■用語 副乳 [用語(ふ)]
正常とは異なった部位に退化した乳房が存在する状態
副乳とは、乳房の通常の存在部位である両側前胸部とは異なった部位に、乳頭、乳輪、あるいは乳腺(にゅうせん)組織が存在する状態。
副乳の多くは、わきの下や、通常の乳房の下内側に存在します。これは生まれ付きのものであり、そのうち乳頭だけが存在するものは副乳頭(多乳頭症)、乳腺組織が存在するものを副乳腺(多乳房症)と呼びます。
副乳の起源は、胎児期にあります。胎生6週ころに、両わきの下から乳頭、腹部の左右、ももの内側に至る乳腺提という表皮の堤状の肥厚ができ、この乳腺提に7~9対の乳腺元基という乳腺の基が現れます。胎生9週には、1対は通常の乳房になり、残りは退縮します。しかし、いくつかの乳腺元基が残って、発育することがあります。これが副乳であり、乳腺提の線上のどこにでも発育する可能性があります。
そもそも、人間や象のような少産種のほ乳動物では、1対のみの乳房を発育させるのに対して、ネズミやイノシシのような多産種のほ乳動物では、前足の両わきの下から後ろ足の間に至る乳腺提の線上に、複数対の乳房を発育させます。人間も胎児期には、通常の乳房以外の部位に乳房を発育させる要素を持っているため、副乳はそれほど異常な存在ではありません。
実際、左右ともに、あるいは片側だけに副乳のある人は、女性の5パーセント、男性の2パーセントに認められるといわれています。
副乳は不完全で退化した乳房であるため、外から見てわかる乳首、乳輪を備えていることは少なく、副乳があっても気付かないこともあります。目立たないため、ほくろやいぼと認識されることも多く、乳腺提の線上に対になったほくろがある場合、副乳の可能性もあります。まれに乳腺組織が存在し、少し発育して膨らみを生じる場合もあります。
女性が妊娠時に、わきの下に違和感を覚え、熱く感じたり、その部分の色が濃くなってきて、副乳の存在に初めて気が付くことがしばしばあります。
乳腺組織が存在する場合、通常の乳腺と同様にホルモン分泌に反応するため、女性では生理前のホルモン分泌の多い黄体期に副乳がはれてきたり、痛みを伴うことがまれにあります。
また、妊娠授乳期にも正常な乳腺と同様に乳腺も発育するため、乳汁(母乳)が出てくる産後3~4目ころからゴルフボールのようなしこりになって、はれたり、痛みを伴うことがあります。乳腺自体から乳汁が出てくることもありますが、副乳には乳汁が出る乳口がないことも多いので、中に乳汁がたまって乳腺炎を起こすこともあります。
妊娠授乳期においてのはれ、痛みの多くは、一時的なものであり、間もなく自然に消失します。しかし、強い痛みが生じたり、痛みが持続することもあります。妊娠ごとに、はれ、痛みを繰り返し生じることもあります。
副乳の乳腺がはれた場合は、局所を冷却し炎症を抑えることで少しずつ治めることができます。保冷剤をガーゼで包み、冷湿布することを何回か繰り返すと、はれも引き、しぼむような形になります。熱感がある場合は、洗面器の水にペパーミントの精油を5、6滴垂らし、おしぼりを数本入れて絞って冷蔵庫で保存、これで冷湿布することを何回か繰り返すと、かなり楽になるでしょう。
ちなみに、副乳にできる乳がん(異所性乳がん)は極めてまれであり、乳がん全体の0・4パーセントほどの頻度で生じ、そのうち3分の2はわきの下にできます。また、乳房の痛みを伴う乳がんは、あまり多いものではありませんので、副乳が痛んでも心配はいりません。
乳頭を備えていないけれど、わきの下に違和感を覚え、熱く感じたり、副乳が異常に大きいようで心配な場合は、婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科を受診することが勧められます。
副乳の検査と診断と治療
婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科の医師による診断では、わきの下のしこりが疾患によって生じていないかどうか検査します。
考えられるものとして、乳がん、リンパ腺(せん)の炎症、ほかの臓器のがんからの転移、リンパの悪性腫瘍(しゅよう)、汗腺や皮脂腺の疾患などがあり、副乳との見分けがつきにくい場合には、しこりの一部を採取して顕微鏡で調べる生検を行うこともあります。
婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科の医師による治療では、副乳に強い痛みが生じたり、痛みが持続する場合、ホルモン剤を投与し、ホルモン分泌を抑えます。
副乳に乳腺炎が起きた場合は、初期には冷湿布して、乳汁は注射針を刺して吸引した上、抗生物質を注射か内服で投与し、鎮痛消炎剤を内服で投与します。
副乳が乳首や乳輪だけの場合には、外科的手術でほくろやいぼを切除するような要領で切除して、皮膚を縫合することも可能です。
副乳に乳腺もある場合には、皮膚切除に加えて乳腺もくり抜いて切除することも可能です。くり抜いた部分が陥没しないように修正して、皮膚を縫合します。通常の乳腺と副乳の乳腺はつながっていないことがほとんどのため、外科的には乳房温存治療ができる可能性が高いといえます。
副乳とは、乳房の通常の存在部位である両側前胸部とは異なった部位に、乳頭、乳輪、あるいは乳腺(にゅうせん)組織が存在する状態。
副乳の多くは、わきの下や、通常の乳房の下内側に存在します。これは生まれ付きのものであり、そのうち乳頭だけが存在するものは副乳頭(多乳頭症)、乳腺組織が存在するものを副乳腺(多乳房症)と呼びます。
副乳の起源は、胎児期にあります。胎生6週ころに、両わきの下から乳頭、腹部の左右、ももの内側に至る乳腺提という表皮の堤状の肥厚ができ、この乳腺提に7~9対の乳腺元基という乳腺の基が現れます。胎生9週には、1対は通常の乳房になり、残りは退縮します。しかし、いくつかの乳腺元基が残って、発育することがあります。これが副乳であり、乳腺提の線上のどこにでも発育する可能性があります。
そもそも、人間や象のような少産種のほ乳動物では、1対のみの乳房を発育させるのに対して、ネズミやイノシシのような多産種のほ乳動物では、前足の両わきの下から後ろ足の間に至る乳腺提の線上に、複数対の乳房を発育させます。人間も胎児期には、通常の乳房以外の部位に乳房を発育させる要素を持っているため、副乳はそれほど異常な存在ではありません。
実際、左右ともに、あるいは片側だけに副乳のある人は、女性の5パーセント、男性の2パーセントに認められるといわれています。
副乳は不完全で退化した乳房であるため、外から見てわかる乳首、乳輪を備えていることは少なく、副乳があっても気付かないこともあります。目立たないため、ほくろやいぼと認識されることも多く、乳腺提の線上に対になったほくろがある場合、副乳の可能性もあります。まれに乳腺組織が存在し、少し発育して膨らみを生じる場合もあります。
女性が妊娠時に、わきの下に違和感を覚え、熱く感じたり、その部分の色が濃くなってきて、副乳の存在に初めて気が付くことがしばしばあります。
乳腺組織が存在する場合、通常の乳腺と同様にホルモン分泌に反応するため、女性では生理前のホルモン分泌の多い黄体期に副乳がはれてきたり、痛みを伴うことがまれにあります。
また、妊娠授乳期にも正常な乳腺と同様に乳腺も発育するため、乳汁(母乳)が出てくる産後3~4目ころからゴルフボールのようなしこりになって、はれたり、痛みを伴うことがあります。乳腺自体から乳汁が出てくることもありますが、副乳には乳汁が出る乳口がないことも多いので、中に乳汁がたまって乳腺炎を起こすこともあります。
妊娠授乳期においてのはれ、痛みの多くは、一時的なものであり、間もなく自然に消失します。しかし、強い痛みが生じたり、痛みが持続することもあります。妊娠ごとに、はれ、痛みを繰り返し生じることもあります。
副乳の乳腺がはれた場合は、局所を冷却し炎症を抑えることで少しずつ治めることができます。保冷剤をガーゼで包み、冷湿布することを何回か繰り返すと、はれも引き、しぼむような形になります。熱感がある場合は、洗面器の水にペパーミントの精油を5、6滴垂らし、おしぼりを数本入れて絞って冷蔵庫で保存、これで冷湿布することを何回か繰り返すと、かなり楽になるでしょう。
ちなみに、副乳にできる乳がん(異所性乳がん)は極めてまれであり、乳がん全体の0・4パーセントほどの頻度で生じ、そのうち3分の2はわきの下にできます。また、乳房の痛みを伴う乳がんは、あまり多いものではありませんので、副乳が痛んでも心配はいりません。
乳頭を備えていないけれど、わきの下に違和感を覚え、熱く感じたり、副乳が異常に大きいようで心配な場合は、婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科を受診することが勧められます。
副乳の検査と診断と治療
婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科の医師による診断では、わきの下のしこりが疾患によって生じていないかどうか検査します。
考えられるものとして、乳がん、リンパ腺(せん)の炎症、ほかの臓器のがんからの転移、リンパの悪性腫瘍(しゅよう)、汗腺や皮脂腺の疾患などがあり、副乳との見分けがつきにくい場合には、しこりの一部を採取して顕微鏡で調べる生検を行うこともあります。
婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科の医師による治療では、副乳に強い痛みが生じたり、痛みが持続する場合、ホルモン剤を投与し、ホルモン分泌を抑えます。
副乳に乳腺炎が起きた場合は、初期には冷湿布して、乳汁は注射針を刺して吸引した上、抗生物質を注射か内服で投与し、鎮痛消炎剤を内服で投与します。
副乳が乳首や乳輪だけの場合には、外科的手術でほくろやいぼを切除するような要領で切除して、皮膚を縫合することも可能です。
副乳に乳腺もある場合には、皮膚切除に加えて乳腺もくり抜いて切除することも可能です。くり抜いた部分が陥没しないように修正して、皮膚を縫合します。通常の乳腺と副乳の乳腺はつながっていないことがほとんどのため、外科的には乳房温存治療ができる可能性が高いといえます。
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■用語 プランマーズネイル [用語(ふ)]
爪の甲が爪床から離れて、浮いてくる状態
プランマーズネイルとは、爪(つめ)の甲が爪床(そうしょう)からはがれる状態。爪甲剥離(はくり)症、オニコライシスとも呼ばれます。
爪の先端から半分くらいまでははがれてくることがありますが、爪が全部抜け落ちることはありません。
爪は本来、先端部以外は爪の下の皮膚とよく付着しているものですが、プランマーズネイルでは爪が下の皮膚である爪床から遊離します。爪が爪床から離れて、浮いてくる状態は爪の先端から始まり、根元に向かって徐々に進行して、剥離した爪は白色ないし黄色に変化します。
また、指と爪の透き間にゴミが入り、しばしば部分的に汚い褐色調を呈することもあります。こういう状態の時、爪の下をつまようじなどで掃除するのはよくありません。皮膚を痛めて、ますます悪化することになります。
プランマーズネイルの原因としては、ごくまれに先天性ないし遺伝性のプランマーズネイルもありますが、多くは後天性で、外因、感染症、薬、あるいは皮膚疾患や全身疾患などに伴って生じます。最も多いのは、原因のはっきりしない特発性のもので、この場合、症状は軽くあまり進行するということもありません。
外因によるものとしては、爪と爪床の間にトゲや鉛筆の芯(しん)などが入るなどのけが、あるいは、指先の細かい操作を必要とする職業によるものがあります。職業は、料理人、理髪師、美容師、庭師、パソコンのオペレーター、ギタリスト、ピアニストなど。また、マニキュアや洗剤、さらには有機溶剤やガソリンなども原因になります。
極めて軽い湿疹(しっしん)やかぶれが起こった場合、手の皮膚ではわずかに皮がむけるだけで治っていきますので、気付かずにすむことが多いのですが、爪の下ではほんのわずかに皮がむけた状態でも、爪ははがれて浮いた状態となります。
感染症によるものは、カンジダという真菌、一種のカビの爪床部への感染によるものがほとんどです。この場合は、爪の下の皮膚がガサガサした感じになります。
薬によるものとしては、内服するだけでプランマーズネイルを起こす薬もありますが、多くの場合は薬だけではなく、薬を内服した人の爪に日光の紫外線が作用することで生じる薬剤性光線過敏症、ポルフィリン症などの光線過敏症に伴うものです。多くは日光によるものですから、夏に悪化し、冬に軽快するのが特徴です。
皮膚疾患に伴うものは、乾癬(かんせん)、接触皮膚炎、掌蹠(しょうせき)多汗症、扁平苔癬(へんぺいたいせん)、尋常性天疱瘡(てんぽうそう)、薬疹などがあります。
全身疾患に伴うものとしては、甲状腺(せん)機能高進症(バセドウ病)に伴うプランマーズネイルが最も有名です。この場合、爪は平らになることが多く、時に反り返ったようになることもあります。最初1本の指から始まり、次第に他の指にも進行していきます。
甲状腺機能高進症以外にも甲状腺機能低下症、ペラグラ(ニコチン酸欠乏症、ナイアシン欠乏症)、糖尿病、鉄欠乏性貧血、さらには黄色爪症候群、肺がんなどの肺疾患、強皮症、全身性エリテマトーデスなどの膠原(こうげん)病、梅毒などの感染症でみられます。
念のために、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科で診察を受けます。特に、1カ所または数カ所の爪だけが剥離を起こす通常のプランマーズネイルと異なって、手足すべての爪に変化がある場合は、甲状腺機能高進症を始めとする全身的な疾患が原因かもしれませんので、早めに受診するようにしましょう。
プランマーズネイルの検査と診断と治療
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、爪の甲の剥離を起こし得る外傷や外的物質、薬、あるいは皮膚疾患や全身疾患を検査して、原因がわかるようであれば、それを除去ないし治療します。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、カンジダ菌の感染の可能性の強い時には、抗真菌剤の外用を行います。一般的には、角質に浸透しやすい保湿剤やステロイド剤をこまめに塗ったり、ビタミンEの飲み薬を使用する場合もあります。爪の治療には、非常に時間がかかります。
甲状腺機能高進症などの全身疾患に伴うものは、その治療を行えばよくなります。
日常では、保湿剤などのスキンケア、ネイルケアにより予防することが、重要となります。爪も皮膚の一部であり、角質を構成するケラチンという蛋白(たんぱく)質が変化したものですから、マニキュア、除光液、洗剤などを使いすぎるとダメージを受けるので、その使用を控えます。
進行中は、水仕事の際にはゴム手袋の着用を心掛けます 。
プランマーズネイルとは、爪(つめ)の甲が爪床(そうしょう)からはがれる状態。爪甲剥離(はくり)症、オニコライシスとも呼ばれます。
爪の先端から半分くらいまでははがれてくることがありますが、爪が全部抜け落ちることはありません。
爪は本来、先端部以外は爪の下の皮膚とよく付着しているものですが、プランマーズネイルでは爪が下の皮膚である爪床から遊離します。爪が爪床から離れて、浮いてくる状態は爪の先端から始まり、根元に向かって徐々に進行して、剥離した爪は白色ないし黄色に変化します。
また、指と爪の透き間にゴミが入り、しばしば部分的に汚い褐色調を呈することもあります。こういう状態の時、爪の下をつまようじなどで掃除するのはよくありません。皮膚を痛めて、ますます悪化することになります。
プランマーズネイルの原因としては、ごくまれに先天性ないし遺伝性のプランマーズネイルもありますが、多くは後天性で、外因、感染症、薬、あるいは皮膚疾患や全身疾患などに伴って生じます。最も多いのは、原因のはっきりしない特発性のもので、この場合、症状は軽くあまり進行するということもありません。
外因によるものとしては、爪と爪床の間にトゲや鉛筆の芯(しん)などが入るなどのけが、あるいは、指先の細かい操作を必要とする職業によるものがあります。職業は、料理人、理髪師、美容師、庭師、パソコンのオペレーター、ギタリスト、ピアニストなど。また、マニキュアや洗剤、さらには有機溶剤やガソリンなども原因になります。
極めて軽い湿疹(しっしん)やかぶれが起こった場合、手の皮膚ではわずかに皮がむけるだけで治っていきますので、気付かずにすむことが多いのですが、爪の下ではほんのわずかに皮がむけた状態でも、爪ははがれて浮いた状態となります。
感染症によるものは、カンジダという真菌、一種のカビの爪床部への感染によるものがほとんどです。この場合は、爪の下の皮膚がガサガサした感じになります。
薬によるものとしては、内服するだけでプランマーズネイルを起こす薬もありますが、多くの場合は薬だけではなく、薬を内服した人の爪に日光の紫外線が作用することで生じる薬剤性光線過敏症、ポルフィリン症などの光線過敏症に伴うものです。多くは日光によるものですから、夏に悪化し、冬に軽快するのが特徴です。
皮膚疾患に伴うものは、乾癬(かんせん)、接触皮膚炎、掌蹠(しょうせき)多汗症、扁平苔癬(へんぺいたいせん)、尋常性天疱瘡(てんぽうそう)、薬疹などがあります。
全身疾患に伴うものとしては、甲状腺(せん)機能高進症(バセドウ病)に伴うプランマーズネイルが最も有名です。この場合、爪は平らになることが多く、時に反り返ったようになることもあります。最初1本の指から始まり、次第に他の指にも進行していきます。
甲状腺機能高進症以外にも甲状腺機能低下症、ペラグラ(ニコチン酸欠乏症、ナイアシン欠乏症)、糖尿病、鉄欠乏性貧血、さらには黄色爪症候群、肺がんなどの肺疾患、強皮症、全身性エリテマトーデスなどの膠原(こうげん)病、梅毒などの感染症でみられます。
念のために、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科で診察を受けます。特に、1カ所または数カ所の爪だけが剥離を起こす通常のプランマーズネイルと異なって、手足すべての爪に変化がある場合は、甲状腺機能高進症を始めとする全身的な疾患が原因かもしれませんので、早めに受診するようにしましょう。
プランマーズネイルの検査と診断と治療
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、爪の甲の剥離を起こし得る外傷や外的物質、薬、あるいは皮膚疾患や全身疾患を検査して、原因がわかるようであれば、それを除去ないし治療します。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、カンジダ菌の感染の可能性の強い時には、抗真菌剤の外用を行います。一般的には、角質に浸透しやすい保湿剤やステロイド剤をこまめに塗ったり、ビタミンEの飲み薬を使用する場合もあります。爪の治療には、非常に時間がかかります。
甲状腺機能高進症などの全身疾患に伴うものは、その治療を行えばよくなります。
日常では、保湿剤などのスキンケア、ネイルケアにより予防することが、重要となります。爪も皮膚の一部であり、角質を構成するケラチンという蛋白(たんぱく)質が変化したものですから、マニキュア、除光液、洗剤などを使いすぎるとダメージを受けるので、その使用を控えます。
進行中は、水仕事の際にはゴム手袋の着用を心掛けます 。
タグ:ボーズライン(爪甲横溝) バロニキア 化膿性爪囲炎(ひょうそう) 湾曲爪 爪甲鉤弯症 爪甲層状分裂症 健康創造塾 二枚爪 爪かみ 巻き爪 用語 黄色爪症候群 爪甲脱落症 オニコプトーシス ルコニキア オニコライシス 爪甲縦裂症 オニコレクシス 爪甲委縮症 オニカトロフィア 巨爪症 オニキクシス 卵殻爪 オニコマレーシア エッグシェルネイル 爪肥厚症 咬爪症 オニコファジー ハイパートロフィー カンジダ性爪囲爪炎 黄色爪 ピンサーネイル イングローンネイル プランマーズネイル 用語(は行) 爪甲白斑症 爪甲周囲炎(爪囲炎) 爪甲剥離症 爪白癬(爪の水虫) 匙状づめ 時計ガラスつめ(ヒポクラテスつめ) 爪甲横溝 爪甲軟化症 陥入爪 スプーンネイル 用語(ふ) コルゲーテッドネイル ランナー黒爪 爪下血腫 オニコマイコーシス アトロフィ 厚硬爪 肥厚爪 緑色爪 グリーンネイル 先天性厚硬爪 爪甲色素線条 爪異栄養症 オニコクリプトーシス 爪郭炎 すじ爪 ばち指 爪メラノーマ 爪甲縦条 オニキア
■用語 腹圧性尿失禁 [用語(ふ)]
せきをした際など腹部に急な圧迫が加わった時に、尿が一時的に漏れる状態
腹圧性尿失禁とは、せきやくしゃみ、運動時など、腹部に急な圧迫が加わった時に尿が漏れる状態。尿意とは無関係に、膀胱(ぼうこう)にたまった尿が一時的に漏れるもので、その程度はさまざまです。
尿失禁のうち、一時的な漏れではなく、一日中、常に漏れ続ける失禁は、真性尿失禁または全尿失禁と呼びます。真性尿失禁、全尿失禁の代表例として挙げられるのは、尿管開口異常などの先天性尿路奇形によって常に尿が漏れているもの、または手術などの際に尿道括約筋を完全に損傷したものです。
一時的な漏れを示す尿失禁の一つである腹圧性尿失禁は、中年以降の出産回数の多い女性に、しばしば認められます。
起こる原因は、膀胱を支え、尿道を締めている骨盤底筋群が加齢や出産、肥満などで緩んで、弱くなったためです。骨盤底筋群の緩みが進むと、子宮脱、膀胱瘤(りゅう)、直腸脱などを合併することもあります。
まれに、放射線治療やがんの手術によって、尿道を締める神経が傷付くことが原因となることもあります。
腹部に急な圧迫が加わるような動作をした時、例えばせきやくしゃみをした時、笑った時、階段や坂道を上り下りした時、重い荷物を持ち上げた時、急に立ち上がった時、走り出した時、テニスやゴルフなどの運動をした時などに、一時的に尿が漏れます。通常、睡眠中にはみられません。
この骨盤底筋の衰えによる腹圧性尿失禁と、急に強い尿意を感じてトイレに間に合わず尿を漏らしてしまう切迫(急迫)性尿失禁の両方の症状がみられる場合もあります。切迫(急迫)性尿失禁は、脳、脊髄(せきずい)など中枢神経系に障害があるものと、膀胱炎、結石などによって膀胱の刺激性が高まって起こるものとがあります。
腹圧性尿失禁は頻度が高く、比較的若い女性にもみられる状態です。症状が続き社会生活、日常生活に支障を来すようであれば、泌尿器科を受診することが勧められます。
腹圧性尿失禁の検査と診断と治療
泌尿器科の医師による診断では、症状および各種検査を総合し、腹圧性尿失禁の原因を確定します。
一般的には問診、尿検査、超音波検査、血液検査、パッドテスト、尿流動態(ウロダイナミクス)検査(膀胱内圧、腹圧、排尿筋圧、外尿道括約筋活動、尿流量測定、残尿測定)、尿路造影検査、内視鏡検査などを行って、腹圧性尿失禁の原因を探ります。
問診では、出産歴、手術歴、婦人科疾患の有無、便秘の有無、尿失禁の状況などを質問します。パッドテストでは、パッドをつけた状態で水分を取ってもらい、せき、くしゃみ、 手洗い、足踏みなど腹部に圧迫が加わりやすい動作を行ってもらい、1時間後のパッドの重量増加で尿失禁の程度を確認します。
泌尿器科の医師による治療では、腹圧性尿失禁の程度が軽い場合、尿道、膣(ちつ)、肛門(こうもん)を締める骨盤底筋体操が割合効果的です。肛門の周囲の筋肉を5秒間強く締め、次に緩める簡単な運動で、 仰向けの姿勢、いすに座った姿勢、 ひじ・ひざをついた姿勢、机に手をついた姿勢、 仰向けになり背筋を伸ばした姿勢という5つの姿勢で、20回ずつ繰り返します。
朝、昼、夕、就寝前の4回に分けて、根気よく毎日続けて行うのが理想的です。3カ月以上続けても効果のない場合には、手術が必要となる可能性が高くなります。
骨盤底筋の強化を目的として、電気刺激によって必要な筋肉を収縮させる電気刺激療法もあります。また、腟内コーンという器具を腟内に15分程度、1日2回ほど保持し、それを徐々に重たいものに変えていくことで骨盤底筋を強化し、腹圧性尿失禁の症状を軽減する方法もあります。
薬物による治療としては、尿道括約筋を緊張させる作用のある交感神経刺激剤や、閉経後の女性に対しては女性ホルモン剤などがあります。
重症例や希望の強い場合などには、手術による治療を行います。尿道括約筋の機能が低下している場合には、尿道の周囲にコラーゲンを注入する治療や、尿道括約筋を圧迫するように腹部の組織や人工線維で尿道を支えるスリング手術、日本ではあまり行われていない人工括約筋埋め込み術などがあります。
腹圧性尿失禁とは、せきやくしゃみ、運動時など、腹部に急な圧迫が加わった時に尿が漏れる状態。尿意とは無関係に、膀胱(ぼうこう)にたまった尿が一時的に漏れるもので、その程度はさまざまです。
尿失禁のうち、一時的な漏れではなく、一日中、常に漏れ続ける失禁は、真性尿失禁または全尿失禁と呼びます。真性尿失禁、全尿失禁の代表例として挙げられるのは、尿管開口異常などの先天性尿路奇形によって常に尿が漏れているもの、または手術などの際に尿道括約筋を完全に損傷したものです。
一時的な漏れを示す尿失禁の一つである腹圧性尿失禁は、中年以降の出産回数の多い女性に、しばしば認められます。
起こる原因は、膀胱を支え、尿道を締めている骨盤底筋群が加齢や出産、肥満などで緩んで、弱くなったためです。骨盤底筋群の緩みが進むと、子宮脱、膀胱瘤(りゅう)、直腸脱などを合併することもあります。
まれに、放射線治療やがんの手術によって、尿道を締める神経が傷付くことが原因となることもあります。
腹部に急な圧迫が加わるような動作をした時、例えばせきやくしゃみをした時、笑った時、階段や坂道を上り下りした時、重い荷物を持ち上げた時、急に立ち上がった時、走り出した時、テニスやゴルフなどの運動をした時などに、一時的に尿が漏れます。通常、睡眠中にはみられません。
この骨盤底筋の衰えによる腹圧性尿失禁と、急に強い尿意を感じてトイレに間に合わず尿を漏らしてしまう切迫(急迫)性尿失禁の両方の症状がみられる場合もあります。切迫(急迫)性尿失禁は、脳、脊髄(せきずい)など中枢神経系に障害があるものと、膀胱炎、結石などによって膀胱の刺激性が高まって起こるものとがあります。
腹圧性尿失禁は頻度が高く、比較的若い女性にもみられる状態です。症状が続き社会生活、日常生活に支障を来すようであれば、泌尿器科を受診することが勧められます。
腹圧性尿失禁の検査と診断と治療
泌尿器科の医師による診断では、症状および各種検査を総合し、腹圧性尿失禁の原因を確定します。
一般的には問診、尿検査、超音波検査、血液検査、パッドテスト、尿流動態(ウロダイナミクス)検査(膀胱内圧、腹圧、排尿筋圧、外尿道括約筋活動、尿流量測定、残尿測定)、尿路造影検査、内視鏡検査などを行って、腹圧性尿失禁の原因を探ります。
問診では、出産歴、手術歴、婦人科疾患の有無、便秘の有無、尿失禁の状況などを質問します。パッドテストでは、パッドをつけた状態で水分を取ってもらい、せき、くしゃみ、 手洗い、足踏みなど腹部に圧迫が加わりやすい動作を行ってもらい、1時間後のパッドの重量増加で尿失禁の程度を確認します。
泌尿器科の医師による治療では、腹圧性尿失禁の程度が軽い場合、尿道、膣(ちつ)、肛門(こうもん)を締める骨盤底筋体操が割合効果的です。肛門の周囲の筋肉を5秒間強く締め、次に緩める簡単な運動で、 仰向けの姿勢、いすに座った姿勢、 ひじ・ひざをついた姿勢、机に手をついた姿勢、 仰向けになり背筋を伸ばした姿勢という5つの姿勢で、20回ずつ繰り返します。
朝、昼、夕、就寝前の4回に分けて、根気よく毎日続けて行うのが理想的です。3カ月以上続けても効果のない場合には、手術が必要となる可能性が高くなります。
骨盤底筋の強化を目的として、電気刺激によって必要な筋肉を収縮させる電気刺激療法もあります。また、腟内コーンという器具を腟内に15分程度、1日2回ほど保持し、それを徐々に重たいものに変えていくことで骨盤底筋を強化し、腹圧性尿失禁の症状を軽減する方法もあります。
薬物による治療としては、尿道括約筋を緊張させる作用のある交感神経刺激剤や、閉経後の女性に対しては女性ホルモン剤などがあります。
重症例や希望の強い場合などには、手術による治療を行います。尿道括約筋の機能が低下している場合には、尿道の周囲にコラーゲンを注入する治療や、尿道括約筋を圧迫するように腹部の組織や人工線維で尿道を支えるスリング手術、日本ではあまり行われていない人工括約筋埋め込み術などがあります。
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■用語 分裂膝蓋骨 [用語(ふ)]
正常では1つの骨である膝蓋骨が、先天的に2つ以上に分裂している状態
分裂膝蓋骨(しつがいこつ)とは、正常では1つの骨である膝蓋骨が先天的に2つ以上に分裂している状態。二分(にぶん)膝蓋骨とも呼ばれます。
膝(ひざ)の皿に相当する膝蓋骨は、下肢の中央、大腿(だいたい)骨の下端にあり、大腿四頭筋腱(けん)と膝蓋腱(膝蓋靭帯〔じんたい〕)により上下から支えられています。膝の屈伸運動、歩行に重要な働きを担っています。
分裂膝蓋骨は、通常1個の骨化核から生じる膝蓋骨の骨形成が先天的に妨げられて、癒合不全を生じ、2つ以上に分裂して生じると考えられています。
出生100人のうち約5人に生じ、9対1で男性に多く、両膝に分裂がある例は約40パーセントです。
分裂のタイプは数種類ありますが、大腿四頭筋の外側広筋が付着している膝蓋骨の外側上方に分裂がある型がほとんどを占めます。
膝蓋骨が2つ以上に分裂しているからといって、必ず痛みがあるわけではなく、ほとんどの場合は、痛みなどの症状を伴うことなく日常生活を送れます。
しかし、激しいスポーツ活動や、事故や転倒などで膝を床や地面に強くぶつけた打撲が切っ掛けで、膝蓋骨の分裂した部分に大きな負担が加わって炎症が発生し、膝蓋骨の上部などに痛みが現れることがあります。
激しいスポーツが切っ掛けとなる場合は、成長期に当たる10~17歳の男性に多くみられるのが特徴です。
痛みが発生しやすいスポーツとしては、野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール、短距離走などの陸上競技が挙げられ、これらの急激なダッシュや急停止など、特に太ももの筋肉である大腿四頭筋を酷使する運動では、膝蓋骨に付着している大腿四頭筋によって何度も繰り返し引っ張られて、膝蓋骨の分裂した部分に負荷が蓄積したり、異常可動性が生じたりした結果、痛みが起こります。
現れる症状は、ジャンプやランニング時の膝蓋骨の外側上方もしくは下端の痛みで、押すと痛む圧痛や、骨の隆起などもみられます。痛みや機能障害を伴う分裂膝蓋骨を、特に有痛性分裂膝蓋骨と呼びます。
スポーツ活動が思うようにできなくなったり、ひどい場合には、歩行時や階段昇降時に痛みを伴ったり、膝に水がたまって日常生活にも支障を来すこともあります。
分裂膝蓋骨の検査と診断と治療
整形外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査などの画像検査で、2個または2個以上に分裂した膝蓋骨を確認した場合に、分裂膝蓋骨と判断します。
有痛性分裂膝蓋骨では、触診で膝蓋骨の分裂部分に骨性の盛り上がりを感知することがあります。癒合不全により骨の位置のずれ(転位)がある場合は、異常可動性を感知することもあります。また、膝蓋骨の分裂部分に一致して、はっきりとした圧痛と叩打(こうだ)痛を認めます。
整形外科の医師による治療では、症状が軽度であれば、痛みが治まるまでスポーツ活動を中止して安静を保つことで、自然と痛みは治まります。
より積極的な治療では、炎症を抑え、膝への負担を軽減するための保存的療法が主となります。炎症を抑える目的では、消炎鎮痛剤入りのシップ薬や塗り薬による薬物療法、患部を温める温熱療法を行います。
痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤を内服したり、分裂部周囲にステロイド剤と局所麻酔剤を注射すると、痛みが軽快することがあります。
膝の負担を軽くするには、膝をテーピングやサポーターで固定する装具療法、大腿四頭筋をストレッチングしたり膝周辺の筋肉を鍛える運動療法が効果的です。
これらの治療法でも痛みなどの症状が改善されない時や、何度も再発を繰り返す時は、膝蓋骨の一部を摘出または縫合する手術を行います。
予防法としては、膝への負担を減らすことが第一です。スポーツ活動前後のウォームアップとクールダウンはしっかり行い、膝を急激に動かしたり、ジャンプ動作を繰り返したり、長時間のランニングを行うなど、膝を酷使する無理な運動は避けるようにします。
分裂膝蓋骨(しつがいこつ)とは、正常では1つの骨である膝蓋骨が先天的に2つ以上に分裂している状態。二分(にぶん)膝蓋骨とも呼ばれます。
膝(ひざ)の皿に相当する膝蓋骨は、下肢の中央、大腿(だいたい)骨の下端にあり、大腿四頭筋腱(けん)と膝蓋腱(膝蓋靭帯〔じんたい〕)により上下から支えられています。膝の屈伸運動、歩行に重要な働きを担っています。
分裂膝蓋骨は、通常1個の骨化核から生じる膝蓋骨の骨形成が先天的に妨げられて、癒合不全を生じ、2つ以上に分裂して生じると考えられています。
出生100人のうち約5人に生じ、9対1で男性に多く、両膝に分裂がある例は約40パーセントです。
分裂のタイプは数種類ありますが、大腿四頭筋の外側広筋が付着している膝蓋骨の外側上方に分裂がある型がほとんどを占めます。
膝蓋骨が2つ以上に分裂しているからといって、必ず痛みがあるわけではなく、ほとんどの場合は、痛みなどの症状を伴うことなく日常生活を送れます。
しかし、激しいスポーツ活動や、事故や転倒などで膝を床や地面に強くぶつけた打撲が切っ掛けで、膝蓋骨の分裂した部分に大きな負担が加わって炎症が発生し、膝蓋骨の上部などに痛みが現れることがあります。
激しいスポーツが切っ掛けとなる場合は、成長期に当たる10~17歳の男性に多くみられるのが特徴です。
痛みが発生しやすいスポーツとしては、野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール、短距離走などの陸上競技が挙げられ、これらの急激なダッシュや急停止など、特に太ももの筋肉である大腿四頭筋を酷使する運動では、膝蓋骨に付着している大腿四頭筋によって何度も繰り返し引っ張られて、膝蓋骨の分裂した部分に負荷が蓄積したり、異常可動性が生じたりした結果、痛みが起こります。
現れる症状は、ジャンプやランニング時の膝蓋骨の外側上方もしくは下端の痛みで、押すと痛む圧痛や、骨の隆起などもみられます。痛みや機能障害を伴う分裂膝蓋骨を、特に有痛性分裂膝蓋骨と呼びます。
スポーツ活動が思うようにできなくなったり、ひどい場合には、歩行時や階段昇降時に痛みを伴ったり、膝に水がたまって日常生活にも支障を来すこともあります。
分裂膝蓋骨の検査と診断と治療
整形外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査などの画像検査で、2個または2個以上に分裂した膝蓋骨を確認した場合に、分裂膝蓋骨と判断します。
有痛性分裂膝蓋骨では、触診で膝蓋骨の分裂部分に骨性の盛り上がりを感知することがあります。癒合不全により骨の位置のずれ(転位)がある場合は、異常可動性を感知することもあります。また、膝蓋骨の分裂部分に一致して、はっきりとした圧痛と叩打(こうだ)痛を認めます。
整形外科の医師による治療では、症状が軽度であれば、痛みが治まるまでスポーツ活動を中止して安静を保つことで、自然と痛みは治まります。
より積極的な治療では、炎症を抑え、膝への負担を軽減するための保存的療法が主となります。炎症を抑える目的では、消炎鎮痛剤入りのシップ薬や塗り薬による薬物療法、患部を温める温熱療法を行います。
痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤を内服したり、分裂部周囲にステロイド剤と局所麻酔剤を注射すると、痛みが軽快することがあります。
膝の負担を軽くするには、膝をテーピングやサポーターで固定する装具療法、大腿四頭筋をストレッチングしたり膝周辺の筋肉を鍛える運動療法が効果的です。
これらの治療法でも痛みなどの症状が改善されない時や、何度も再発を繰り返す時は、膝蓋骨の一部を摘出または縫合する手術を行います。
予防法としては、膝への負担を減らすことが第一です。スポーツ活動前後のウォームアップとクールダウンはしっかり行い、膝を急激に動かしたり、ジャンプ動作を繰り返したり、長時間のランニングを行うなど、膝を酷使する無理な運動は避けるようにします。