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■用語 脊髄係留症候群 [用語(せ)]

[iモード]脊髄が脊椎の足側につなぎ止められ、下肢運動障害、排尿障害が起こる状態
 脊髄(せきずい)係留症候群とは、脊髄が脊椎の足側につなぎ止められ、神経が引き伸ばされることで、下肢運動障害や排尿障害が起こる状態。
 脊椎(せきつい)の中を通る中枢神経である脊髄は、脳の延髄から連続していて、首、背中、腰の部位にあります。腰の部位で徐々に細くなり、大人では多くの人が第1腰椎と第2腰椎の間くらいで終わっています。
 この脊髄が細くなった先端部分を脊髄円錐(えんすい)と呼びます。さらに、脊髄円錐の先端から終糸(しゅうし)と呼ばれるひも状の組織が伸びており、これが骨盤につながる仙骨まで伸びて、その末端で脊髄を緩やかに固定しています。
 脊髄円錐の位置は新生児では第3腰椎あたりにありますが、神経である脊髄に比べると骨である脊椎のほうが成長とともに大きくなるため、脊髄と脊椎の長さの差が大きくなります。脊髄は脳と連続しているために、成長とともに脊椎の頭側に上がっていき、身長の伸びが止まるころには第1腰椎と第2腰椎のあたりに落ち着くのです。
 この脊髄円錐の先端から足側に伸びる終糸が、非常に太くなっていたり、終糸に脂肪腫(しゅ)ができたりすることがあります。あるいは、脊髄円錐のあたりに生まれ付き脂肪腫ができていることもあります。
 このような先天的な異常があると、成長に伴って頭側に上がっていくはずの脊髄が、脊椎の足側の仙骨につなぎ止められることになります。成長とともに脊髄が足側に引っ張られて引き伸ばされる度合が増し、これに伴って下肢運動障害や、排尿障害などの神経症状を示すようになります。
 小児期にあまり目立った症状がなくても、身長が一気に伸びる成長期のころに脊髄が引き伸ばされる度合が強くなって、神経症状が目立ってくることもあります。
 さらには、大人になってからの脊椎の加齢変化によって神経症状が生じることもあります。あるいは、腰部や臀部(でんぶ)に打撃を受けた外傷により、素因として持っていて発症を免れていた神経症状が生じることもあります。
 生まれ付き脊椎が形成不全を起こしていて、本来なら脊髄が通る脊柱管の中にあるべき脊髄が外にはみ出して、癒着や損傷を起こしている二分脊椎でも、脊髄係留症候群の神経症状を現すこともあります。
 脊髄係留症候群の症状としては、下肢運動障害、痛みなどの感覚障害、排尿・排便障害があります。
 両下肢の運動障害として、歩きにくくなる、転びやすくなる、足がまひして動かない、足の変形、左右の足が非対称、足が細いなどがみられます。
 感覚障害として、靴ずれやその部位の潰瘍(かいよう)、腰を曲げた際などの腰痛、下肢痛、下肢から足のしびれなどがあります。
 排尿・排便障害として、膀胱(ぼうこう)や直腸などを動かす筋肉がまひして、尿を漏らしたり、便秘になったりすることもあります。性機能障害が起こることもあります。
[iモード]脊髄係留症候群の検査と診断と治療
 整形外科、形成外科、小児外科の医師による診断では、脊椎部のCT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査などの画像検査を行い、病変を詳しく観察します。
 また、自・他動運動検査、肢位、変形、感覚などの検査を行い、どの脊髄レベルまでが正常であるかを調べます。
 整形外科、形成外科、小児外科の医師による治療では、症状が全くなくたまたま脊髄係留症候群が発見されたような場合、一般的には経過観察を行い、予防的手術は行いません。
 成長期に差し掛かった時期に下肢運動障害や排尿障害が出てきた場合、脊髄をつなぎ止めている部位を手術で切断し、脊髄の引き伸ばしを緩めます。終糸に脂肪腫が付着しているケースでは、手術の予後がよいといわれています。
 逆に、癒着が強かったり脊髄を巻き込んでいるケースは、難しい手術となり、手術の後かえって神経まひがひどくなることもあります。また、症状が出てから時間が経つと、手術しても改善は難しく、特に排尿障害が改善しにくいといわれています。
 一方、神経症状があまりなくて、高齢になってから脊柱管狭窄(きょうさく)症などほかの疾患で初めて撮影した腰椎部のMRI検査で、たまたま脊髄係留症候群が発見されたような場合、手術は必要ありません。

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■用語 潜在性二分頭蓋 [用語(せ)]

[喫茶店]頭蓋骨の欠損部から頭蓋内容物の一部が飛び出した状態
 潜在性二分頭蓋(にぶんとうがい)とは、頭蓋骨と硬膜の欠損があり、そこから頭蓋内容物の一部が脱出した状態。脳瘤(のうりゅう)とも呼ばれます。
 先天性の脳奇形の一つで、新生児1万人に1人程度発生しています。原因は、胎児における遺伝子異常や、妊婦におけるビタミンB群の一種である葉酸欠乏が考えられています。
 母胎内で、脳や脊髄(せきずい)などの中枢神経系のもとになる神経管が妊娠の4~5週ごろに作られ、その神経管が閉鎖した後に、脳組織の周囲にあって、頭蓋骨の一部を作る間葉(かんよう)組織の形成不全によって、頭を形作る骨格である頭蓋骨と、脳を取り巻く髄膜の1つである硬膜に欠損が生じ、頭蓋内容物の一部が頭蓋外へ脱出します。
 脱出した頭蓋内容物には、脳組織が含まれている髄膜脳瘤や、脳組織が含まれず髄膜や脳脊髄液のみの髄膜瘤、髄膜と脳脊髄液と脳室が含まれる脳嚢(のうのう)瘤などがあります。小さな髄膜脳瘤などは、頭血腫という分娩(ぶんべん)の際に胎児の頭が強く圧迫されるために、頭蓋骨と髄膜との間に生じる血液の塊に類似しているものの、その基部に頭蓋骨の欠損が認められる点で異なります。
 潜在性二分頭蓋の約9割は頭蓋円蓋部に発生し、残り約1割は頭蓋底部に発生します。通常、正中部に発生し、後頭部と鼻腔(びこう)を結ぶ線に沿うあらゆる部位から、頭蓋内容物の一部が脱出しますが、後頭部にできるケースがほとんどです。極めてまれに、前頭部または頭頂部に非対称的にみられることもあります。
 頭蓋円蓋部や鼻腔前頭部に発生する潜在性二分頭蓋は外表上で認められやすく、鼻腔や副鼻腔内に発生する潜在性二分頭蓋は外表上では認められません。
 まれに、後頭と頸椎(けいつい)の移行部に潜在性二分頭蓋が発生して、頸椎椎弓が欠損し、後頭部と背部が癒合して頸部が背側に過伸展する後頭孔脳脱出や、脳幹や小脳が脱出するキアリ奇形Ⅲ型を示すことがあります。
 後頭部に発生する髄膜脳瘤では、小脳虫部欠損(ダンディー・ウォーカー症候群)や、ほかの脳形成異常を合併しやすく、脳組織の一部が頭蓋外へ脱出するため、約3割に頭蓋骨が先天的に小さく変形を伴う小頭症を合併します。脳形成異常、脳組織の大きな脱出、小頭症などは、発達や知能面での予後不良の誘因になります。
 後頭孔脳脱出やキアリ奇形Ⅲ型の生命予後は、不良です。頭蓋底部に発生した潜在性二分頭蓋では、閉塞(へいそく)性の呼吸障害、脊髄液漏による反復性の髄膜炎などを示します。
 潜在性二分頭蓋の位置、大きさよって、現れる症状はさまざまですが、重篤な奇形を合併していることが多く、過半数が自然流産するか、人工妊娠中絶を受けるかしており、仮に出生しても24時間以内に死亡します。
 妊婦の超音波(エコー)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査で、胎児の潜在性二分頭蓋の診断がつくことがあり、髄膜脳瘤や髄膜瘤、脳嚢瘤などの位置、大きさによっては、出産後の手術による修復が可能なこともあります。
 しかし、脳神経外科、小児外科、小児科、リハビリテーション科、整形外科、泌尿器科を含む包括的診療チームによる治療が必要ですので、このような体制の整った病院を受診するとよいでしょう。
 出生前診断で発見された場合には、産道通過の際に胎児の髄膜脳瘤などが破れるのを予防する目的で、帝王切開を行う場合もあります。
[喫茶店]潜在性二分頭蓋の検査と診断と治療
 産科、産婦人科の医師による診断では、妊婦の超音波(エコー)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査で、胎児の潜在性二分頭蓋の診断がつくことがあります。
 胎児が潜在性二分頭蓋と確定した場合、多くはその時点で妊娠を継続するかどうかを選択することになります。その致死性の高さから、人工妊娠中絶を選択する妊婦が多く、出産まで進むケースはまれな状況となっています。
 脳神経外科、脳外科の医師による潜在性二分頭蓋の治療では、髄膜脳瘤や髄膜瘤、脳嚢瘤などが破れて細菌感染を来したり、脳出血やくも膜下出血を生じるのを防ぐために、手術で修復します。髄膜脳瘤などを脳血管から切り離すか、髄膜脳瘤などの中にコイルを詰めて大きくなるのを抑えます。

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■用語 脊髄髄膜瘤 [用語(せ)]

[喫茶店]先天的に脊椎骨が形成不全となって、脊髄や髄膜の一部が骨の外に露出する疾患
 脊髄髄膜瘤(せきずいずいまくりゅう)とは、先天的に脊椎(せきつい)骨(椎骨)が形成不全となって、脊椎骨の背中側の一部が開放し、脊髄や髄膜の一部が骨の外に露出する疾患。
 日本国内での発症率は、1万人に5人から6人と見なされています。
 母胎内で、脳や脊髄などの中枢神経系のもとになる神経管が作られる妊娠の4~5週ごろに、何らかの理由で神経管の下部に閉鎖障害が発生した場合に、脊椎骨が形成不全を起こします。
 人間の脊椎は7個の頸椎(けいつい)、12個の胸椎、5個の腰椎、仙骨、尾骨で成り立っています。脊椎を構成している一つひとつの骨である脊椎骨は、椎間板の付いている前方部分の椎体と、椎間関節の付いている後方部分の椎弓の2つからなっています。本来、後方部分の椎弓は発育の途中に左右から癒合しますが、脊椎骨が形成不全を起こすと、完全に癒合せず左右に開いて分裂する二分脊椎を生じます。
 分裂している椎弓からは、神経組織である脊髄や脊髄膜がはみ出し、腫瘤(しゅりゅう)、あるいは中に脊髄液がたまった嚢胞(のうほう)となって、こぶのように骨の外に露出します。嚢胞が露出した場合は、しばしば皮膚欠損による脊髄液の漏れが生じます。
 脊髄髄膜瘤は、仙骨、腰椎に多く発生し、胸椎、頸椎に発生することはまれです。
 脊髄髄膜瘤の発生には、複数の病因の関与が推定されます。環境要因としては、胎生早期におけるビタミンB群の一種である葉酸欠乏、ビタミンA過剰摂取、抗てんかん薬の服用、喫煙、放射線被爆(ひばく)、遺伝要因としては、人種、葉酸を代謝する酵素の遺伝子多型が知られています。
 出生した新生児に脊髄髄膜瘤が発生している場合、二分脊椎の発生部位から下の神経がまひして、両下肢の歩行障害や運動障害、感覚低下が起こるほか、膀胱(ぼうこう)や直腸などを動かす筋肉がまひして排尿・排便障害、性機能障害が起こることもあります。脊椎骨の奇形の程度が強く位置が高いほど、多彩な神経症状を示し、障害が重くなります。
 多くは、脊髄液(脳脊髄液)による脳の圧迫が脳機能に影響を与える水頭症(すいとうしょう)を合併しているほか、脳の奇形の一種で脳全体が下側に落ち込むキアリ奇形、嚥下(えんげ)障害、脊椎側湾、脊椎後湾、脊髄空洞症を合併することもあります。
 脊髄髄膜瘤の治療には、脳神経外科、小児外科、小児科、リハビリテーション科、整形外科、泌尿器科を含む包括的診療チームによる生涯にわたる治療が必要ですので、このような体制の整った病院を受診するとよいでしょう。
 超音波検査による出生前診断で脊髄髄膜瘤が発見された場合には、産道通過の際に胎児の脊髄髄膜瘤が破れるのを予防する目的で、帝王切開を行う場合もあります。
[喫茶店]脊髄髄膜瘤の検査と診断と治療
 脳神経外科、小児外科の医師による診断では、脊髄髄膜瘤の場合、妊娠4カ月以降の超音波診断や羊水検査でわかることが多く、遅くとも出生時には腰背部の腫瘤、嚢胞により病変は容易に明らかになります。
 脊椎部と頭部のCT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査などの画像検査を行い、腫瘤、嚢胞の中の脊髄神経の有無、水頭症の有無を確認します。また、自・他動運動検査、肢位、変形、感覚などの検査を行い、どの脊髄レベルまでが正常であるかを調べます。
 脳神経外科、小児外科の医師による治療では、出生時に脊髄液の漏れがある場合には、生後2、3日以内に腰背部に露出した形になっている脊髄や脊髄膜を感染から守るために、皮膚と脊髄神経を分離し、皮膚を縫合する閉鎖手術を行います。
 手術後に水頭症の症状が顕在化、悪化するようならば、脳脊髄液の流れの一部分からシャントチューブと呼ばれる細い管を用いて、頭以外の腹腔(ふくこう)や心房などへ脳脊髄液を流す仕組みを作るシャントと呼ばれる手術を行います。
 仙骨、腰椎、胸椎、頸椎などの奇形が発生した部位により、症状には重度から軽度まで個人差はありますが、下肢障害に対しては車いす、補装具などによる装具療法、理学療法、整形外科的手術による対処を行い、排尿・排便障害に対しては導尿、浣腸(かんちょう)、摘便(洗腸)、下剤、機能訓練による対処を行います。
 重症例では呼吸障害、嚥下障害による栄養障害への対処、知的障害への療育を行います。

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■用語 潜在性二分脊椎 [用語(せ)]

[喫茶店]先天的に脊椎骨が形成不全となって起きる神経管閉鎖障害
 潜在性二分脊椎(にぶんせきつい)とは、先天的に脊椎骨(椎骨)が形成不全となって起きる神経管閉鎖障害の一つ。潜在性脊椎披裂とも呼ばれます。
 母胎内で、脳や脊髄などの中枢神経系のもとになる神経管が作られる妊娠の4~5週ごろに、何らかの理由で神経管の下部に閉鎖障害が発生した場合に、脊椎骨が形成不全を起こします。
 人間の脊椎は7個の頸椎(けいつい)、12個の胸椎、5個の腰椎、仙骨、尾骨で成り立っています。脊椎を構成している一つひとつの骨である脊椎骨は、椎間板の付いている前方部分の椎体と、椎間関節の付いている後方部分の椎弓の2つからなっています。本来、後方部分の椎弓は発育の途中に左右から癒合しますが、完全に癒合せず左右に開いて分裂しているものが、二分脊椎に相当します。
 椎弓が分裂している部位が、へこんでいることがあります。これを潜在性二分脊椎といいます。
 逆に、椎弓が分裂している部位から、神経組織である脊髄や脊髄膜がはみ出し、皮膚が腫瘤(しゅりゅう)、すなわちこぶのように突き出していることがあります。これを嚢胞(のうほう)性(顕在性)二分脊椎といいます。
 二分脊椎は、仙骨、腰椎に多く発生し、胸椎、頸椎に発生することはまれです。
 二分脊椎の発生には、複数の病因の関与が推定されます。環境要因としては、胎生早期におけるビタミンB群の一種である葉酸欠乏、ビタミンA過剰摂取、抗てんかん薬の服用、喫煙、放射線被爆(ひばく)、遺伝要因としては、人種、葉酸を代謝する酵素の遺伝子多型が知られています。
 出生した新生児に潜在性二分脊椎が発生している場合、無症状のケースと、脊髄神経の異常を伴っていて、幼児期はあまり症状がみられないものの、学童期や思春期になると下肢痛やしびれ感、膀胱(ぼうこう)や直腸などを動かす筋肉がまひすることによる排尿・排便障害などの症状を示すケースがあります。
 後者の場合、しばしば脊髄稽留(けいりゅう)症候群、神経腸嚢胞、脂肪腫、皮膚洞、類皮腫、割髄症などの合併がみられます。脳脊髄液による脳の圧迫が脳機能に影響を与える水頭症(すいとうしょう)、脳の奇形の一種であるキアリ奇形などの合併は、非常にまれです。
 逆に、出生した新生児に嚢胞性二分脊椎が発生している場合、二分脊椎の発生部位から下の神経がまひして、両下肢の歩行障害や運動障害、感覚低下が起こるほか、排尿・排便障害、性機能障害が起こることもあります。脊椎骨の奇形の程度が強く位置が高いほど、多彩な神経症状を示し、障害が重くなります。
 多くは、水頭症を合併しているほか、キアリ奇形、嚥下(えんげ)障害、脊椎側湾、脊椎後湾、脊髄空洞症を合併することもあります。
 嚢胞性二分脊椎の治療には、脳神経外科、小児外科、小児科、小児神経科、リハビリテーション科、整形外科、泌尿器科を含む包括的診療チームによる生涯にわたる治療が必要ですので、このような体制の整った病院を受診するとよいでしょう。
[喫茶店]潜在性二分脊椎の検査と診断と治療
 脳神経外科、小児外科、小児神経科の医師による診断では、潜在性二分脊椎の場合は、椎弓が分裂している部位の皮膚のへこみや色素沈着、多毛などの皮膚病変、あるいは皮膚のすぐ下に脂肪組織が蓄積して発生する脂肪腫の存在が発見の切っ掛けになりますが、気付くのが遅れることもよくあります。
 嚢胞性二分脊椎の場合は、妊娠4カ月以降の超音波診断や羊水検査でわかることが多く、遅くとも出生時には腰背部の腫瘤により病変は容易に明らかになります。脊椎部と頭部のCT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査などの画像検査を行い、嚢胞の中の脊髄神経の有無、水頭症の有無を確認します。
 また、自・他動運動検査、肢位、変形、感覚などの検査を行い、どの脊髄レベルまでが正常であるかを調べます。
 脳神経外科、小児外科、小児神経科の医師による治療では、潜在性二分脊椎の場合、出生時に症状が出ることはないので、治療の対象にはなりません。
 時に脊髄神経の異常を伴っていることがあるので、経過だけは観察し、ある程度成長した時点でX線(レントゲン)検査、MRI検査などを行い、脊髄神経の状態を調べます。無処置でよいケースもありますが、脂肪腫の切除、脊髄稽留の解除、皮膚洞の切除などの手術が必要なケースもあります。
 嚢胞性二分脊椎の場合、生後2、3日以内に背中に露出した形になっている脊髄や脊髄膜を感染から守るために、皮膚と脊髄神経を分離し、皮膚を縫合する閉鎖手術を行います。
 仙骨、腰椎、胸椎、頸椎などの奇形が発生した部位により、症状には重度から軽度まで個人差はありますが、下肢障害に対しては車いす、補装具などによる装具療法、理学療法、整形外科的手術による対処を行い、排尿・排便障害に対しては導尿、浣腸(かんちょう)、摘便(洗腸)、下剤、機能訓練による対処を行います。重症例では呼吸障害、嚥下障害による栄養障害への対処、知的障害への療育を行います。

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