SSブログ
病気(ら行) ブログトップ
前の4件 | 次の4件

■病気 乱視 [病気(ら行)]

[魚座]角膜の球面の異常により物の形をはっきり見られない状態
 乱視とは、遠くの物を見る時も、近くの物を見る時も、ともに視力が悪く、網膜上に1点として像を結ばない状態。がちゃ目とも呼ばれます。
 水晶体が乱視の原因となっている場合もありますが、多くの場合は角膜が原因となっています。正常な人では、角膜は横方向も縦方向もほぼ同じカーブをしています。乱視の人では、カーブの度合いが、横方向と縦方向で異なります。このために、横方向と縦方向とで屈折力に差が生じ、網膜上にはっきりとした像を結ぶことができないのです。
 生物の目は完全ではないため、万人が乱視の要素は持っています。軽い乱視では、視力障害が少ない場合もあります。ある程度以上の乱視では、遠方視、近方視ともに物が見にくかったり、片目で見ても物が二重、三重になるなど、ずれた像となることがあります。調節性の眼精疲労のため眼痛、頭痛を生じる場合もあります。その他、夜間に見えにくくなることもあります。
 このような症状は、軽い乱視でも年齢が進むに従って現れてきます。乱視のために、特に低年齢で弱視を生じることもあります。
 乱視には、不正乱視と正乱視の2種類があります。
 不正乱視とは、角膜の表面が凸凹不整となっているもの。円柱レンズの眼鏡では矯正できません。
 角膜の外傷や、円錐(えんすい)角膜、翼状片などによる角膜の非対称的なゆがみ、加齢性変化による白内障などが原因となって生じます。まれに、水晶体の外傷による亜脱臼(あだっきゅう)、円錐水晶体などの水晶体疾患などが原因となります。
 近年、不正乱視は高次収差とも呼ばれるようになり、波面センサーという機械を用いることで、その光学的特性などを分析することができるようになりつつあります。高次収差をその特性で大きく分けると、いわゆるピンぼけを生じる球面収差と、彗星(すいせい)の尾のように網膜に結像させるコマ収差の組み合わせともいえます。
 一方、正乱視とは、角膜または水晶体が正しい球面ではなく、いびつな形をしているもの。円柱レンズの眼鏡で矯正できます。一般に乱視といえば、この正乱視のことを指します。
 円柱レンズとは、円柱を軸に平行な平面で切り取ったものです。軸方向には屈折力がありませんが、軸と垂直方向に屈折面があるレンズで、凹と凸の円柱レンズがあります。その円柱レンズと球面レンズの組み合わせのパターンにより、近視性乱視、遠視性乱視、混合(雑性)乱視に分類されます。
 別の分類方法として、屈折力が強い強主経線が垂直方向の直乱視、同じく強主経線が水平方向の倒乱視、強主経線が斜めの方向である斜乱視という3種類に分ける場合もあります。このうち、直乱視が正乱視の90パーセント程度を占めます。
 さらに、強主経線の一方が正視つまり球面レンズでの矯正を必要としない単乱視、強主経線とそれに直交する屈折力が弱い弱主経線が、どちらも遠視もしくは近視である複乱視、強主経線が近視で、かつ弱主経線が遠視である混合(雑性)乱視という分類方法もあります。
[魚座]乱視の検査と診断と治療
 医師による視力検査では、放射状の線からなる乱視表を使います。乱視なら、ピントが合っていない方向の線ははっきり見えますが、ピントが合っている方向の線はぼやけて、あるいは二重に見えます。つまり、ピントの合う合わないと線がぼやけるぼやけないは、逆の関係にあります。  
 乱視の治療としては、眼鏡をかけたり、コンタクトレンズを使用したりします。しかし、不正乱視の場合は眼鏡で矯正するすることはできないので、コンタクトレンズを使用します。
 角膜のゆがみによる正乱視は、円柱レンズまたはハードコンタクトレンズによる矯正が一般的に適しています。最近では、ソフトコンタクトレンズでもトーリックレンズと呼ばれる乱視矯正レンズも多種あるものの、矯正可能な乱視屈折度数が限られていて、まばたきなどでコンタクトレンズの軸ずれが生じ、きっちりと乱視を矯正することがハードコンタクトレンズに比べてやや難しい面があります。
 水晶体が原因である正乱視は、コンタクトレンズでは矯正できません。また、特に子供では乱視による屈折異常弱視(経線弱視)が発生しやすいので、眼鏡処方を行うことはとても大切なこと。眼鏡が顔に対して位置ずれを生じると矯正効果が大きく変わるので、眼鏡の顔に対するフィッティングもしっかり行うことが大切です。
 不正乱視の治療は、その原因が角膜の形状異常によるものであれば、第一選択としては、やはりハードコンタクトレンズが適しています。ただし、水晶体が原因である不正乱視は、水晶体が原因である正乱視と同じくコンタクトレンズによる治療では矯正できません。
 現在、近視や乱視は、エキシマレーザーによる角膜のレーシック(屈折矯正手術)により、屈折度数には制限があるものの、矯正することがある程度可能になってきています。さらに、補償光学と呼ばれる方法で、不正乱視もある程度ならば治療可能になりつつあります。
 ただし、このようなレーシックは、手術適応か否かなどを明確に診断できる眼科専門医の知識がなくては不可能です。簡便で安価な非眼科専門医の施設で手術を受け、とんでもないことになってしまったケースが、多く報告されています。レーシックを受ける場合は、まず眼科専門医に相談することが肝要です。

ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯i-mode版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯au版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯Yahoo!ケータイ版の健康創造塾にアクセスできます。




nice!(9)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

■病気 リール黒皮症 [病気(ら行)]

[魚座]化粧品などが原因で顔に色素沈着が生じる皮膚障害
 リール黒皮症とは、化粧品などが原因になることによって、顔に色素沈着を生じる皮膚障害。男性に生じるケースもありますが、大部分は20~50歳の女性にみられます。
 顔では、ほおを中心に耳前部、額、まぶたなどに、紫褐色から黒褐色の網状、斑(まだら)状、またはびまん性の境界のはっきりしない色素沈着を生じます。時には、首や前腕に生じることもあります。
 多くの場合には、色素沈着の前に、顔のかゆみ、あるいは赤みなどがあって、その後、半月から数カ月以内に色素沈着に気付きます。色素沈着ができた後も、かゆみ、赤みが残っている場合もあります。
 原因が不明のこともありますが、大部分はもともと素因のある人に、化粧品皮膚炎などの湿疹(しっしん)のような炎症反応が繰り返し起こった結果、表皮の基底部が破壊され、基底部にあるメラニン色素が真皮内に入るために生じると考えられています。
 かつて、化粧品に含まれるタール系の色素や香料が原因の化粧品皮膚炎が多かった時期に、このリール黒皮症も増加しました。
 化粧品メーカーがこれらの色素や香料を化粧品から除外してから、リール黒皮症が急激に減少したことからも、化粧品皮膚炎と関連の深いことがわかります。近年は、化粧品の品質向上によってあまりみられなくなっています。
 しかし、リール黒皮症と似たような症状のものに、入浴の時にナイロンタオルなどで皮膚をこすりすぎて、色素沈着するものがあります。若い女性を中心に、胸、背中、腕など下の骨が出っ張っていて、皮下脂肪の少ない部分に生じるのが特徴です。
 ナイロンタオルは木綿のタオルより繊維が強いため、皮膚に加わる刺激が強すぎるのが原因と見なされますので、使用をやめれば自然に治ります。
[魚座]リール黒皮症の検査と診断と治療
 大部分は顔面の湿疹様病変の結果生じるため、原因と思われる外来性物質を除くことが重要です。病院で、パッチテストなどを受けて、原因物質を見付けます。
 リール黒皮症そのものに対する特効治療法は、現在のところありません。多くの場合は、皮膚炎の症状が合併しているので、赤みがあったり、かゆみを伴う急性期には、副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤の外用、抗ヒスタミン剤やビタミンCの内服などを行います。炎症症状が取れれば、色素沈着は消えるはずです。
 生活上の注意としては、急性期では皮膚のバリア機能が壊れていますので、化粧は一切しないように。マッサージなどの摩擦を避け、日光にもなるべく当たらないほうが安全です。
 急性期をすぎた後は、低刺激性のせっけんや、敏感肌用の化粧品を、徐々に使っていくようにします。

ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯i-mode版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯au版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯Yahoo!ケータイ版の健康創造塾にアクセスできます。




nice!(6)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

■病気 リウマチ性多発筋痛症 [病気(ら行)]

[右斜め下]首、肩、腰の筋肉痛やこわばりが起こる疾患
 リウマチ性多発筋痛症とは、首、肩、腰の筋肉痛やこわばりが起こる慢性炎症性の疾患。50歳以上、特に60歳の中高年の人に多くみられ、やや女性に多いと見なされています。
 原因は不明で、前兆になるような感染症などは特に知られていません。
 筋肉症状、全身症状、関節症状の3つが、主な症状です。体の中心に近い部分の筋肉の痛みやこわばりから始まり、微熱、全身のだるさ、食欲不振、体重減少などの全身症状と、関節の痛みを伴います。これらの症状が急速に出現して、2週間ほどの短期間に病勢はピークに達します。
 筋肉のこわばりは、関節リウマチのように朝起きてすぐが最も強く、体を動かすうちに和らいできます。筋肉痛は首、肩周囲、腰部、臀(でん)部、大腿(だいたい)部にみられ、押さえたり、運動してもそれほど変わらないのが特徴です。また、筋肉には赤みやはれなどはなく、筋力が弱くなったと感じることもありません。関節症状は、主として痛みが肩、膝(ひざ)、手首の関節やその周囲に見られ、関節そのものがはれたりすることはほとんどありません。
 20〜30パーセント前後の発症者では、側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)という膠原(こうげん)病疾患を合併し、ズキンズキンとした拍動性頭痛と圧痛を一方のこめかみに生じ、視力障害をみることもあります。
 症状は、急に始まることが多いのですが、治療しないとそのまま続くため、数カ月にわたって徐々に進んだようにみえることもあります。
[右斜め下]リウマチ性多発筋痛症の検査と診断と治療
 リウマチ性多発筋痛症は正しく診断されればコントロールが可能なので、この疾患が疑われたら、なるべく早くリウマチ専門医の診察を受けることが大切となります。
 この疾患の診断を確定する特有な検査はありませんが、体の炎症症状を示す赤沈検査や血清CRP濃度が高値となるほか、軽い赤血球数の減少と、白血球数および血小板数の増加がみられます。一方、筋痛があるにもかかわらず、多発性筋炎にみられるような筋肉由来の血清酵素の増加はみられません。また、リウマトイド因子や抗核抗体などの免疫異常は、通常認められません。
 検査所見のほか、筋肉症状、全身症状、関節症状など、それぞれの特徴を組み合わせて診断されます。なお、側頭動脈炎を合併する場合は、血管造影検査や組織を一部取る生検(病理検査)が必要なことがあります。
 治療には、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)が有効です。筋肉痛には、非ステロイド性消炎鎮痛剤も効果的です。治療開始後1〜2週間以内に症状が改善し始めるケースも多く、改善が得られたら、少しずつ薬剤を減量します。一定の減量が得られた後も、1年以上のステロイド治療が必要なケースが多く、副作用である骨粗鬆(こつそしょう)症の対策が必須になります。ステロイド療法の効き目が悪いケースでは、時に免疫抑制剤が使われることもあります。

[ハート]詳しい病気の解説は四百四病の事典http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ[ハート]




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康
前の4件 | 次の4件 病気(ら行) ブログトップ