスの度合いによって濃度が変化していると考えられるということです。
これまでストレスの度合いはアンケート方式で調べるのが中心で、この物質は客観的に計測するための指標になるのではないかと、注目されています。
中西助教は、「倒れてしまうまで自分のストレスに自覚がない人もいるので、客観的に計測する技術を確立して、より健康な社会作りにつなげたい」と話しています。
2019年8月26日(月)
■バイオ3Dプリンターで人工血管を作り移植へ 佐賀大が研究計画 [健康ダイジェスト]
佐賀大学医学部の中山功一教授(臓器再生医工学)らの研究チームが、人間の細胞から立体的な構造体をつくる「バイオ3Dプリンター」を使い、人工透析を受けている患者の皮膚から人工血管を作製し、患者に移植する臨床研究を始める見通しとなりました。
国から認可された審査委員会に研究計画を申請ずみで、計画が受理されれば患者を募り、今年秋にも臨床研究に着手することにしています。
中山教授によると、人工素材を使わずに人の細胞から人工血管を作るため、アレルギー反応や細菌の感染リスクを抑制する効果が期待できるといいます。
バイオ3Dプリンターは、患者の脇や脚の皮膚から採取した細胞を培養し、約1万個の細胞の塊(直径約0・5ミリ)をつくり、その塊を剣山のように並べた針に刺して積み重ね、3次元データの設定通りに形成します。複数の串刺し状の塊がくっ付き、直径約5ミリ、長さ約5センチのチューブ状の人工血管ができるといいます。本物の血管と同じような弾力があり、血管の内側に血圧のおよそ10倍の圧力をかけても耐えられるということです。
人工血管をブタに移植した実験では、通常の血管と同じように血液が通り、半年にわたって機能することが確認され、研究チームは人に移植する臨床研究に向け準備を進めてきました。
人工透析は、腎不全の患者の体内から血液を取り出し、機械で浄化して戻す治療法。血液を取り出しやすくする血管(シャント)が必要になるものの、樹脂製の血管は内部が詰まる場合があるといいます。このため、シャントの代わりにバイオ3Dプリンターでつくった人工血管を3〜4人の患者に移植し、半年ほどかけて安全性や効果を確認します。
中山教授は、「バイオ3Dプリンターで作製した人工血管の移植は世界でも珍しい。他の臓器の作製にも応用できるだろう」としています。
アメリカの調査会社マーケッツアンドマーケッツによると、1台当たり数百万から数千万円で販売されているバイオ3Dプリンターの世界市場は、2021年に13億3260万ドル(約1400億円)となり2016年の3倍を超しています。
バイオ3Dプリンターが普及する上では、安全性の確認に加え製造コストを引き下げる工夫が必要です。製薬会社や患者のニーズはあり、欧米や中国でスタートアップが生まれるなど関連企業が増えています。実用化を巡って競争が一層激しくなりそうだ。
2019年8月26日(月)
国から認可された審査委員会に研究計画を申請ずみで、計画が受理されれば患者を募り、今年秋にも臨床研究に着手することにしています。
中山教授によると、人工素材を使わずに人の細胞から人工血管を作るため、アレルギー反応や細菌の感染リスクを抑制する効果が期待できるといいます。
バイオ3Dプリンターは、患者の脇や脚の皮膚から採取した細胞を培養し、約1万個の細胞の塊(直径約0・5ミリ)をつくり、その塊を剣山のように並べた針に刺して積み重ね、3次元データの設定通りに形成します。複数の串刺し状の塊がくっ付き、直径約5ミリ、長さ約5センチのチューブ状の人工血管ができるといいます。本物の血管と同じような弾力があり、血管の内側に血圧のおよそ10倍の圧力をかけても耐えられるということです。
人工血管をブタに移植した実験では、通常の血管と同じように血液が通り、半年にわたって機能することが確認され、研究チームは人に移植する臨床研究に向け準備を進めてきました。
人工透析は、腎不全の患者の体内から血液を取り出し、機械で浄化して戻す治療法。血液を取り出しやすくする血管(シャント)が必要になるものの、樹脂製の血管は内部が詰まる場合があるといいます。このため、シャントの代わりにバイオ3Dプリンターでつくった人工血管を3〜4人の患者に移植し、半年ほどかけて安全性や効果を確認します。
中山教授は、「バイオ3Dプリンターで作製した人工血管の移植は世界でも珍しい。他の臓器の作製にも応用できるだろう」としています。
アメリカの調査会社マーケッツアンドマーケッツによると、1台当たり数百万から数千万円で販売されているバイオ3Dプリンターの世界市場は、2021年に13億3260万ドル(約1400億円)となり2016年の3倍を超しています。
バイオ3Dプリンターが普及する上では、安全性の確認に加え製造コストを引き下げる工夫が必要です。製薬会社や患者のニーズはあり、欧米や中国でスタートアップが生まれるなど関連企業が増えています。実用化を巡って競争が一層激しくなりそうだ。
2019年8月26日(月)