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■慶大、白血病リスクの血液からiPS細胞 京大、iPS細胞で不整脈を再現 [健康ダイジェスト]

 白血病になるリスクの高い遺伝子の特徴のある人から、体のあらゆる臓器や組織になるとされるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り出すことに慶応大学の研究グループが成功しました。白血病の発症の仕組みの解明や薬の開発に役立つのではないかと期待されています。
 慶応大学血液内科などの研究グループは、白血病の一つ、急性骨髄性白血病になりやすい遺伝子の特徴のある人から血液の提供を受け、白血球からiPS細胞を作り出すことに成功しました。
 このiPS細胞を健康な人から作り出したiPS細胞と比較したところ、血液の細胞に変化する能力が半分以下と低く、細胞が分裂する過程で何らかの障害が起きている可能性がうかがえたとしています。
 こうした遺伝子の特徴のある人は、およそ50パーセントの確率で白血病を発症するものの、詳しい仕組みはわかっていません。研究グループでは今後、このiPS細胞をもとにした血液の細胞で実験を繰り返し、白血病を発症する条件を特定したいとしています。
 研究に当たった中島秀明准教授は、「急性骨髄性白血病の患者の中には治療が効果を示さない人もいる。発症の仕組みを解明し、新しい薬の開発につなげたい」と話しています。
 一方、京都大学の研究グループは、iPS細胞から心臓の筋肉の組織を作り出し、脈の打ち方が異常に速くなる不整脈を再現することに成功しました。新たな治療薬の開発などに役立つと期待されています。
 この研究を行ったのは京都大学物質ー細胞統合システム拠点の中辻憲夫教授らのグループで、iPS細胞から心臓の筋肉の細胞を作り出し、直径12ミリほどの円形のシート状に培養しました。そして、密度が部分的に低い部位をつくったところ、規則正しく収縮を繰り返していた心臓の筋肉が不規則に収縮し始め、不整脈が起きた時と同じ状態を再現できたということです。
 実際の心臓でも、心筋梗塞などで心臓の筋肉の機能が衰えた部位が部分的にできると、不整脈が起きることが知られています。
 研究グループによりますと、ヒトの心臓の筋肉の組織で不整脈を再現できたのは初めてで、中辻教授は「これまである不整脈のモデルの中では最も実際の病気に近いもので、新たな治療法や薬の開発に貢献できると思う」と話しています。
 欧州心臓病学会誌速報電子版に1日、発表しました。

 2012年12月2日(日)




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